トップアスリート派遣指導事業報告(長野・大分)

 トップアスリート派遣指導事業とは、子どもの運動能力の低下、運動をする子どもとしない子どもの2極化に歯止めをかけるため、全国の小学校や総合型スポーツクラブで実施している体験型の指導事業である。それぞれの競技の第一線で活躍されている、若しくはされていた選手の方々を講師として派遣し、子どもたちの間近でそれまでの経験に基く講話や、実際のデモンストレーション、指導を行う。
 普段身近に接する機会の少ないトップアスリートとふれあうことで、子どもたちが憧れや羨望から運動に対する欲求を高めることをきっかけとし、講師とともに実際に体を動かすことで、スポーツが本来持っている純粋な楽しさを再認識し、運動活動を習慣化することを目的としている。
 平成20年9月3日(水)に長野県飯田市立伊賀良小学校、9月5日(金)に大分県九重町立南山田小学校を訪問した。
 伊賀良小学校、南山田小学校とも、はじめに全校生徒を対象に運動発達論的な視点を考慮したティーチャーヒカルプログラム!を1時間程度実施した。ティーチャーヒカルプログラム!とは、体をコントロールする能力を楽しくアップするために考えた一斉指導型リズム体操プログラムである。
 実施する中で、倒立前転、開脚シュピンデル、前方宙返り程度までの模範演技を披露し、また、講話では、障害を乗り越えるためには、どのようにすれば前進できるか良く考え、諦めずにがんばることの大切さ、挨拶の重要性について話をした。
 その後、伊賀良小学校では、6年生を対象に、組体操、マット運動の側転の指導を行った。南山田小学校では、3年生~6年生を対象に、マット運動の前転、後転、側転、跳箱の開脚とびの指導を行った。
 子どもたちと本気で接すれば接するほど、子どものパワーに圧倒される。器械運動を苦手とする子どもが多い現状もあるが、それぞれのレベルにあった内容の工夫、段階的、系統的な指導が不可欠である。達成したときの子どもの笑顔はすばらしい。私も子どもから大きな元気をもらった。今後もたくさんの子どもたちに、体操の楽しさを経験してもらいたい。
 今回の事業を通して、運動を好まない子ども達が今後、継続的にスポーツを行うきっかけになれば幸いである。
大分南山田小学校
長野伊賀良小学校