第33回世界新体操選手権イズミール大会現地レポート3

報告者:

現地9月24日、世界新体操選手権大会イズミール大会は個人総合予選と国別対抗の3日目が行われた。
競技のシステムにより、三上真穂はフープとボールのみに出場。本日から行われるクラブとリボンの種目は、早川さくらと皆川夏穗が演技する。
その早川は、最初のポーズをとって伴奏音楽がかかるのを待ったが、合図のピー音が鳴らなかったため、ポーズのまま、再度音楽がかかるのを待った。そしてピー音がなって動き出したが、出だしのMGキックの状態でトゥールする技の起き上がりで、バランスを崩す。その後はどうにか持ち直したが、ダンスステップコンビネーションの最中にポトリと落下。ラスト近くの投げもすっぽ抜けるように前に投げてしまい、走ってライン際でキャッチ。いくつかのミスにより14.883。
皆川はローテーションが投げの移動や、クラブが大きく離れるなど、危ない場面はあったが、どうにか落下は防いだ。ローテーションの回転不足もあり、難度は7.650と低くなったが、実施は8.466で、16.066。
今日はどの選手もミスが多く、落下をしない選手の方が珍しいぐらいであった。ミスがないことで定評があるイスラエルのRivkinやFilanovskyもラストのDERでクラブを落下。フランスのMoustafaevaも非常に難しいリボンの投げ受けを確実に決めながら、ラストのDERで落下。ベラルーシのStanioutaもラストでリボンを落下。
一日1種目しか行われない今大会の競技システムは、体力的にはさほど問題はないのであろうが、何日も集中力を保たなければならず、精神的にはきついのかもしれない。
しかしそんな中、ロシアのKudryavtsevaとMamunは絶対的な強さを見せた。Kudryavtsevaが正確な難度、リボンの手具操作を見せれば、Mamunは情感豊かに、繊細な動きとリボン操作で音楽を表現する。Kudryavtsevaが18.616、Mamunが18.633と、一歩も引かない戦いを続けている。
昨日フープの種目別ファイナルでアジア人(旧ソ連をのぞく)初の銅メダルを獲得した韓国のSonも、実施ミスの少ない演技をして、個人総合決勝でのメダル獲得に向けて、集中力を保ち続けている。ラストのDERでリボンの投げが短くなったが、身体の運びをうまく調整してミスを防ぐところなどはさすがである。
Sonがこうしてがんばっていることが、私たちアジア人でもできるんだという意識を持たせてくれ、モチベーションのアップにつながる。Sonの健闘に心から拍手を送るとともに、負けられないという意識も持っていかなければならない。
早川は現在25位に順位を落とし、皆川は28位に順位を上げた。個人総合決勝に進めるのは上位24名。ベスト3種目の合計で競われるが、明日のリボンの種目を普通にやれば、ふたりとも決勝に進めるであろう。この緊張感の中、どれだけの踏ん張り、粘りを見せられるかが、鍵である。
9月25日レポート
9月23日レポート
9月22日レポート