第45回世界体操競技選手権現地レポート 男子予選第4班

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■韓国
韓国はつり輪からのスタート。力技の要素で難度を取れず、Dスコアが伸びなかった。唯一強さを見せたYANG選手はほん転倒立のところでバランスを崩してしまい得点が伸びきれなかった。跳馬ではYANG選手が足を痛めている中でも素晴らしい演技を見せ、技を落としたものの(ヨー2とロペス)、着地までまとめてきて強さを見せた。KIM H選手もヨー2とロペスを見せたが、ロペスで低い着地となってひねり不足もあり得点を伸ばせず。しかし、この種目で韓国がトータル59点台を出し、一気に得点を伸ばした。平行棒ではSHIN選手がディアミドフで少し動いてしまった以外は特に目立ったミスはなく、好調な演技を見せた。鉄棒は最後のKIM H選手が懸垂しただけで0点の演技として、4人だけの演技となった。LEE S選手がヤマワキの後の懸垂で片手が外れてしまう痛恨のミス。残りの3名はノーミスで持ちこたえた。ゆかに入ると脚力の強さを見せ、3人目のSHIN選手とラストのKIM H選手が非常に美しいかかえ込み新月面を見せ、KIM H選手は終末技にテンポ~後方3回ひねりをピタリと止め、15.500をマーク。また、YANG選手も高い後方3回ひねりや月面宙返りを見せ155点台をマークした。最後のあん馬は一人目のLEE S選手と4人目のYUN選手が落下。この時点で韓国は4位。
■カナダ
カナダは4名のみの演技であったが、PAYNE、IKEDAの両選手が非常にいい演技をして高得点をマーク。その勢いをそのままつり輪でも見せ、3名が着地を止めた。LYTWIN、MORGANの二選手は非常に力強い表現で力技の連続を実施。MORGAN選手は後半に難しい連続を見せてアピールしてきた。跳馬では1人目のLYTWYN選手と2人目のCLAY選手が着地でミスをしてしまったが、残りの3人はいい演技を見せた。平行棒でもCLAY選手が棒下宙で乱れてしまい、最後のPAYNE選手も単棒倒立からのヒーリーで乱れて、ヒーリー~開脚前宙の連続のところでも詰まってしまった。難しい構成にして果敢な挑んできただけに残念な結果であった。鉄棒でもIKEDA選手がアドラー一回ひねりで乱れ、伸身コバチでは落下。PAYNE選手もヤマワキやアドラーひねりでミスが出た。しかし最後のLYTWYN選手がコバチこそバーに近かったものの、デフを雄大に決め、最後の伸身新月面をピタリと止めた。最後の種目、ゆかでは一人目のCLAY選手こそ着地が低くなる場面が複数見られたが、それ以外の選手はほぼノーミスの演技で最後に勢いを感じさせる演技を続けた。最後のMORGAN選手が15点台をだし、この時点でカナダは5位。
■スペイン
 ゆか3番目のLOPEZ、最後の後ろとびひねり前方2回宙でしりもち。しかし、BOTELLA、ZAPATA SANTANAが得点を稼いでチームとして機能。ZAPATAの構成、後方宙1回半ひねり~前方屈身2回宙、伸身新月面、前宙1回ひねり~前方かかえ込み2回宙、後方宙2回半ひねり~前宙ひねり~大きなジャンプ伏せ(会場がわく)、十字倒立、伸身トーマス転、最後後方伸身2回宙の着地を止める。あん馬は落下こそなかったものの、旋回のできばえが不安定でチーム得点を引き上げられず。つり輪は、ZAPATAが振り上がり倒立上げきれず力を使う以外、大きなミスなく演技。跳馬、シューフェルト、ローチェ、伸身前宙2回ひねりを揃え、屈身ツカハラダブルをZAPATAが成功し、チーム得点を伸ばす。平行棒は、支持振動系、懸垂系それぞれ不十分な実施が多く、LOPEZがシャルロで落下。鉄棒、振動の技術が不十分で大技を入れず、全員が伸身月面で着地を狙いに行く。各自の能力に合わせた演技構成でミスなく乗り越える。スペインは現時点で7位。
チリのGONZALEZ Tomas、ゆかで最後にテンポ~後方宙3回ひねりを行うなど個性的な構成だったが全体的に着地を止めきれず15.266と得点を伸ばせず。