第45回世界体操競技選手権現地レポート 男子予選第3班

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■中国
鉄棒。CHENG Ran、伸身トカチェフ、伸身トカチェフひねり、アドラーひねり~トカチェフひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身新月面わずかに前にとぶ。大きなミスなくトップバッターの役割を果たす。DENG Shudi、アドラーひねり足割れ~伸身トカチェフ、伸身トカチェフひねり、シュタルダー1回半ひねり大逆手ゆがむ、伸身新月面着地まとめる。少し足割れが目立った。LIN Chaopan、アドラーひねり~伸身トカチェフひねり、コールマンで落下、エンドー1回ひねり大逆手~伸身イエガー、伸身新月面着地少し弾む。ZHANG Chenglong、カッシーナ近づく、コールマン、アドラーひねり~伸身トカチェフひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身新月面着地前に1歩。前の演技者の落下があった中でしっかり仕事を果たす。YOU Hao、トカチェフ、トカチェフひねりを交えて最後伸身新月面着地1歩動く。中国、開始種目の鉄棒、大過失(落下)、一人で切り抜ける。
ゆか。LIN Chaopan、後方宙1回半ひねり~前宙2回半ひねりからはじまり、着地を止めきれず。後方宙2回半ひねり~前宙1回ひねりの着地は止める。最後、後方宙3回ひねりほぼ着地を止める。CHENG Ran、非常に丁寧に宙返り連続の着地をとめる。最後、後方宙3回ひねり着地1歩。DENG Shudi、後方宙3回半ひねり~前宙など、着地を丁寧に止めにいく、月面少し回りすぎるがすぐ伏せて対処、最後後方宙3回ひねり着地右に少しとぶ。ZHANG Chenglong、宙返り連続で2回、最後の後方宙3回ひねりで着地を止めきれず。LIU Yang、後ろとびひねり前方2回宙で前に大きくとび、伏せた時に両手が場外へ。鉄棒の大過失を引きずることなくチームとしてまとまった流れをつくる。
あん馬。LIN Chaopan、交差倒立でわずかにバランスを崩しそうになるが修正し、しっかり演技をまとめる。CHENG Ran、交差倒立で少し力を使う、馬端部ロシアンで勢いが止まりそうになるが修正し、演技をまとめる。DENG Shudi、ロスで少し脚開き、転向倒立3部分移動1回ひねり下りで力を使うが流れを止めずにまとめる。YOU Hao、シュピンデル、Eフロップなど勢いのある旋回で演技をまとめる。全員がミスなく終えたのでZHANG Chenglongは演技をせず。
つり輪。LIN Chaopan、ホンマ十字で上がりきれず静止せずにそのまま懸垂になってしまう。新月面の着地は止める。CHENG Ran、最初少しケーブルが揺れるが丁寧に演技し、最後新月面着地1歩。DENG Shudi、振り上がり中水平で少し上水平気味になって下す、伸身新月面着地をほぼまとめる。LIU Yang、逆上がり中水平、懸垂~引き上げて十字倒立など正確な力技、振動技をきれいにまとめ、最後、伸身月面着地を止める。YOU Hao、懸垂~引き上げて上水平の力の表現、伸身グチョギーなどの振動技を雄大に行い、伸身新月面着地足が前後しているが止める。つり輪でもトップバッターのミスをカバー。チームとしての力を示す。
跳馬。LIU Yang、アカピアン着地左に左足1歩。LIN Chaopan、ロペス、空中で脚が少し割れて膝が緩んでいるが着地をまとめる。CHENG Ran、ロペス、姿勢もよく非常にいい実施、左足1歩動く。ZHANG Chenglong、ロペス、少し足がずれているが着地は1歩にまとめる。DENG Shudi、ロペス、空中姿勢はいいが少しひねりが不足し、着地で前かがみになる。
平行棒。ZHANG Chenglong、浮きを表現したホンマ、スピードあるリチャード、後方屈身2回宙下り着地後ろに少しとぶ。CHENG Ran、屈身モリスエ、ヒーリーで少しバランスを崩しかけるが修正し、後方屈身2回宙下り着地ほぼ止める。LIN Chaopan、ヒーリー後の振動倒立で勢いがなくなり、足を大きく開いて修正、後方屈身2回宙下り着地止める。DENG Shudi、屈身ドミトリエンコ、屈身モリスエ、棒下と棒下ひねりで手をずらす、後方屈身2回宙下り着地とめる。YOU Hao、棒下後の手のずらし、ヒーリー後の振動倒立で倒立に収めきれず前振りに、前方かかえ込み2回宙ひねり下り着地前にかがみ1歩動く。
 いくつか大過失もあったが、チームとして同一種目で複数重なることがなく、非常にいい予選のできだったと言える。362.698でトップに立つ。
■北朝鮮
北朝鮮は5人のみで演技を行った。平行棒の一人目のRyang選手が棒下宙ひねりで大きく乱れて落下。2人目のKIM K選手もダブルスイングがあるなど大きく乱れた。後の二人は何とか持ちこたえたが得点は伸びず。鉄棒ではKIM J選手が終末技の伸身月面の着地で大きく前に動いて手を着いてしまい、また、最後のKIM K選手は背面車輪からの移行時に肩を痛めたのか中断してそのまま演技を終えた。元々5名のエントリーでRI SE GWANG選手がほとんど演技をしない予定だったので非常に大きな影響を与えてしまった。そしてゆかは二人のみが通常通り演技し、RI選手はアジア大会で足を痛めた影響か、後方1回半~前宙で尻もちを着いた段階で演技を終了。しかし、あん馬はRI選手を含めた4人が演技。KIM J選手が途中で器具に座ってしまうミスがあり、全体的にバランスを崩してそのまま膝を曲げて旋回する箇所が数か所見られた。つり輪はRI選手とKIM J選手が非常に力強いところを見せ、高得点をマークした。そして跳馬。RI選手が果たしていつも通りに跳べるのか注目されたが、1本目が屈身のドラグレスク、2本目がオリジナルのリセガン。両方ともに着地は低くなったものの痛めた足からは信じられないくらいに高さが出ていた。意地で種目別ランキングトップに立った。チームとしてはこの跳馬では一人伸身ツカハラがいるなど点は伸びず。団体総合ではゆかで一人演技をしなかった影響から12位に留まった。
■プエルトリコ
プエルトリコはあん馬で全員が落下するという非常に悪いスタートを切った。また、つり輪でも一人目のMORALES選手も終末技で尻もち。悪い流れが続いたが、RIVERA選手がその流れを断ち切り、その後TORRES、PEREZ RIVERAの両選手が非常にいい演技をして挽回した。跳馬は4人がアカピアン、最後の PEREZ RIVERA選手がドリッグス。ミスのないいい演技を見せてムードを上げてきた。平行棒でも大きなミスこそなかったが、車輪ライヘルトを複数の選手が行う中、やや実施が乱れた印象があった。鉄棒はほぼノーミスではあったが、トカチェフひねりやヤマワキといった技が手放し技であり、得点が伸びず。ゆかでは全員が非常に丁寧な演技を見せて、全員が万遍なく得点を重ねた。このゆかでは団体での種目別順位が3位となる高得点をマークしたものの、あん馬のミスが影響し、現時点で7位に終わった。
■オランダ
オランダはゆかからスタート。名手WAMMESが後方2回半~伸身前宙で大きく弾かれた以外は無難にまとめ、他の選手も大技こそ少ないもののしっかりとまとめていいスタートが切れた。あん馬ではBLETTERMAN選手が終末技で倒立に上がらずそのまま落下。全体的に得点が伸びなかった。つり輪も同様に力技の難度や要素が少なく、最後に演技をしたVAN ASSCHE選手が後ろ振り上がり開脚上水平~中水平といった組み合わせを見せて盛り返した。跳馬はSCHHMIDT選手がドリッグスを見せたが、VA NASSCHE選手がカサマツひねりで尻もち。平行棒ではZONDERLAND選手がオリジナル技のところでディアミドフひねりとしてしまい、その後、急遽外向き単棒支持を加えたに出来ず。そして、ZONDERLAND選手が最も得意とする鉄棒では、今日は安全策を取った構成で、カッシーナ~コバチ、コールマンと連続のところを2つに分けた。また、ヤマワキも実施せず。それでも15.600を出して種目別トップに立った。チーム順位は隣国ベルギーを上回り現時点で5位。
■クロアチア
団体としては出ているものの、1人しか演技しない種目もあったクロアチア。鉄棒ではトカチェフひねりのオリジナル技を持つモズニクが、その技で非常に美しい捌きを見せて15.000をマーク。そして、この国の強さを見せたのはあん馬で、まずSELIGMANN選手が15.4663をマークした後、UDE選手はブスナリ、シュピンデル、ベレンキ、ウゴーニャンなどの高難度技を連発し、15.533としてこの種目のトップに立った。