第68回全日本体操団体選手権大会男子決勝レポート

報告者:

■第1ローテーション
○コナミ ゆか
田中佑典
2節目で大きく1歩動いたがまずまずの実施、トップバッターの重責を果たす
白井勝太郎
ほぼすべての着地を止める素晴らしい出来で内村につなぐ。
内村航平
最後の3回ひねりは惜しくも止まらなかったが、その他の着地はほぼすべて止める素晴らしい出来。
内村の15.650を筆頭に15点台を揃える。
○日本体育大学 ゆか
武田一志
丁寧な実施でミスなく演技をまとめる。
岡 準平
かかえこみルドルフから入り、ほぼすべての着地を止める。
池尻俊哉
かかえこみルドルフから入り、終末技の3回ひねりも含めほぼすべての着地を止める。
○順天堂大学 あん馬
加藤凌平
若干慎重な演技だったが、シュピンデルから入り大きなミスなくまとめる。
野々村笙吾
正交差倒立で1歩動くがその後落ち着いて通しきる。
鈴木大介
重圧のかかるこの種目、順調に演技を進めたが、終末技がC難度になってしまう。
○徳洲会体操クラブ あん馬
山本雅賢
落ち着いた実施。大きなミスなく演技をまとめ、トップバッターの重責を果たす。
田中和仁
正確で美しい実施、安定感のある実施で演技をまとめる。
亀山耕平
マジャールシュピんデルで入りブスナリ、Eフロップ、Eコンバイン、ポメル間のフェドルチェンコを入れ、後半少し息切れした感があったがしっかり通しきる。
○筑波大学 つり輪
宮地秀亨に大きなミスが出る。星野力維、佐野智樹は大きなミスなくまとめる。
○相好体操クラブ つり輪
富澤悠太が大きなミス、下田悠太、北條陽大は大きなミスはなかったが得点は伸ばせず。
○仙台大学 跳馬
古谷嘉章はアカピアンをまずまずの実施でまとめる。丁子大樹はドリッグスを良い実施でまとめる。小原孝之はドリッグスで大きな着地ミス。
○鹿屋体育大学 跳馬
塚本淳貴はアカピアン、若干減点の多い跳躍となった。小山仁寛はドリッグスを無難にまとめる。中嶋洋介もドリッグスを無難にまとめる。
■第2ローテーション
○コナミ あん馬
山室光史
安定感のある実施で演技をまとめる。
白井勝太郎
緊張感ただよう演技だったが、大きなミスなくまとめる。
内村航平
ウーグォニアンで若干ふられた感があったが、全体的には素晴らしい実施で演技をまとめる。
○日本体育大学 あん馬
横山 聖
交差倒立で若干力を使う、その後は勢いのある旋回で通しきる。
長谷川智将
逆交差倒立、ブスナリを成功、その後も安定した実施で通しきる。15.500の高得点を獲得。
岡 準平
逆交差倒立、マジャールシュピンデルと順調な出だしだったが、フロップで停止、その後さらにロスで落下。
○順天堂大学 つり輪
加藤凌平
振り上がり倒立で若干調整した感があったが、無難にまとめる。
野々村笙吾
伸身月面宙返り下りの着地こそ少し動いたが、正確で力強い実施で演技をまとめる。
神津源一郎
F難度の後転中水平を完璧な表現で実施、その後も力強さを表現したが、伸身月面の着地は惜しくも前に1歩。
○徳洲会体操クラブ つり輪
齊藤優佑
雄大さを感じさせる力強い演技をミスなく実施。
瀬島龍三
中水平、十字懸垂など力技を正確に捌く、かかえこみルドルフの着地は少し動く。
山本雅賢
安定感のある実施で演技をまとめる。
○筑波大学 跳馬
宮地秀亨が伸身ユルチェンコ2回ひねりをまずまずの実施、星野力維、榊原颯太はともにドリッグスの着地を止め高得点を獲得。
○相好体操クラブ 跳馬
北條陽大はドリッグスを素晴らしい実施でまとめるが、下田悠太、宗像陸はともに大きな着地ミスを犯してしまう。
○仙台大学 平行棒
古橋崇志、杉本健太郎はまずまずの実施で演技をまとめるが、古谷嘉章が途中チッペルトでバーの上に乗ってしまう。
○鹿屋体育大学 平行棒
杉野史堯はまずまずの実施で演技をまとめる。金田浩斗は美しい実施で演技を進めたが着地で大きく動く。小山仁寛はシャルロで少しぶれたが、バブサーなどを取り入れた構成で順調に演技を進め、昨日失敗した前方かかえこみ2回宙返り下りの着地もうまくまとめる。
■第3ローテーション
○コナミ つり輪
小林研也
力静止技で若干ゆれる場面もあったが、盛りだくさんの高難度技を入れた構成を力強く通しきる。
田中佑典
カトウ、タナカを入れた構成、非常に正確な実施で演技をまとめる。
山室光史
これでもかというほど高難度の力技を取り入れた構成、若干揺れる場面もあったが大きなミスなく通しきる。
○日本体育大学 つり輪
横山 聖
ほんてん十字倒立で少し反る、ホンマ十字懸垂の持ち込みで肘が曲がる。全体としては大きなミスなくまとめる。
神本雄也
中水平で反り身が目立つが、全体としては力強い実施でまとめる。
武田一志
高いDスコア(6.6)の構成をミスなく実施、この種目ここまでの最高得点15.300を獲得。
○順天堂大学 跳馬
川本稜馬
ドリッグス、しっかりひねりきって着地、わずかに動くがまとめる。
加藤凌平
ロペス、若干低い着地となり前に1歩。
野々村笙吾
ドリッグス、止まったかに見えたがわずかに動く。
○徳洲会体操クラブ 跳馬
山本雅賢
ドリッグスの予定だったようだがアカピアンに、着地後向きを変える大きなミス。
佐藤 巧
ヨーⅡ、低い跳躍となりひねり不足気味で着地。なんとか踏ん張る。
齊藤優佑
ヨーⅡ、雄大で正確な跳躍だったが、惜しくもしりもち。
○筑波大学 平行棒
2番手榊原颯太はシャルロをはじめ棒下系の技を素晴らしい捌きで見せてくれたがヒーリーで肘をまげてしまう。
宮地秀亨、星野力維は良い実施で演技をまとめ得点を稼いだ。
○相好体操クラブ 平行棒
3選手とも大きなミスなく、まずまずの演技を披露。
○仙台大学 鉄棒
古橋崇志がコールマンで落下、杉本健太郎、古谷嘉章はカッシーナやコールマンを入れた構成を大きなミスなく実施。
○鹿屋体育大学 鉄棒
中嶋洋介に代わって出場の塚本淳貴がコールマンで近づき続くけあがり倒立で戻ってしまうミスを出すが、金田浩斗、小山仁寛の2選手は丁寧な実施で大きなミスなく演技をまとめる。
■第4ローテーション
○コナミ 跳馬
白井勝太郎
ドリッグス、着地止める。
山室光史
ロペス、後ろに大きく1歩、ラインオーバー。
内村航平
シューフェルト、正確な跳躍だったがわずかに動きラインオーバー。
○日本体育大学 跳馬
池尻俊哉
ドリッグス、雄大な跳躍で着地は両足で前に1歩。
神本雄也
シューフェルト、腰砕けの着地になり後ろに2歩、なんとか踏ん張る。
岡 準平
ロペス、腰砕けの着地になり少ししゃがみこむがこらえる。ラインオーバーあり。
○順天堂大学 平行棒
加藤凌平
棒下宙返りで握りそこね歩く、ひやっとする場面だったがなんとか修正し大きなミスなく通しきる。
野々村笙吾
シャルロで少しぶれるがうまく修正、素晴らしい実施で演技を進め着地は両足で前に1歩。
川本稜馬
シャルロ、バブサーなどを入れた構成、棒下ひねりで少し流れるが、うまく演技をまとめる。
○徳洲会体操クラブ 平行棒
瀬島龍三
Dツイストで大きくぶれる、反対のバーに移りうまくつなげるが開脚浮き腰上がりで上がれず落下、さらに着地も乱れる。
齊藤優佑
シャルロで静止できず横に出る、棒下宙返りで落下、さらに屈身2回宙返り下りで前に潰れる。
田中和仁
シャルロが静止時間不足、その後は屈身ベーれ、屈身モリスエなどを入れた構成を彼らしい丁寧で美しい実施し着地もわずかな動きでまとめた。
○筑波大学 鉄棒
星野力維新がコールマン、榊原颯太がカッシーナで落下、チーム得点を伸ばせず。
○相好体操クラブ 鉄棒
尾崎亮介が素晴らしいカッシーナを成功、大きなミスなく演技をまとめる。小泉和照もカッシーナなどを入れた構成、素晴らしい実施で通しきる。2番手富澤悠太はコールマン、コバチなど成功するが細かなミスが重なり得点を伸ばせず。
○仙台大学 ゆか
3選手とも大きなミスのないまずまずの実施で演技をまとめていた。
○鹿屋体育大学 ゆか
金田浩斗が素晴らしい実施で演技をまとめると、中嶋洋介、小山仁寛も良い演技を見せガッツポーズも出ていた。
■第5ローテーション
○コナミ 平行棒
植松鉱治
少し慌ただしい演技となってしまったが、バブサーなどを入れた構成を大きなミスなく通しきる。
小林研也
シャルロで少しはずれ腰をまげてこらえる、ドミトリエンコなど若干技が詰まった部分があったが大きなミスなく通しきる。
田中佑典
シャルロ、マクーツなど非常に美しい実施で演技を通しきり、15.500の高得点(D:6.4)
○日本体育大学 平行棒
池尻俊哉
少し落ち着きのない実施、大きなミスなく演技をまとめる。
横山 聖
車輪ディアミドフでずれるなど細かなミスが目立ったが、大きなミスなく通しきる。
神本雄也
シャルロなど非常に正確な実施で演技を進めたが、バブサーで足がマットにぶつかりけあがりが詰まる、さらにヒーリーも詰まる。着地は見事に止める。
○順天堂大学 鉄棒
鈴木大介
伸身トカチェフ、モズニクを入れた構成、大きなミスなく通しきる。
加藤凌平
伸身トカチェフ、コールマンを入れた構成、大きなミスなくまとめる。
早坂尚人
野々村に代わり急遽出場、大きなミスなく通しきる。
○徳洲会体操クラブ 鉄棒
山本雅賢
雄大なコールマン、コバチ、順調に演技を進め、伸身ルドルフの着地も止める。
齊藤優佑
カッシーナ、コールマンなど成功、アドラー1回ひねりで戻る。
田中和仁
教科書のような非常に正確で美しい実施、ミスなくまとめる。
○筑波大学 ゆか
この種目のエース星野力維が後方宙返り1回半ひねり?前方宙返り2回ひねりでしりもちをつく大きなミス、小田勝郎もミスがありチーム得点を伸ばせず。
相好体操クラブ ゆか
この種目のエース宗像陸に途中着地でつぶれる大きなミスが出るなどチーム得点を伸ばせず。
○仙台大学 あん馬
丁子大樹にミスが出たが、大川翔平はまずまずの実施、古谷嘉章は途中ロスでバランスをくずしたが大きなミスにはならず15.150を獲得。
○鹿屋体育大学 あん馬
1番手杉本史堯が素晴らしい演技で2番手小山仁寛につなぐと、小山も素晴らしい演技。さらに塚本淳貴も良い演技を見せ、14点台中盤から後半の得点を並べる。
■第6ローテーション
○コナミ 鉄棒
植松鉱治
コバチ?コールマンを成功、その後も順調に演技を進め伸身月面の着地も止める。
田中佑典
カッシーナ、コールマンなどを入れた構成、美しい実施で伸身ルドルフの着地は惜しくも動く。
内村航平
カッシーナ、アドラーひねり?コールマンなどを入れた構成、貫禄の実施で演技をまとめる。着地は止まったかに見えたが惜しくも動く。
○日本体育大学 鉄棒
長谷川智将
エンドー1回ひねりおお逆手?ポゴレロフ、コールマン、アドラー1回ひねり?ヤマワキ、順調に演技を進め伸身月面の着地も止める。
岡 準平
アドラーひねり?コールマンを成功、順調な演技で伸身ルドルフの着地も止める。
横山 聖
アドラー1回ひねり逆手倒立、アドラーひねり?開脚モズニク、モズニク、伸身トカチェフを入れた構成、若干膝のゆるみが見られたが安定感のある実施で演技をまとめる。
○順天堂大学 ゆか
鈴木大介
野々村に代わって出場、後ろとびひねり前方かかえこみ2回宙返りで入り、大きなミスなく演技をまとめる。
早坂尚人
途中ラインオーバーもあったが、シライ2(前方宙返り3回ひねり)を入れるなどDスコア7.0の構成を大きなミスなく通しきる。
加藤凌平
第3節で若干着地が乱れたが、安定感のある実施で演技をまとめる。
○徳洲体操クラブ ゆか
瀬島龍三
まずまずの実施で演技をまとめる。
佐藤 巧
後方宙返り1回半ひねり?前方かかえこみ2回宙返り、シライ・ニューエン(後方宙返り4回ひねり)などを入れた構成を良い実施で通しきり内村に並ぶ15.650を獲得。D:6.9
山本雅賢
まずまずの実施で演技をまとめる。
○筑波大学 あん馬
佐野智樹にミスがあったが、他の2選手はまずまずの実施でまとめる。
○相好体操クラブ あん馬
小泉和照がシバドのあとに落下、下田悠太、宗像陸は大きなミスなく演技をまとめる。
○仙台大学 つり輪
3選手とも大きなミスなく演技をまとめる。
○鹿屋体育大学 つり輪
3選手ともしっかりと演技を行い、全員14点台中盤を獲得。
メンバーのすべてをオリンピック、世界選手権、アジア大会などの日本代表経験で固めたコナミが、2位に4.400の大差をつけて2年連続4回めの優勝を飾った。
2位争いは熾烈を極めた。最終種目を残して0.200の差で日本体育大学が順天堂大学をリードして迎えた最終種目、順天堂大学はゆか、日本体育大学は鉄棒。
ゆかで高得点を上げた順天堂大学が、これまた鉄棒で素晴らしい演技を続けた日本体育大を逆転、わずか0.250の僅差で2位に入った。
さらに、予選8位通過の鹿屋体育大学が、ミスの多かった徳洲会体操クラブなどを抑えて4位に入る大健闘を見せた。
最終成績
優勝 コナミ      272.600
2位 順天堂大学    268.200
3位 日本体育大学   267.950
4位 鹿屋体育大学   261.050
5位 徳洲会体操クラブ  260.700
6位 仙台大学     257.350
7位 相好体操クラブ   255.400
8位 筑波大学     254.700