第1回ユースオリンピックレポート4

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 8月18日、男子個人総合決勝が行われ、予選トップだった神本雄也(池谷体操倶楽部)が予選同様に落ち着いた試合運びでユースオリンピック男子初代王者となった。
 神本は、スタート種目ゆかの最初のタンリングにおける着地でバランスを崩しかけたが、最後の後方宙2回ひねりの着地を決めて笑顔のスタート。
 2種目めのあん馬では、下りにおいて3部分移動に行きかけて途中で中止するミスもあったが、Eスコア8.850を獲得して乗り切る。
 つり輪は個性的な伸身ヤマワキ等を成功させ、前方屈身2回宙返りひねり下りの着地を決め、笑顔を見せながらカメラに向かって手を振る余裕を見せる。
 跳馬はユルチェンコ2回ひねりの着地をまとめ、合計57.700でトップに立つ。
 平行棒最初の演技者として登場し、後方屈身2回宙返り下りの着地を決め、笑顔で最終種目へ。
 鉄棒ではエンドー1回ひねり片大逆手で大きくゆがんでしまうが持ちこたえ、最後、伸身新月面の着地でわずかに動くがガッツポーズで有終の美を飾る。得点14.050、合計86.350で1位の表示が出ると、歓声がわき上がり、ポディウムの上に山﨑隆之コーチと上がり、その歓声に向かって手を振った。
 まずは最初となる男子個人総合で金メダルを獲得し、日本チームとして最高の滑り出しとなった。
 なお、ウクライナのSTEPKOは、未完成の部分もあるが、ゆかでの開脚シュピンデル倒立旋回、ゴゴラーゼのさばきなど、魅力的な部分もあり、跳馬ではローチェに挑戦するなど、ロンドン五輪に向けた戦力になることを予感させる演技で個人総合2位となった。
 また、ヨーロッパジュニアチャンピオンであるイギリスのOLDHAMはゆかにおける後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙返りでの尻もち、鉄棒における伸身トカチェフでの落下がありながら84.650を獲得して5位。単純に2度の大過失がないとすると2点アップとなるので、神本の得点を上回る。そう考えると、同世代のライバルとして今後の成長が期待される。
 難しさよりもできばえ重視のジュニアルール。ある意味で、10点満点のルールのときに求められていた完成度の競う部分が表現されていて非常に見応えがあった。
■神本雄也プロフィール