カナダ国際報告

報告者:

期間 3月8日(火)~15日(火)
<選手団>
コーチ 坂本周次 女子競技委員会
審判  岡崎美穂 レジックスポーツ
選手  寺本明日香 レジックスポーツ
選手  竹内世梨奈 日本体育大学
選手  今西裕万  羽衣体操クラブ
会場  COMPLEXE SPORTIF 
宿舎  HOTEL LORD BERRI
参加国 カナダ・オーストラリア・ベルギー・イギリス・プエルトルコ・ペルー・日本 以上7カ国
<報告>
3月8日(火)<出発・移動、日本→カナダ>
 選手団は、成田空港に集合し17;10発のエアカナダにて出発した。中継地トロントまで12時間の飛行、トロントからモントリオールまでは、1時間少々の飛行。バスで空港から約1時間、20:00過ぎにホテルに到着した。時差―13時間、気温0度、町は降り積もった雪があちこちに残っておりホテルの前にも雪がありバスからトランクを降ろすのも一苦労だった。夕食をとり休んだ。
3月9日(水)<練習1日目午前サブ会場、午後ポジィウム練習、リーダー会議>
 大会委員のレイチェルさんからIDカードを受け取り、会場に向かう。会場までバスで30分くらいかかる。午前中は、本会場横にあるサブ会場での練習だった。8:30から30分のUP後22分30秒ローテーの練習、器具は、ジムノバ、跳馬から練習に入る。本大会前に今西裕万選手と直前に寺本明日香選手が足を怪我しており心配があった。各器具に基本的な技を合わせたがやはり今西裕万選手は、跳馬・平均台・ゆかの高難度の技が実施出来なかった。
 午後は、本会場であるポジィウムでの練習となった。竹内世梨奈選手は、問題無く、又心配していた寺本明日香選手は、少し技を落としての実施ではあるがまずまず器具にあわせての演技練習が出来た。今西裕万選手は、跳馬は伸身まで、平均台は、試技の時行った前方、後方の宙返りで落下し下りも2回ひねりまでとなった。ゆかは、後方2回宙返りが実施できなかった。各国の様子を見るとジュニアは、ロシアが目立っていい選手が揃っていた。シニアは、オーストラリアとベルギーが強そうだったが日本選手が自分の演技をしっかり出せれば上位に入れそうな状況にあった。夜になって冷え込みが一層厳しくなり雪が本格的に降り出した。20時より体育館のVIPルームでリーダー会議が行われた。日本チームは、当初カナダの6選手と回る予定だったが1班が9人と多くなるので怪我人が出て演技者が減ったベルギーと回った方がいいという提案があり了承した。試技は、1番2番を務めた選手は次の種目でラストに回る、1班8人の編成が基本で、演技は、前半の4人と後半の4人に分かれる。種目別は、シニアは、各種目12人出場出来、跳馬の種目別を希望する選手は、個人総合、種目別予選で2種類の種目を跳ぶ、というような内容だった。岡崎美穂審判は、段違い平行棒のD2,E2と決定し、チャレンジ1、チャレンジ2、ジュニア国際の3試合全部の審判をする事となった。
3月10日(木)<練習2日目 ポジィウム練習/大会前日>
 試合前日となった。30分UPの後、37分ローテーション跳馬からベルギーの選手5人と回る。今西裕万選手も調子よく練習出来、ゆかの後方2回宙返りも現地入りして初めて実施出来た。この日、日本選手の調子は、全員良く昨日の練習での問題点を反省しながら練習した。一緒に回ったベルギーのJulie Croket選手が強かった、どうやらベルギーのチャンピオンらしかった。練習を終えいよいよ大会本番を迎える準備が整った。
3月11日(金)<大会1日目 個人総合決勝・種目別予選大会。>
 早朝より日本において東日本大地震が発生し大津波で多くの人が犠牲になったという報道がされ、日本選手にも動揺があったが勇気づけ、試合に向かった。
 20分ローテー練習の後、日本の3選手は、ベルギーの選手と共に跳馬から競技が開始された。跳馬は、3人ともミスなく終了したが寺本明日香選手の着地にみだれがあった。2種目目段違い平行棒、今西裕万選手は、前半試技順トップながらノーミスのすばらしい演技、後半試技順トップの寺本明日香選手痛恨のイエーガーでのミス、そして竹内世梨奈選手は、大逆手車輪に入る所でミス、又、後半の車輪1回ひねりでも運動が乱れ不本意な演技となってしまった。3種目目の平均台、寺本明日香選手無難にまとめ14,275の高得点、竹内世梨奈選手、側宙でのミス、最終演技だった今西裕万選手美しい演技でまとめた。そして最終種目の床は、日本選手3人共持ち味を充分に出したすばらしい演技ですべての演技を終了した。個人総合は、一緒に回ったベルギーのJulie Croket選手が段違い平行棒でミスがあったにもかかわらず堂々の優勝、2位地元カナダのMadeline Gardiner選手、そして3位に日本の寺本明日香選手が見事に入賞、段違い平行棒のミスが悔やまれるが海外でのメダル獲得は、すばらしい成績であると祝福を送りたい。
3月12日(土)<ジュニア国際の試合/シニアの練習>
 夕方からジュニア国際大会がありを観戦した、地元のカナダA/Bチームへの応援がすごかった。団体戦は、やはり盛り上がる、対するロシア、イギリス、ベルギーチームがどう戦いどのチーム(国)が勝利するのかが見どころだった。ロシアとカナダAチームは、同じ班で段違い平行棒から始り、火花の散る攻防となった。試技順先行は、ロシア。段違い平行棒と平均台は、ロシアチームの方が上、床、跳馬は、カナダの方がパワフルで上という感じがした。床でカナダのVictoria Moors選手がルドルフを使い成功、D5,5+E8,825決定点14,325を出した。跳馬でも、カナダチームは、ユルチェンコ1回半、1回、1回と3人がしっかり点を抑えるチーム力は、良かった、結果優勝カナダ、2位ロシア、3位にイギリス。個人も1・2・3をカナダが独占し、ロシア側から言うとA WEYを感じさせる状況となった。
3月13日(日)<種目別決勝>
 種目別決勝が日曜日14:00から始まった。館内は、超満員となり、大歓声の中で日本選手がどのように戦うかが焦点となった、ジュニアの部は各種目予選上位8人、シニアは、チャレンジ1と2のすべて(60名)から各種目上位12名(一カ国2名ルールは、なし)日本は、段違い平行棒に寺本明日香、今西裕万選手、平均台に寺本明日香、今西裕万選手、床に竹内世梨奈、寺本明日香、今西裕万選手がそれぞれエントリーされている。第1・2ローテーション、ジュニア跳馬と段違い平行棒、シニア平均台と床、日本の最初の演技者は、平均台試技順4番今西裕万選手、ミスなく着地も決めて5位入賞、前半最終の演技者、寺本明日香選手は、後方開脚伸身宙返りで落下したが6位入賞、床、後半1番の試技、竹内世梨奈選手ラストの後方2回宙返りで着地がすこし乱れたがよくまとめて4位入賞、次の演技者は、今西裕万選手、後方屈身2回宙返りでラインオーバーがあったが美しい演技で8位入賞、5番目に演技した寺本明日香選手は、予選では、使わなかった屈身ムーンサルトを入れて挑み13,475で見事に3位銅メダルを獲得した。
 後半の部第3・4ローテーションは、ジュニアが平均台と床、シニアが跳馬と段違い平行棒が行われる、日本選手は、段違い平行棒の前半の1番演技、今西裕万選手下りで大きく2歩前に跳び出してしまったが手を着くのをこらえて6位入賞、後半2番目の演技、寺本明日香選手、閉脚シュタルダーで停止し次にイエーガー宙返りでも落下してしまい9位に終わった。寺本明日香選手は、平均台と段違い平行棒は、メダル候補だっただけに悔やまれるミスだった。
 大会を終え日本選手は、竹内世梨奈選手を中心によくまとまり、助け合い、日本から遠い異国の地で知り合いもなく、言葉も満足に通じない状況で外国人選手に平均台の順番を交渉したりして練習からすでに緊張があったが、競技、又、競技以外の所でも非常によく頑張ったと思う、又、この大会期間中に日本では、宮城県で大地震が発生し津波で多くの死者が出たという報道がされ大会関係者からも「家族は大丈夫か?」と多くの方々から励ましの声を頂いた。競技レベルは、充分に戦える状況にあったので各選手、手ごたえがあったとおもわれる。自分なりによく反省し次の大会に生かしてほしいと思う。最後にこのような機会を与えて下さった関係者の皆様に深く感謝を致します。