2017新体操チャレンジ杯ベラルーシ大会レポート 3

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【大会最終日】大会情報・結果へ
新体操WCCミンスク大会(ベラルーシ)最終日は、個人種目別決勝と団体種目別決勝が行われた。
《団体種目別決勝フープ》
試技順1番の日本(フェアリージャパンPOLA)は非常に正確な演技をしていたが、腕でフープを打ってひねり回し投げをして交換する際、投げが短くなり落下。キャッチしようとして膝からすべりこんだため、大きな減点となった。しかし後半は影響されることなく、減点対象の少ない演技を見せた。
17.70(D10.00 E7.70)
(出場選手)
杉本早裕吏
松原梨恵
国井麻緒
竹中七海
鈴木歩佳
ミスの箇所は、練習のときから引っかかっていた箇所であるが、考えすぎからくるものであると思われ、調整が必要である。
ベラルーシは移動キャッチが数カ所あったが、落下ミスはなく18.10(D10.00 E8.10)
総合優勝のイタリアは、この日も難しく練り込まれた連係をこなしていたが、1箇所の連係でフープがツーバウンド、もうひとつのフープも落下してしまった。17.65(D10.00 E7.65)。
総合ではミスに泣き、表彰台を逃したブルガリアは、フェッテローテーションでの跳ねはあったものの、ほかはミスなく演技し、18.70(D10.00 E8.70)。
結果、
1位ブルガリア
2位ベラルーシ
3位日本
4位イタリア
5位ロシア
6位カナダ
7位ウズベキスタン
8位ポーランド
《種目別決勝ロープ&リボン》
試技順1番のブルガリアは、連係でロープを手渡しする際にうまくいかず、移動キャッチも少々あった。
18.35(D10.00 E8.35)
イタリアは大きなミスはなかったが、前半から中盤にかけてボールの両手キャッチが見えた。
18.55(D10.00 E8.55)
続いて日本。
日本も大きなミスはなかったが、出だしの、変更したばかりの連係とラストの連係で移動キャッチがあったことと、全体を通じてボールの両手キャッチが目立った。前日ミスが出たために、落下ミスを防ぐ意図があったが、実施の点数を上げていくためには、度重なる両手キャッチは回避しなければならない。
18.10(D10.00 E8.10)
(出場選手)
杉本早裕吏
松原梨恵
横田葵子
竹中七海
鈴木歩佳
その点、ベラルーシはボールの両手キャッチは少なく、D10.00 E8.50 計18.50で1位となった。
1位ベラルーシ
2位イタリア
3位ブルガリア
4位日本
5位フィンランド
6位ロシア
7位ウクライナ
8位ウズベキスタン
《個人種目別決勝》
喜田純鈴はフープとリボンに出場。
フープではBD(身体難度)、AD(加点の可能性のある手具操作)、R(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の回転を行う)、それぞれのカテゴリーで明確な演技を見せた。
しかし、ラスト近くの足投げのRが大きくなり、足でキャッチしきれずに場外。
予備手具に差し替えるべきであったが、フロアーの場外に手具を取り戻しに行ったため、後半大きな減点となった。
14.70(D8.00 E7.30 P0.6)
リボンはパンシェローテーションの終末が少し乱れ、BDをつないでいるために、バランスを我慢するような形となった。ラストのADも少々不明確となったが、全体を通してはよく粘った演技であった。
15.50(D7.40 E8.10)
フープの1位はブルガリアのVLADINOVA。ロシアのSOLDATOVA(2位)やベラルーシのHALKINA(3位)が少々もたつく中、キレのある、よどみない演技であった。
ボールの1位はHALKINA。2位はHARNASKO。地元ベラルーシ勢が観客の声援を力に、エネルギッシュな演技を見せた。
イタリアのAGIURGIUCULESEがほぼ完璧な演技を見せて、3位に。
SOLDATOVAは、パンシェのローテーションで大きくぐらつき、膝から崩れ落ちた。
SOLDATOVAは徐々に回転力も取り戻し、BDの正確さも戻ってきてはいるが、クラブ、リボンともに落下ミスがあり、フープ以外はメダルを獲得することができなかった。
替わりにクラブ、リボンで優勝したのはロシアのBRAVIKOVA。
総合の際には落下ミスが多かったが、クラブ、リボンではノリノリで演技。クラブでは19.00という高得点を獲得した。
今年1月から新ルールとなったが、徐々に新ルールでの取り組みが落ち着いてきた感がある。技の羅列である選手たちにはさほど点数は出ないし、多くの技を入れ込みながらも表現をしようとする選手たちも増えてきた。ただ技をやっているだけの選手と、流れと表現力のある選手との間に大きな得点差がついてくれば、もっと面白くなっていくであろう。
次は世界選手権前の最後の大会、WCCカザン大会である。
ミンスク大会は、直前の選手の故障からナショナルチームの派遣をとりやめたロシアは参加する模様。
日本はミンスクからそのままカザンに移動。事前練習ではボール&ロープの音楽アレンジに合わせて、構成を練り直している。当面落ち着かないであろうが、世界選手権にピークを合わせて、より良いものにしていかなければならない。