第29回全日本ジュニア新体操選手権大会 女子レポート②

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昨日に引き続き、今大会の個人競技は男女同時進行で行われた。自分の曲以外の音が耳に入ってくる環境の中で演技しなければならない選手は、いつも以上に集中力が必要とされただろう。その為、4種目最後まで集中力を欠くことなく、ミスを最小限に抑えた選手が勝利を手にする形となった。
1日目を1位で折り返した皆川選手は、1種目目リボンの投げ技で多少乱れる箇所が見受けられたが、持ち前の伸びやかな動きで観客を引きつけ23.050点を獲得。またクラブにおいては、ラストの投げ技でキャッチミスがあったものの、躊躇がない高い投げにより、演技自体のスケールも大きく感じられ、クラブの特徴を存分に生かされた演技で22.800点。結果、2種目共に2日目の最高得点をマークし、合計92.150点を獲得した皆川選手が、初の個人総合優勝を手にした。
2位で折り返した池ヶ谷選手は、クラブでの落下ミスに加え、リボンでも2度結び目をつくってしまうという彼女にとっては珍しいミスが続き、クラブ22.400点、リボン22.150点と点を伸ばすことが出来ず、合計90.750点で2位にとどまる結果となった。
そして3位の座をものにしたのは、1日目を4位で折り返した桑村美里選手(町田RG)。昨日はミスもあり4位に甘んじる結果となったが、クラブ、リボンにおいては曲のイメージに合った彼女独特の力強い動きが光り、2種目共にノーミスでまとめあげ、クラブ22.625点、リボン22.300点、合計89.325点を獲得した。
また、昨日3位であった猪又選手、また昨年に比べ、動きの力強さ、難度の精度に磨きがかかった宮本望来選手(イオン)、熨斗谷さくら選手(コナミスポーツクラブ本店)など、日本にはまだまだ沢山の逸材がいることを感じられる大会となった。
今大会入賞を果たせた選手も悔しい思いをした選手も、皆フロアーの上で輝きを放っていたことは、会場の誰もが感じていたことであろう。それは、選手それぞれに色々な思いがあり、その感情を身体で表現出来るように、また緊張する試合でノーミスの演技が出来るようにと、日々練習に励んできた努力があることに他ならない。
今回出場した全ての選手がここで踏みとどまることなく、次の目標に向け更に飛躍してくれることを願う気持ちでいっぱいである。