2016新体操W杯イタリア大会・国際トーナメントレポート3

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現地4月3日、W杯ペサロ大会は個人競技と団体競技の種目別決勝が行われた。
<種目別決勝・個人フープ>
1位Mamun。19.100
2位Rizatdinova。18.650
3位Averina。18.600
4位Staniouta。18.550
5位Filanovsky。18.000
6位Son。17.800 ダンスステップコンビネーションで落下。
7位Moustafaeva。16.600 落下
8位Halkina。16.200 足投げDERで場外落下。
1位のMamunはころがしのくぐり抜けで一瞬もたつき、総合ほどの精度はなかったが、緩急の変化は天下一品。2位を大きく引き離して、ただひとり19点台に乗せた。
韓国のSonは、出だしのダンスステップコンビネーションで落下。この種目のメダルを逃した。
最初のポーズをしたときに、観客が鳴らす鳴り物にわずかに反応。自分の曲の合図音と間違えたのだろうが、それが彼女のリズムを崩したのだとしたら、悲しいことである。
2位から4位が0.5刻みであるが、ここにSonが加われば、ほぼ同じ点数が並ぶことになり、メダル争いも熾烈になってきている。
<種目別決勝・個人ボール>
1位Rizatdinova。18.650
2位Averina。18.500
2位Staniouta。18.500
4位Son18.450
5位Mamun。18.400
6位Halkina。18.100
7位Vladinova17.350 ころがしで落下
8位皆川夏穂
9位Moustafaeva。16.250 DER、足蹴りで落下
Mamunは、どこをどう転がしているのかわからないほどのボールのさばきを見せ、すばらしい演技であったが、最後のDERでキャッチに迷いが生じ、落下してしまった。
皆川は、ジャンプの際に踏切がうまくいかなかった箇所、DERの足蹴りに乱れがあったが、落下は防ぎ、17.050。
総合の時でもこのように落下を防げば、悪くても17点をキープすることによって、上位進出ができるようになるだろう。
<種目別決勝・個人クラブ>
1位Mamun。19.100
2位Son18.550
3位Averina。17.950
4位Bertolini。17.800
5位早川さくら。17.400
6位Durunda。16.900
7位Zeng。16.850
8位Moustafaeva。16.800
9位Rizatdinova。16.200
クラブは多くの選手が落下ミスを犯した。
Rizatdinovaは出だしのバランスで落下。風車の入りでも、大きな移動をともなう落下となり、最下位となった。
フランスのMoustafaevaは、個人総合の時にはリズムに乗った良い演技を見せたが、種目別では失敗が相次いだ。
このところ急激に力をつけているUSAのZengも、クラブを2本つなげてMを行ったあと、つなげていたクラブが外れて落下。
早川は、バックルパンシェのローテーションに乱れがあったが、大きなミスは回避した。
<種目別決勝・個人リボン>
1位Rizatdinova。18.600
2位Averina。18.550
2位Son。18.550
4位Mamun。18.400
5位Staniouta。18.350
6位Vladinova。17.950
7位皆川夏穂。17.750
8位Ahram。17.550
皆川は総合に続いて、ミスのないダイナミックな演技であった。少々DERの豪快さはなかったが、実施も9.00に乗せた。
Mamunは、ボールと同じで、非常に良い演技をしながら、最後の最後でミスが出た。
今大会はコンディションも良く、本人も乗っていただけに、感情の方が先に立ったのだろうか。リボンへの集中がわずかに欠け、リボンを滑らせたときにリボンを置いてくる形となってしまった。
今大会も皆川、早川ともに種目別決勝に残ることができた。
日本人選手ふたりがこうして決勝に出てくることも珍しいことではなくなってきたので、より上位をめざしてほしい。
<種目別決勝・団体リボン>
1位イタリア。17.950
2位イスラエル。17.500
3位ブルガリア。17.450
4位ベラルーシ。17.100
5位ウクライナ。16.650
6位ドイツ。16.350
7位ブラジル。16.100
8位アゼルバイジャン。14.900
ブルガリアは、交換に乱れがあったことと、全体的にリズムがしっくりきていない感じがした。
ベラルーシは連係のキャッチが不正確となり、パンシェのローテーションもトゥールぎみとなった。
アゼルバイジャンは、連係で落下。からまりや交換での落下があり、ミスを重ねた。
<種目別決勝・団体フープ&クラブ>
1位イタリア。17.850
2位ベラルーシ。17.600
3位イスラエル。17.550
4位ウクライナ。17.500
5位日本。17.400
6位中国。17.200
7位アゼルバイジャン。16.850
8位フィンランド。16.500
日本(フェアリージャパンPOLA)は、出だしの連係で少々移動はあったが、中盤から後半の連係や交換に移動は少なかった。
イスラエルやウクライナはほぼミスなし。
イタリアは交換が短くなってクラブを落下したが、1位となり、完全優勝を果たした。
ブルガリアは故障者が出て、この種目を棄権。リザーブのアゼルバイジャンが出場した。
どのチームもだいぶ安定感が出てきているので、今後も上位争いがますます厳しくなってくるであろう。
日本も、総合ではリボンで大きなミスがあったが、仕切り直しをして、上位進出を狙っていきたい。
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