ロンドン五輪レポート12女子団体決勝

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 現地7月31日、女子団体決勝スタート。決勝進出はUSA/RUS/CHN/ROU/GBR/JPN/ITA/CANの8カ国。
■第1ローテ前半
跳馬アメリカ、WIEBER、DOUGLAS、MARONEYの3選手がアマナールをほぼ完璧にまとめる素晴らしいスタート。48.132。
段違い中国、HUANG Qiushuang、HE Kexin、YAO Jinnanの3選手ともにいい演技。着地もほぼまとめてくる。こちらの素晴らしいスタート。
平均台イギリス、2番手PINCHESが後転とび宙でふらつき、ジャンプで足を踏み外し落下。最後WHELAN、側宙~スワン決める、後方2回宙で着地数歩後ろに下がる。
ゆかイタリア、FERRARIが後方宙1回半ひねり~宙返りで尻もち。
■第1ローテ後半
跳馬ロシア、MUSTAFINAユルチェンコ2回ひねりを止める。KOMOVAアマナールまとめる。PASEKAアマナール着地で大きく左へずれ着地マットからはみ出る。
段違いルーマニア、大きなミスはなかったが、倒立、着地など決め切れず。
平均台日本、新竹ジャンプで大きくふらつくが踏みとどまる。美濃部、最後の後方屈身2回宙で前のめりになり手でマットを支える大過失。寺本、丁寧な演技で後方宙3回ひねり下りの着地を止める。
ゆかカナダ、豪快なタンブリングでミスなく演技。いいスタートを切る。
■第2ローテ前半
段違いロシア、GRISHINAが演技をまとめる。MUSTAFINA非常に落ち着いた世界女王らしい演技。KOMOVAも続く。
平均台ルーマニア、ところどころで小さなふらつきもあったが、着地をまとめて強さをアピール。
ゆか日本、新竹が演技をまとめる。田中、最初の前宙2回ひねりが1回半ひねりとなり、臨機応変にその後後方宙返りにつなげるもののライン減点。寺本着地をしっかり丁寧に止める演技。
跳馬カナダ、全選手ともに自身の跳躍をまとめる。好調キープ。
■第2ローテ後半
段違いアメリカ、WIEBER前方ほん転ひねりでバランスを崩しかけるが持ち直す。ROSS持ち味を出す素晴らしい演技。DOUGLASのびやかな演技、最後の後方伸身2回宙着地1歩。大きなミスなく苦手種目をクリア。
平均台中国、DENG Linlin前宙で落下。SUI Luグリゴラスを決め、すべて正確で安定した演技。HUANG Qiushuangふらつきあり、落下はしなかったが宙返りで大きくバランスを崩す場面もあり。
ゆかイギリス、PINCHESとWHELANが大声援にこたえる演技。TWEDDLEが最初の後ろとびひねり前方2回宙でライン減点したが、演技はミスなく実施。
跳馬イタリア、着地をまとめきれず。
■第3ローテ前半
平均台アメリカ、ROSS小さなふらつきは1か所のみの素晴らしい演技。DOUGLAS思い切りのよい演技で安定感を表現。RAISMAN屈身前宙で少しぶれ宙返りにつなげられなかったが、演技をまとめる。
ゆか中国、2番手HUANG Qiushuangが最初のタンブリングで尻もちをつきライン減点。SUI Luはいい演技。
跳馬イギリス、着地は止め切れなかったが全選手着地をまとめる。
段違いイタリア、小さなミスが目立ったが大過失なく。
■第3ローテ後半
平均台ロシア、MUSTAFINA緊張からか数回ふらつく。KOMOVAジャンプでふらつき、後転とび連続からのパターソンで左に大きく動きマットから出た着地。AFANASEVAメリハリの利いた演技でミスの出た悪い流れを止める。
ゆかルーマニア、BULIMARいい演技。PONOR予選で失敗した後方宙3回ひねりを実施して成功。IZBASA宙返りからのジャンプの大きさでアピール。
跳馬日本、鶴見、田中、寺本がそれぞれ持ち味を出して演技をまとめる。
段違いカナダ、足割れなどみられるが勢いに乗ってミスなく演技をまとめる。
■第4ローテ前半
ゆかロシア、MUSTAFINAいい演技。GRISHINA後方宙1回半ひねりでバランスを崩し、次の技に行けずつぶれたロンダートに。AFANASEVA最後の後方屈身2回宙
跳馬ルーマニア、全員ユルチェンコ2回ひねりをまとめる。
段違い日本、寺本、田中ともにいい演技。鶴見、前方車輪1回ひねり大逆手でゆがみ、大逆手車輪を回して修正したが、トカチェフで左足バータッチ。
平均台カナダ、集中力を保ち全員いい演技。
■第4ローテ後半
ゆかアメリカ、DOUGLAS落ち着いた演技。WIEBER大きな歓声を受けて素晴らしい演技。RAISMANアップにおいて後ろとびひねり前方2回宙からの前宙でけりが抜けて頭から落下しひやりとさせる。本番では前宙を抜いて演技。後方屈身2回宙から雄大な開脚ジャンプで会場大歓声。
跳馬中国、3選手がユルチェンコ2回ひねりをまとめるが団体メダルに届かず。
段違いイギリス、2選手がいい演技をしてTWEDDLEへつなげる。バックカットひねりから直接マロニーひねりへはつなげられなかったが、最後の新月面の着地をまとめる。
平均台イタリア、1番手PREZIOSAが宙返りで落下、ターンで大きくふらつくが、FERRARIとFERLITOがしっかり演技をまとめる。
1位アメリカ
2位ロシア
3位ルーマニア
4位中国
5位カナダ
6位イギリス
7位イタリア
8位日本
 5-3-3形式の大会ではミスの有無が明暗を分ける。アメリカとロシアの優勝争いは、アメリカの跳馬で決まったかに見えたが、段違い平行棒でロシアが肉薄。アメリカにプレッシャーをかけた。しかし、平均台の実施で差が生まれ、最後のゆかでのロシアのミスでアメリカの手に金メダルが渡った。中国とルーマニアの銅メダル争いも中国の平均台とゆかで出たミスにより決まった。それぞれ勝者と敗者の間に笑顔と涙があり、印象的だった。
 日本も平均台でのミスのほか、本来予定していた技が不完全で認められなかったなどあり、ミスのあったイタリアに及ばず最下位となった。まだまだ上位国とは力の差はあるが、目指すべき美しい体操とチームの団結力は世界中に十分伝わったと思う。