W杯ブルガリア新体操国際現地レポート

報告者:

現地8月20日、W杯ソフィア大会が開幕し、一日目は団体総合が行われた。
参加国は12ヶ国。世界選手権を前にして、ロシア、イタリア、ベラルーシの3強、そして地元ブルガリア、ドイツ、日本、スイス、アゼルバイジャン、ウクライナなど中堅国も顔を揃えた。
しかし、このソフィア大会は波乱の連続であった。まず、見事な手具さばきで複雑な連係を見せつけるイタリアが、ボールで連係ミス。ボールが落下して場外となってしまった。その後もフェッテピボットでボールが吹っ飛び、あわてて走ってボールを取りに行くという、近年見たことがないようなイタリアのミスであった。
試合前日の練習からどこか覇気がなく、ミスも多かったが、それがそのまま試合に出てしまった形。しかも、イタリアほどの強豪国になると、ミスしても高得点が出るのだが、このボールの得点が24.500。
会場がざわめき、「これはイタリアの得点か」と何度も確認をするほどであった。
ベラルーシはリボン&フープにミスが出た。
中盤リボンに結び目ができ、ほどく作業で演技が中断。連係で落下したり、交換する前にリボンが脚にまとわりつき投げが遅れて、キャッチに大きな移動が見られたりと、後半は作品が見えなくなってしまった。26.175
そして王者ロシアまでもがミスに泣いた。
ボールでも動きが堅く落下ミスを犯したが、それでも27.450と高得点であったが、 問題はリボン&フープ。
フープが落下して場外し、その後リボンも落下。後半は踏ん張ったが、リズムを取りもどせないままラストを迎えた。26.750
堅実に2種目をこなしたのは地元ブルガリア。
大勢の観客の耳をつんざくような声援に後押しされ、芸術性豊かな作品を踊りきった。
得点はボールが27.225でリボン&フープが27.350。トータル54.575で金メダルを奪取した。
2位はトータル54.200でロシア。
3位にトータル53.575でベラルーシ。
4位には、リボン&フープで若干のミスが出たが2種目を着実にこなしたドイツが入った。ボール26.250、リボン&フープ26.200 トータル52.450。
そしてイタリアはリボン&フープでは絶妙なタイミングでの投げ受けを繰り返し、「さすが、イタリア」と思わせる演技で巻き返しを行い、得点27.550でこの種目1位であったが、ボールでのミスが響き、5位に沈んだ。
6位はスイス。
両種目ともほぼミスがなく、エネルギーのある演技をした。
ボール25.750、リボン&フープ26.200 トータル51.950。
7位に日本(フェアリージャパンPOLA)。
ボールでは全体的なトーンはよかったが、ボールの転がし時にぽとりと落下し、連係の最後のキャッチでもぽとりと落ちた。
いずれもイージーミスで、ワンバウンドで戻ってきたので、印象としてはそれほどミスがないように見えるが、1箇所は大きな連係にからんでいたため、結果的には大きなミスとなってしまった。25.600。
リボン&フープは、ボールでのミスを払拭するようないい演技であった。
得点26.025、トータル51.625で7位。
以下アゼルバイジャン、ポーランド、ハンガリー、ウクライナ、カナダ。
日本がドイツやスイスに質として劣っているとは思わないが、もうひとつパワー、エネルギーを感じられるように持って行かなければならないだろう。
団体総合を振り返ると、3強ではなくブルガリアを加えた4強になった感がある。
しかも4強と言えどもミスは絶対許されず、演技によっては中堅国が4強のポジションを狙える状況になってきた。
また5位、6位争いも以前にも増して混沌としてきた。
今回4位に入ったドイツ、6位のスイス、今大会不参加のイスラエル、スペイン。地元フランス、日本・・・どの国も力はほぼ同じで、その日の出来により順位が入れ替わる。
日本もこの状況から頭ひとつ抜けるために、難度の精度、投げ受けの正確性を上げ、あふれるエネルギーを出していきたい。
<エリートカップ団体>
本日は、W杯とは別にエリートカップも開催された。
W杯に出場できなかったフランス、ギリシャ、オーストリア、イギリスが参加したが、この日はボールが行われ、フランスは堅実な演技で26.100を獲得した。
ギリシャは大きなミスはなく精一杯の演技をしたが、25.250。
この4チームの中ではやはりフランスが中堅国トップ争いをするだろう。
<エリートカップ個人>
日本の個人競技はW杯ソフィア大会には参加できなかったが、エリートカップには中津裕美選手が出場。オープン参加も含めて27名が参加している。
本日はフープとボールの種目が行われ、中津は2種目とも大きなミスなくエネルギーのある演技をした。
しかし、ピボットの乗りがいまひとつで1回転になったため、いくつか難度がレベルダウンし、またリスクの受けが途切れたためにD1、D2ともに得点が伸びなかった。
ボール難度7.575、芸術8.500、実施8.550 トータル24.625
フープ難度7.550、芸術8.500、実施8.500 トータル24.550
現在1位はギリシャのVarvara Filiou、2位にスペインのNatalia Garcia Timofeeva、3位にAnastasiya Kisse、4位にElizaveta Nazarenkova、そして5位に中津がつけている。審判員の評価も良く、世界選手権に向けて存分にアピールしたいところである。
21日、大会最終日はエリートカップ2日目、団体種目別ファイナル、個人種目別ファイナルが行われ、中津選手がエリートカップに、団体はボール6位、リボン&フープ7位で決勝に進出する。