ロッテルダム世界選手権現地レポート(男子予選2班)

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 現地10月18日男子予選2班。注目はあん馬スタートの日本。
■日本
<あん馬>
植松、トップバッターとして非常に丁寧な支持でいい演技。
山室、フロップの途中で手を握りそこね落下、2回目のフロップで落下したため、Eフロップをやり直し、Dスコアのマイナスを最低限にとどめる。
中島、スピード感の中に落ち着いた旋回で演技を通す。終末技で少し倒立を外すが着地を止める。
内村、非常に丁寧な演技、リズムを崩さずしっかり通す。
小林、逆交差倒立で勢い余り前に、そのままこらえきれず落下、Dコンバインでバランスを崩しかけるが持ちこたえ演技を終える。
 2名の大過失はスタート種目として最高とは言えないが、他の3名は見事な演技でその失敗を補った。
<つり輪>
植松、あん馬同様、落ち着いて演技を行う。伸身グチョギーで演技をアピールし、前方屈身2回宙の着地を決める。
田中、グチョギー連続からの振動倒立、ヤマワキ連続からの振動倒立を見事に決める。最後新月面で数歩後ろに動く。
小林、正確な力技、ほん転倒立で肘を少し曲げる、新月面の着地わずかにとぶ。
内村、丁寧に力技をこなす、ホンマ十字後の懸垂時に右輪を握り替える、新月面の着地を決める。
山室、十字倒立、中水平をしっかり見せる、振動倒立もピタリと決め、最後伸身月面着地右足1歩わずかに動かす。
 田中が演技し、全員が世界選手権ロッテルダム大会のスタートを切る。あん馬の失敗を引きずることなく、つり輪は全員が実力をほぼ出し切る。
<跳馬>
小林、アカピアンなのかドリッグスなのかあいまいな着地になり、ライン減点0.1もあり。
中島、ドリッグス着地1歩でまとめるがライン減点0.3。
植松、ドリッグスしっかりとしたつき手で実施、着地姿勢が若干低くなる。
内村、シューフェルト着地を決め、大きなどよめき。本人も両手を横に力強く振り出す。Eスコア9.733。
山室、ロペス着地で弾む。2本目前転とび前方伸身宙2回ひねり着地1歩ライン減点0.1。
 内村着地3種目連続で決め好調をアピール。エースの好調でチームに前向きな風が流れる。
 
<平行棒>
植松、ホンマを決め、棒下ひねりでゆがむが棒下、屈身ベーレと流れの中で修正、最後屈身2回宙の着地を止める。
山室、棒下ひねり~棒下1回ひねり~棒下~車輪~ベーレ、最後後方屈身2回宙着地わずかに1歩動く。
小林、ドミトリエンコ、屈身モリスエ、屈身ベーレ、高難度技を成功、チッペルトで支持姿勢低くなる、後方屈身2回宙の着地少しとぶ。
内村、ドミトリエンコで少し高さがなく小さくなったが修正し、最後後方屈身2回宙の着地わずかに動く。
田中、最初の棒下1回ひねりでバランスを大きく崩しながらドミトリエンコへ、厳しい状況から立て直し、最後後方屈身2回宙着地前に1歩。
 田中の15.066は想定外だが、ゆかのドラグレスクも最後の3回ひねりで後ろに転がるミス。ロンドン大会のメダリスト二人がミスを出し、会場からため息が漏れる。
<鉄棒>
山室、ヤマワキで会場が沸く、リバルコ片大逆手でゆがむが修正し、伸身新月面の着地1歩。
小林、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、アドラーひねり、コールマンと」成功、エンドー1回ひねり片大逆手でゆがむ、伸身新月面の着地で前にとぶ。
田中、アドラーひねり(戻りそうになるがこらえる)~伸身トカチェフ、アドラー1回ひねりヤマワキ、伸身新月面の着地1歩前。
内村、伸身コバチを決める、アドラー1回ひねりで前に流れるが瞬時に修正しヤマワキへ、素晴らしい、コバチ、コールマン、伸身新月面の着地前にとぶ。
植松、伸身コールマン、アドラーひねり~コバチ、コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身新月面の着地右足大きく前に1歩踏み出す。
 若干慌ただしい面もあったが、大過失なく鉄棒を乗り切る。
<ゆか>
小林、着地を止めきれなかったがまずまずの演技。
中島、後方宙1回半ひねり~前宙2回ひねりで数歩後ろに下がる、トーマス転、後方宙2回半ひねり~前宙ひねり着地決める、後方宙3回ひねりの着地右足1歩前。
山室、後ろとびひねり前方屈身2回宙で大きく1歩、トーマス転を実施するところで空中分解し1回ひねりして背中から転倒(ライン減点0.3)、十字倒立で余裕を作るが次のコースで実施した後ろとびひねり前宙で着地ミス、最後の後ろとびひねり前方かかえ込み2回宙で尻もち。
植松、後ろとびひねり前方屈身2回宙ひねり、後方伸身2回宙の着地を止める、後方宙2回半ひねりでけり損じ、そのまま前宙ひねりで前につぶれる大過失、前宙2回ひねり~前宙、最後月面の着地わずかに1歩動く。
内村、前半順調に演技、後ろとびひねり前方屈身2回宙ひねりで両手を前に着くミス、その後持ち直し、最後後方宙3回ひねり着地わずかに動く。
 最終種目を終えた。トップになったものの、山室、植松、内村のポイントゲッター3名に過失が出ており、ミスが重なったゆかについては、決勝に向けて再調整が必要だ。
■その他
<跳馬>
BERBECAR(ROU)、跳馬でローチェ(雄大で着地大きく前にステップするとマットの外に出るほどの飛距離)、2本目ドリッグス(着地1歩)。
DRAGULESCU(ROU)、跳馬、1本目はドラグレスクだったが、2本目はリシャオペンより1回ひねりを少なく着地をまとめてくる。
DRAGULESCU(ROU)、鉄棒で落下。
KOCZI(ROU)、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラーひねり、最後伸身新月面途中でひざが曲がり着地で前にとび出し手をつくミス。
DRAGULESCU(ROU)、ゆか、前宙1回ひねり~1回ひねり前宙転、新月面、トーマス転、十字倒立、後方宙1回半ひねり~前宙2回ひねり、後方宙2回半ひねり~前宙1回半ひねり、後方宙3回ひねり(後ろに転がり後転をしてしまう)。
MUNOZ(ESP)、鉄棒でヤマワキ~リバルコを成功。
団体暫定順位、1位日本、2位韓国、3位フランス、4位ルーマニア、5位スペイン、6位コロンビア、7位ニュージーランド、8位エジプト、9位フィンランド、10位デンマーク。
個人総合予選では内村が92.231を獲得して1位。2位YOO(KOR)、3位KOCZI(ROU)、4位植松、5位小林、9位山室。
現時点での各種目トップと日本選手
ゆかKOCZI(ROU)15.000、内村は14.966で3位。
あん馬TOMMASONE(FRA)15.500、中島2位15.166、内村3位15.133。
つり輪山室15.633、3位小林15.433。
跳馬BOUHAIL(FRA)16.363、山室3位16.116。
平行棒植松15.400、2位内村、3位小林、4位田中、5位山室。
鉄棒植松15.733、4位内村15.033。