第33回世界新体操選手権イズミール大会現地レポート7

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現地9月28日、世界新体操選手権イズミール大会最終日は、団体種目別決勝が行われた。
まずはクラブの種目からであるが、昨日の団体総合でミスをしたロシア、日本は出場しない。
<クラブ>
試技順1番はウクライナ。伸びやかさ、大きさはあるが中盤の交換で落下。16.066。
2番はスペイン。スペインらしい作品で、リズムを正確に刻んでいく。キャッチの移動も少なく、団体総合の時より良い出来であった。17.433
3番はアゼルバイジャン。交換とDERで落下。リズムを戻すのに時間がかかったために、ラストの連係が成立せず。また姿勢欠点も目立ち、15.416
4番はベラルーシ後半の交換で落下があり、16.600
5番はイスラエル。動きの大きさはないが堅実な演技で、16.983
6番はイタリア。中盤までは安定感のある演技であったが、中盤の連係で落下。取り戻すのに少し流れが乱れ、後半はリズムを失ってしまった。16.366
7番はブルガリア。昨日は団体総合で金メダルを獲得したが、このクラブでは出だしの交換から不安定になる。連係でも大きな落下があり、なんとなくしまりがない。16.583
8番はドイツ。交換で落下があり、少し乱れが生じた。15.983
クラブの演技はどの国もミスが多く、落下がなかったのはスペインとイスラエルのみ。1位はスペインであるが、2位のイスラエル、3位のベラルーシが16点台。
イスラエルは中堅国であるが、いつでも安定感があり、ミスをしない。中堅国の戦い方としてはすばらしいものがあり、中堅国でもメダルを獲得できるのだということを証明してくれた。
<ボール&リボン>
試技順1番は日本(フェアリージャパンPOLA)。ボールの両手キャッチが多くなったことと、1カ所交換の投げが乱れたが、動じずにキャッチ。全体的には団体総合の時より、自分たちの持っているものを出したいという意思が見える演技であった。タイムが1秒オーバーし、16.750
2番はアゼルバイジャン。わずかにキャッチの移動があり、16.608
3番はブルガリア。クラブとは打って変わって、身体にしまりがある。座、視野外、手以外のボールキャッチがいくつもあるが、そのすべてに果敢にチャレンジし、決めた。団体総合優勝の貫禄を見せ、17.616
4番はイタリア。交換で落下があり、後半は勢いがなくなった。17.000
5番はイスラエル。キャッチの移動もなく、ほぼミスのない演技で16.850
6番はロシア。昨日はクラブで、落下、場外のミスがあり、団体総合では金メダルどころか、メダルさえも獲得できなかった。それだけにこの種目にかける熱意が伝わるが、それゆえにキャッチは慎重になる。緊張感もひしひしと伝わってくるが、ボールの片手キャッチをやめないところは、やはりロシアらしい。息の抜くところがない複雑な連係をこなし、勢いも見せて、17.950
7番はベラルーシ。ミスはないが、若いチームのせいか、面白みに欠ける。それでも身体難度などは美しく、17.466
最終演技チームのウクライナも、ほぼミスなく終え、17.000
結果、ロシアが種目別で金メダルを獲得し、2位にはブルガリア、3位にはミスがなかったベラルーシが入った。
日本は順位をひとつ上げ、7位。いまの実力から言えば、順当であったろう。
これで世界新体操選手権イズミール大会が閉幕したが、今大会の印象は、これまで以上に「ミスをしてはいけない」ということである。
たとえロシアでもイタリアでも、ひとつのミスで1点や2点は簡単に失う。
しかしミスを怖がっていては、人を感動させることはできない。
来シーズンは、種目が変わり、日本もすぐに来年の作品作りに入るが、攻めと守りのバランスを模索していきたい。
<ボール&リボン出場者>
畠山愛理
松原梨恵
杉本早裕吏
国井麻緒
熨斗谷さくら