第7回フューチャーカップ報告

報告者:

●期  日  2010年11月30日(火)~12月6日(月)(11月30日国内合宿/12月4日競技)
●場所  オーストリア・リンツ
●監督  中村友彦 (強化部員・日体スワロークラブ)
●コーチ 鈴木直弘 (SRC体操クラブ)
       立松佳通 (池谷幸雄体操倶楽部)
       池ノ谷力 (高島平体操教室)
●選手  内田龍真 (日体スワロークラブ)
      柏木寅冶 (SRC体操クラブ)
      北村郁弥 (池谷幸雄体操倶楽部)
      横田拓也 (高島平体操教室)
●参加国数 日本を含め9カ国
(日本・オーストラリア・ベルギー・ドイツ・イギリス・ハンガリー・イタリア・ルクセンブルグポルトガル・スコットランド・スロバキア・スイス・オーストリア)
●参加人数
・カテゴリー 1  15人
・カテゴリー 2  24人
・カテゴリー 3  32人
・合計     71人
●参加チーム数  ・11チーム
●レポート
<11月30日(火)>
 今回は、参加選手全員がナショナルトレーニングセンター(NTC)に近いという事もあり、事前にNTCで合同練習を行ってから出発する事にした。NTCでの練習では、6種目1本の続行と不安部分の確認をしっかりと行った。
<12月1日(水)>
 朝8時にNTCを出発し、現地の宿泊所に到着したのは午後8時頃を回っていた。日本を出発してから約20時間を超えており、軽めの夕食・ミーテイングを行い早々に就寝した。
<12月2日(木)サブ会場練習>
 初日という事もありトレーニングとスピース製の器具の調整を中心に9:00~14:00までの1部練習を行った。横田選手はゆかフロアーの硬さに蹴りが合わず苦労した。内田選手、北村選手はつり輪のスイングが合わず、ホンテンに時間がかかった。柏木選手はすごく調子が良かった。
<12月3日(金)本会場練習>
 午前は9:30~軽めに体を動かし、13:30~本会場練習に備えた。午後からの本会場練習は、他の選手で混雑することを想定していたが全く選手がいなかったため、落ち着いて1本の続行と着地練習まで十分な練習ができた。
<12月4日(土)試合当日>
 試合は第2グループ15:00~17:30からの試合なので、午前中に練習会場にて軽めのトレーニングを行い試合に備えた。試合会場でのアップでは、人数が多く多少戸惑いがありましたが落ち着いて器具をさわリ各自練習を終えることができた。昨年の大会は、6種目各2チーム編成にしてサブ会場でアップした後、本会場での試合であった。そのため競技開始後はサブ会場アップのみという大会方法がであったが、今年は、通常の国内大会と同様の本会場で2分間のアップを行いその後競技となったので、慌てることもなくスムーズに試合に入ることができた。
◆第1ローテーション(ゆか)
 第1演技者の横田選手は、1コースの伸身前宙が高く上がり過ぎて、その後の伸身前宙1回ひねりが半ひねりになるが後は落ち着いて演技を行った。続く柏木選手は1コースラインオーバーしたが無難に演技をまとめた。北村選手は、ラストの後方2回半ひねり前に1歩動くがかなりいい実施だった。続く内田選手は、1コースの着地が少し乱れるが、後はしっかり着地を止めた。
◆第2ローテーション(あん馬)
 第1演技者の横田選手はリアーで詰まりそうになるがそのままセアーに持ち込み下り技まで続けた。続く内田選手、前半は落ち着いてリズムも良かったが、下りの逆リアー倒立が上がらず終末技なし。続く北村選手は落ち着いてループを成功させ通す事が出来た。続く柏木選手は不安定な種目であったがマジャール~シバドを成功させ通すことができチームが勢いづいた。
◆第3ローテーション(つり輪)
 第1演技者の柏木選手は、ホンテン倒立で少し肘曲がりはあったが着地を止めまずまずの演技、続く内田選手は、振り上がり上水平~ホンテン倒立で慌ててしまい前に倒れ大過失。続く横田選手は、ホンテン倒立の収めも良く、下りの着地を止めガッツポーズを見せた。続く北村選手は、競技前の2分アップが、前の選手の練習で2分を超えていたためアップが出来なかったが、慌てることなく落ち着いて演技に入り、完璧な実施で着地までピッタリと決めて観客を沸かした。
◆第4ローテーション(跳馬)
 第1演技者の横田選手は、転回前宙をいい跳躍で着地を決め、続く柏木選手は、伸身カサマツで少し腰が曲がるが小さく着地を1歩にまとめた。北村選手、内田選手も着地をしっかり確認できるほどの伸身カサマツを決めてチーム得点を稼ぐ。
◆第5ローテーション(平行棒) 
 第一演技者の横田選手は、一つ一つ丁寧に演技を行う。ラスト着地を一歩動いてしまうが、Eスコアー9.2の高得点を獲得。柏木選手は無難にこなしまずまずの演技。内田選手は車輪~チッペルトを決めるがツイストで足が割れ、倒立に収めることができず中過失。続く北村選手はツイスト~デアミ~車輪を倒立に収めラストのかかえ込み2回宙返りの着地を決め完璧な演技を見せた。
◆第6ローテーション(鉄棒)
 第1演技者の横田選手は、アドラーをきちんと倒立に収め着地も決め完璧な演技。Eスコアー9.45と審判からの高い評価を受けた。柏木選手はアドラーで詰まったが、何とか大逆手車輪でリズムを取り戻す。続く内田選手は無難に演技をこなしラストの伸身サルトの着地を決め完璧な演技を行った。北村選手は不安なホップターンを抜き、アドラー~伸身の背面車輪をダイナミックに決め無難に演技を行った。
◆総括
 団体総合2位入賞、個人総合において、グループ2の北村選手は優勝、グループ3の横田選手は2位、柏木選手は6位、グループ1の内田選手は3位と参加した選手全員入賞することができた。その中で、柏木選手、横田選手は、はじめての国際試合にもかかわらず堂々と練習や試合ができたことは自信に繋がった事と思う。また、今回参加した選手はもちろん、コーチ達も日の丸を背負って戦う厳しさや現地器具への対応に関していい経験ができた。
 今後、参加した選手たちが、この試合で経験し感じ学んだことを生かし、将来の日本代表選手として成長してくれることを願う。最後に、このようなすばらしい機会を提供していただいた日本体操協会、並びに関係者の皆様に心から感謝を申し上げ、本大会の報告とする。