新体操WCタシケント大会2025レポート②

報告者:帯同コーチ 秋山エリカ、藤綱江津子

4月26日 個人予選・後半種目(クラブ・リボン)
【松坂玲奈】 個人総合22位 合計98.10点
●クラブ DB 6.80 DA 3.50 A 7.80 E 6.90 合計25.00
3種目目。昨日、難度の精度が悪くミスを犯してしまったことを改善すべく、丁寧に難度の確認を行った。難度については昨日より安定して見せることができたが、冒頭の価値の高いリスクが僅かに軌道をそれ落下、スタート時に痛いミスとなった。しかし、その後は、プログラム通り演技をこなし持ち堪えることができた。

●リボン DB6.90 DA3.80 A 7.90 E7.00 合計25.60
4種目目。冒頭から落ち着いてクリアに難度をこなすことが出来た。持ち前のスピード感と、手具の巧みさもアピールし、松坂選手らしい演技をすることが出来た、しかし、ラストの足で投げ上げるリスク時に、ステックの金具がシューズに引っかかるアクシデントがあり、リスクができないままラストポーズとなった。

日頃より大きな舞台で安定した演技を見せて来た松坂選手ではあるが、今回は結果的に4種目ともにミスが出てしまった。
今回の試合は、3月の代表選考会から短期間で4種目、難度のポイントを上げ、ステップの時間を増やすことにチャレンジしたが、まだ全ての種目で演技を仕上げることが出来ていなかったことは事実である。沢山のミスがあったことは、反省すべきことであるが、前に進むためのチャレンジであることに価値を置き、次の世界選手権の予選がかかるアジア選手権では、全てを改善し、安定感ある演技を発表する。

【鈴木菜巴】 個人総合14位 合計103.05点
●リボン DB 6.80 DA 4.20 A 7.55 E 6.85 減点0.05 合計25.35
冒頭のブーメランで、戻ったステックが床に付くと同時に受けた。実施の点数からこれは落下と判断されたであろう。思わぬ出だしから、ところどころでリボンが若干乱れる。中盤のリスクの前転シリーズで、投げが短くなり2回に抑え、その後につながるDAは、急遽後転をしてつないだ。この場所で、咄嗟の実施ができるのは、身体能力や判断力の高さだけでなく、経験から胆力が付いた証である。
その後、音に合わせたブーメランもぴったりと合い、終盤は本来の動きを取り戻すことができた。3月の代表選考では、リボンにミスが起こってしまったが、今回最後まで、我慢強くやれたことは成長である。DBにおいて、やりきれていない箇所もあるため今後更に改善する。

●クラブ DB7.60 DA 4.20 A 7.55 E 7.65 合計27.00
最終種目のクラブは、今シーズンの新しい作品である。前回よりもスピード感があり、さらに新しい技にも挑戦している。それだけに、緊張感も高まるが、できるかどうかは、やってみなければ分からない。だから、自分が今やれることは、直感で判断したことを迷わずやってみること、そう決めた。
序盤の細かい手具操作も丁寧にこなし、スケールバランスもしっかりと静止。ひとつ目のリスクは、受けの加点要素を回避。スピードが上がるこのステップからが、さらに見どころとなり、緊張は、次第に高揚感となっていく。続く足受けのリスクは、代表戦で落下となった箇所であったが、果敢に挑戦し見事、成功。中盤から後半につれても、ひとつひとつ大切に実施した。バランスもきれいに静止。最後のリスクは、回転数を抑えて終えた。
そして、表示された得点は、27.00。
小柄な選手ではあるが、伸びやかな演技で、かつスピードも見えた。この場でも決して見劣りすることはなかった。ここまでの競技人生において、身体の小さいことで、失意の念を抱くこともあったが、技は得点となり、どのように使うかで個性にもなりうることを証明した。
代表戦では、思う結果に届かなかったが、今シーズン始まっていく大会で、全ての選手の背中を押せる存在でありたい。明日の種目別クラブファイナルに進出する。

新体操WCタシケント大会2025情報