第45回世界体操競技選手権現地レポート 男子予選第5班

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■イギリス
 あん馬。TULLOCH、WILSONが交差倒立、フロップ、コンバイン、シバドを構成した演技を通し流れをつくる。PURVISが転向倒立1回ひねり3部分移動開脚入れを加えて通す。KEATINGS、ブスナリを成功させるも、両把手間ロシアンで脚割れ、あとはしっかり通しこむ。WHITLOCK、Gコンバインを見事に決めるが、ブスナリ後に少しバランスを崩し、馬端ロシアンで脚を長く開いて修正するミス。得点15.233にとどまる。
 つり輪。全体的にチームとして力の弱さが目立つが、TULLOCHがそれを補う活躍を見せ15.700を獲得。逆上がり中水平、懸垂~引き上げ上水平、屈身ヤマワキ、振り上がり上水平、アザリアン、ヤマワキ、振り上がり中水平、ほん転倒立、伸身月面着地止め。
 跳馬。KEATINGS、アカピアン脚割れがあったが着地をまとめる。WILSON、ドリッグスの着地をまとめる。PURVIS、シューフェルト着地止める。WHITLOCK、シライの着地をほぼ決める。THOMAS、屈身メリサニディス着地後ろにとぶ。2本目、ローチェ着地1歩前に動く。前半の種目が終わり、チームとして非常にいい流れをつくっている。
 平行棒。TULLOCH、力を使う部分もあるが、ドミトリエンコ、ベーレ、ルンブティス、最後後方屈身2回宙の着地を止める。WHITLOCK、逆上がり、モリスエ、チッペルト、開脚前宙、ピータース、後方屈身2回宙の着地を止める。PURVIS、シャルロで肘を曲げるがすぐ修正、、3人続けて後方屈身2回宙の着地を止めて会場が盛り上がる。WILSON、シャルロで身体が大きく傾くがなんとか戻して倒立へ収める。後方屈身2回宙の着地わずかに弾む。KEATINGS、棒下の肘曲り、シャルロ静止不足、遠方かかえ込み2回宙着地前にとぶ。後半選手にミスが出たが、チームとしての雰囲気はいい。
 鉄棒。PURVIS、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、伸身新月面の着地を止める。KEATINGS、コールマン、アドラーひねり足割れ~トカチェフひねり、伸身月面着地ほぼ止める。WHITLOCK、ヤマワキひねり、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、大逆手の手幅が狭く肩の柔軟性をアピール、伸身新月面着地1歩動く。WILSON、ヤマワキ、コールマン、伸身トカチェフ、トカチェフひねり、伸身新月面着地ほぼ止める。THOMAS、ヤマワキ、リューキン、アドラーひねり~伸身トカチェフ、トカチェフひねり、伸身月面着地1歩。非常に習熟した演技でミスなく最終種目へ。
 ゆか。KEATINGS、新月面、後ろとびひねり前方2回宙など単独技を丁寧にこなす。WILSON、新月面着地動く、後ろとびひねり前方2回宙着地を止めて観衆が沸く、後方宙3回ひねり後ろにとぶ。THOMAS、テンポ~後ろとびひねり前方屈身2回宙着地を止める、前宙2回ひねりでゆがむが修正して前宙ひねりへつなげる、後ろとびひねり前方2回宙着地1歩前。PURVIS、前半、タンブリング技・シリーズの着地を止めきれなかったが、後ろとびひねり前方2回宙着地を止める。WHITLOCK、前宙1回ひねり~前宙2回半ひねりでつぶれてしまう、後方宙3回半ひねり~前宙で直接両足が場外へ出て着地、最後後方宙3回ひねり着地動く。
 とにかく難しい技を控えながら工夫した演技構成である程度まで演技構成をあげ、何よりも着地をことごとく決めてくるあたり、イギリスの強さを感じる。1日目を終了してイギリスは中国に次いで2位を確保。357.193。
■コロンビア
コロンビアは跳馬から。エースのCALVO選手がドリッグスを跳んだ以外はアカピアン3人とユルチェンコ2回ひねりが一人。一人目のGIRALDOが着地で大きく動いたのが勿体ないところ。平行棒でもCALVO選手は車輪ディアミドフ~バブザーといった捌きは素晴らしく、棒端からの月面宙返り下りも見事に着地を止めたが、ホンマのところで手が滑って痛恨のミス。鉄棒はSANDOVALがアドラー1回ひねりとトカチェフで落下。一人目のCALVO Aもアドラーで乱れた。最後のMUNOZもアドラーで姿勢が乱れた。しかし、CALVO Mが平行棒のミスを挽回し、アドラーひねり~トカチェフ1回ひねり、コールマン、アドラー1回ひねり~ヤマワキ、コバチなど、かなり場内を沸かせる構成(Dスコア7.2)を見せ、最後の伸身新月面もピタリと止めて大声援を受けた。ゆかはSANDOVAL選手が前方2回ひねりの着地の際に膝を痛めてしまいそのまま退場。その後に続いたOROZCO選手とCALVO M選手はラインオーバーがあり、得点が伸び悩んでしまった。あん馬は一番質のいい旋回を回っていたMUNOZ選手が馬背での下向き転向で落下。下り技もE難度の転向倒立技であっただけに悔やまれるところ。GIRALDO選手もポメル上に移動した段階でバランスを崩し落下。CALVO M選手はブスナリや転向倒立3/3移動開脚入れといった高難度の技を決めたものの膝や足先の緩みが気になる実施で得点が伸びず。コロンビアチームはほぼ全員が馬背で下向き転向を入れていたのが特徴。最後のつり輪では、GIRALDO、CALVO M選手が力技を落ち着いてしっかりと決めて、それぞれ14』点台をマーク。また、ゆかで足を痛めたSANDOVAL選手も最後に登場。途中の演技までは通常の構成であったが、怪我の影響で終末技を省かざるを得ない状態に。それでも、13.700を出してチーム得点に大きく貢献した。この結果、コロンビアは現時点で9位。