ロンドン五輪テストイベント新体操レポート

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16日、ロンドン五輪テストイベント(プレオリンピック)の第一日目がロンドンで開催された。日本からは個人競技で山口留奈が出場。
 最初の種目ボールでは、出だしは良かったものの、序盤で消極的になり、投げなしのリスクでミス。座での開脚時にボールがこぼれ、その後リズムを崩した。フロアーマットが滑りやすかったこともあり、ジャンプ前に体勢を崩して転び、リズムに乗りきれないまま終わってしまった。23.650
 2種目目のフープでは、難度の精度は良かったが、リスクの突き返しの技で落下。スピード感はあったが、緊張からか操作に手間取る場面もいくつか見られた。24.550。
 前半一位で折り返したのはKONDAKOVA(RUS)。ボールは作品を変えていたので、まだこなしが悪く落下ミスも出たが、フープでは相変わらずの迫力を見せつけた。ボール27.375,フープ28.700
2位はRIZATDINOVA(UKR)。体勢を変えながらのピボットでもまったく軸がぶれず、しなやかな演技を見せた。ボール27.475,フープ27.100
3位はALYABYEVA(KAZ)。2種目ともほぼミスのない、ダイナミックな演技であった。ボール27.050,フープ27.275。
4位はTRIKOMITI(CYP)。決して恵まれた体型ではなく、姿勢欠点も多いが、ピボットの回転数は多く、自分の持てる力は十分に発揮した。
ボール27.000,フープ26.700。
5位はRODRIGUEZ(ESP)。情感溢れる演技で、ボール26.725,フープ26.850と、2種目を26点台後半に乗せてきた。
6位はBEREZKO-MARGGRANDER(GER)。モンペリエの世界選手権には故障のため出場できなかったが、非常に美しいラインを持っており、今後が楽しみな選手。ボール26.175,フープ25.925。
KONDAKOVAを除いて上位5人がオリンピックへの切符を獲得できるが、BEREZKO-MARGGRANDERのあとに、PISCUPESCU(ROU)、GURBANOVA(AZE)が続いている。本来なら山口もこのあたりにつけていてもおかしくないわけで、明日の巻き返しに期待がかかる。開き直った豪快な演技を見てみたい。
 団体競技はオリンピックの残る4枚の切符をめぐって8チームが競い合った。今日はボール×5が行われ、スペインが1位につけている。モンペリエ世界選手権のときより若干勢いは劣るが、それでも迫力のある演技で26.900という高得点をたたきだした。
2位はウクライナ。身体能力の高さには定評があったが、団体としてのからみも良くなってきている。26.850とわずかにスペインには及ばなかったが、今後も力をつけていくことだろう。
3位はイスラエル。いつも通りに安定した演技であったが、勢いはなく26.300。
4位はギリシャ。ほぼミスのない演技、しかも勢いがあり25.850。
5位はフランス。交換とリスクで落下し、バラバラとした印象で24.750。
6位はスイス。座での難度中、ボールがこぼれてコロコロと転がってしまい、24.300。
7位にアゼルバイジャン。急にプレオリンピックに出場が決まったチームであるが、唯一世界選手権から作品を変更しており、そのため演技をこなしきれず、大きな落下もあって23.500。
地元イギリスは、ほぼミスはなかったが23.100の8位。
4位のギリシャと5位のフランスとは1点ぐらい差があるが、明日のリボン3+フープ2は、ミスが出始めるとどうにも収拾がつかなくなる種目なので、どのチームがオリンピックに出場できるのか、最後まで目が離せない。
明日は個人競技が後半2種目、団体競技はリボン3+フープ2が行われ、オリンピックの出場選手、出場国が決定する。