ロンドン五輪レポート13男子個人決勝

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 現地8月1日、男子個人総合決勝スタート。決勝進出は日本の内村、田中和両選手を含む24名。山室選手は出場資格を有していたが、団体決勝の際に足を負傷し、2カ国制限規則により出場資格を得ていなかった田中和選手が出場することに。
■第1ローテ
田中和つり輪第1演技者、集中した表情、振動倒立をしっかり決め、伸身月面の着地を決める。
内村あん馬第3演技者、コンバインでバランスを崩しかけるが立て直し、予選、団体決勝のミスを払しょくする演技。
日本選手両者とも素晴らしい滑り出し。
BELYAVSKIY(RUS)ゆか、2度のライン減点。 LEYVA(USA)着地を止め切れなかったが大きなミスなく。
OROZCO(USA)、HAMBUCHEN(GER)もゆかは大きなミスなくスタート。 GARIBOV(RUS)あん馬の下りがC難度に。
■第2ローテ
内村つり輪第2演技者、振動からの静止技の決めをしっかり表現、新月面の着地僅かに前にとぶ。
田中和跳馬第6演技者、確実性の高いアカピアンにして着地をまとめる。疲労もあると思うので戦略としては妥当。
OROZCO(USA)あん馬、フロップ途中で馬背におりてしまう、足割れが目立ち、下りで止まり成立せず。
HAMBUCHEN(GER)あん馬、交差倒立で倒立にあげ切れず、不安定な旋回だったが落下なく通す。FIG技術委員にDスコア照会を出したが認められず。
BELYAVSKIY(RUS)あん馬、シュピンデルでバランスを崩しかけるが持ち直し演技を実施。
LEYVA(USA)あん馬、下りで足が下がってしまう倒立下りの未成立。
KUKSENKOV(UKR)あん馬、安定した演技だったが最後の倒立下りでひねり不十分、難度格下げ。
THOMAS(GBR)あん馬、数か所足割れがあったが演技をまとめる。失敗を繰り返した第1グループにおいて唯一いい演技。
これにより第1グループの選手たちに加え、他のグループの選手がメダル争いに参戦することに。
■第3ローテ
内村跳馬第1演技者、シューフェルトようやく着地をぴたりと決める。これをみんな待っていた!合計46.665。
田中和平行棒第5演技者、棒下1回ひねりで倒立に収めきれず、次のドミトリエンコを何とか強引に成立させる。15.500で合計46.233。
HAMBUCHEN(GER)あん馬のミスを感じさせない気合の入った着地、今大会好調を証明する演技。
PURVIS(GBR)跳馬、シューフェルトをまとめる。あん馬では足割れ、つり輪も着地を止め切れなかったが、大きなミスなく前半3種目を終える。
3種目終了時点で日本、内村1位、田中和2位。
第1グループ、つり輪で大きなミスなし。
第2ローテの跳馬でドラグレスクをまとめたVERNIAIEV(UKR)が46.132で3位。
■第4ローテ
田中和鉄棒第4演技者、アドラーひねりとアドラー1回ひねりで倒立に収まりすぎていたが安定感を表現。15.575。合計61.808。残り失敗しているゆかとあん馬。
内村平行棒第6演技者、少し動きに切れがないが大きなミスなく、下りの着地で前にとぶ。15.325、合計61.990。
BELYAVSKIY(RUS)跳馬、屈身ツカハラ宙の着地をまとめる。
前半健闘していたKIM Soo Myun(KOR)ゆかでライン減点、最後の後方宙3回ひねりで転倒。
THOMAS(GBR)、屈身メリサニディスで後ろに数歩下がり手をつくミス。
HAMBUCHEN(GER)が跳馬のシューフェルトでまさかの尻もち。
PURVIS(GBR)平行棒の棒下1回ひねりで崩れて落下。
GONZALEZ(ESP)鉄棒、コールマン~リバルコ、伸身新月面の着地を止める。
■第5ローテ
田中和ゆか第3演技者、前半の流れはよかったが、後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねりで尻もち。最後の後方宙3回ひねりは着地を止める。14.166と得点を伸ばせず。合計75.974。
内村鉄棒第5演技者、アドラー1回ひねりで少し倒立からはずれるがヤマワキ成功、コールマンをホップターン系に変更し、最後の伸身新月面の着地を決める!15.600、合計77.590。
VERNIAIEV(UKR)ゆかの前宙2回半ひねりで後ろに数歩下がりライン減点。あとはまとめる。
NGUYEN(GER)鉄棒、コールマン、伸身コバチ、アドラーひねり~コバチ(足を大きく開いているが)、伸身新月面の着地を止める。
■第6ローテ
田中和あん馬第2演技者、マジャールで落下!完璧な演技で他の選手の演技を待ちたかったが痛恨の落下。
内村ゆか第4演技者、余裕のある演技、前宙2回半ひねりで両手をつくミス!そこから火がついたように宙返り連続を決める、最後、後方宙3回ひねり着地動く。申し訳なさそうに観客に応えながら降壇。
KUKSENKOV(UKR)鉄棒、コールマン、リバルコ、エンドー1回ひねり大逆手~伸身イエガー、アドラーひねり、伸身トカチェフ、シュタルダー1回半ひねり大逆手でゆがむが持ちこたえる、、伸身月面着地1歩。田中和を上回る。
HAMBUCHEN(GER)鉄棒ヴィンクラーで落下。BELYAVSKIY(RUS)ミスなく演技、田中和を上回り田中メダル獲得ならず。
LEYVA(USA)跳馬アカピアンをまとめ、平行棒もうまくまとめた後の鉄棒で豪快なリューキン、伸身コバチ等きめ、最後の伸身新月面の着地1歩。お父さん大喜び。ここで2位に浮上。
NGUYEN(GER)ゆか、最後に得意種目、伸身新月面着地をまとめ、宙返り連続、十字倒立など丁寧にまとめる、最後、月面着地1歩。ここでLEYVAを抜いて個人総合銀メダルを獲得。
1位内村
2位NGUYEN
3位LEYVA
・・・
6位田中和
 やっと笑顔のこぼれる内村をどれだけ待ち焦がれてきたか。金メダルおめでとう! そしてありがとう。
 そしてミスがでても0.10の大切さを知る田中和は、最後まで後方宙3回ひねりの着地を決め、落下後のあん馬の演技を丁寧にこなした。悔しさいっぱいだろうが、最後まであきらめない姿勢は胸を張っていい。