新体操WCタシケント大会2025レポート①

報告者:帯同コーチ 秋山エリカ、藤綱江津子

新体操WCタシュケント大会は、2025年4月25〜27日、ウズベキスタン・タシュケントにて開催。ソフィア大会、バクー大会から続く今大会の出場者は、個人47名(25カ国)、団体9ヵ国と。日本からは個人のみ、松坂玲奈、鈴木菜巴が出場。両選手ともに、新ルール初の国際大会となった。

4月25日 個人予選・前半種目(フープ・ボール)
【松坂玲奈】 1日目25位
3月の代表選考会が終了し、より高い得点を目指しDの見直しを行った。リスク、身体難度の得点アップに努め、今回の試合に臨んだ。午前中、予定通りウォーミングアップをスタートしたが、会場の停電により試合時間が大幅に遅れることになった、スタート時間が何時になるかわからないまま、休んだり動いたりを繰り返す中で、45分遅れで競技がスタートした。

●フープ DB 5.40 DA 3.70 A 7.40 E 5.75 合計22.25
1種目目。序盤、落ち着いて難度をこなしたが、エカルテターンで転倒、その後、動揺が続きパンシェバランスで手を床についてしまい身体難度とDAの両方を失う、また、ラストの床転がしから蹴り上げるリスクで落下、最後は手具無しで終了した。

●ボール DB6.70 DA3.80 A 7.95 E 6.80 合計25.25
2種目目は、短時間で気持ちを切り替えチャレンジした、しかし、ラストの3回前転で落下があり、高得点のリスクがカウントされなかったことが点数に大きく響いている。
ミスのある中で芸術のポイントが7.95と8点まであと1歩の所まで伸びたのは、収穫である。
松坂選手がパーフェクトに演技した時に、どこまで点数を伸ばせるか、楽しみでもある。

今日は、試合時間が大幅に変更したことで調整が難しかったのは事実であるが、これも海外の試合の経験の1つとして今後の糧にして欲しい。
明日も2種目が残されている、今ある力を全て発揮できるようチャレンジする。

【鈴木菜巴】 1日目 16位
最終Dグループ。前半グループで起こった停電からの時程遅れは、ここではなくなっていたものの、Dグループは、エントリー14名から、棄権者がおり10名。スケジュールよりも早い試技時間となり、一瞬の焦りや、疲労感も見えたが、自分を何とか落ち着かせながらフロアに向かった。

●ボール DB 6.50 DA 4.10 A 7.55 E 7.50 減点0.05 合計25.60
冒頭のリスクは、足受けを回避。続くDAも無難に行う。ここは一旦集中するためにも、今回の判断は良かった。代表選考会から変更した箇所についても、大きな崩れはなく、最後まで順調に演技をこなした。予定通りやりきれなかった箇所は多々あったが、この状況の中ではまずまずと言える。身体難度は、昨年よりもクリアになって見えた。今後は、リスクの追加基準や、DAなど、ひとつの要素で0.1のプラスにしかならなくても、確実に加点ポイントをやり切ることが必要である。

●フープ DB6.90 DA 3.60 A 7.70 E 7.20 減点0.3 合計25.10
インターバルが短く、本来であればもう少し時間も欲しいところではあった。以前であれば、この状況から過度な緊張感や動揺につながっていたが、目標を見失うことなくフロアに向かった。細かい手具操作が多くリズムが崩れやすい序盤から、1つ目のリスクまでを決め、バランスでのDAでやや乱れたため、エカルテの静止が短くなった。最後まで粘りを見せ、大きなミスなく終えたが、中盤のリスクにおいて、床に付いたと同時に脚で受けたことが落下と判定された可能性がある。減点の0.3は、手具の滑りを気にした為に、タイツを膝まで上げていたこと。これまで減点対象とは考えていなかったことは、反省である。

試合の流れが把握できた中で、明日は演技を行うことができる。適度な緊張感と集中力を持って望みたい。

開催国ウズベキスタンの選手が、1位(IKROMOVA Takhmina) と3位(SARANTSEVA Anastasia)、カザフスタンの選手が5位6位で、中央アジアの国が上位に。2位はドイツ のVARFOLOMEEV Darja。ベラルーシ、イタリアは、次世代若手選手が出場している。

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