2017新体操チャレンジ杯ロシア大会1

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【大会初日】 大会情報・結果へ
新体操WCCカザン大会(ロシア)は、8月11日に開幕した。
8月末にある世界新体操選手権ペサロ大会の前哨戦として、団体競技は16チーム、個人競技は52人が参加し、大きな規模の大会となった。日本からは団体競技にフェアリージャパンPOLA、個人競技には世界選手権出場予定の皆川夏穂と喜田純鈴が出場した。
《個人総合前半》
ポーランドで行われたワールドゲームズに出場した際に膝を故障してしまった皆川は、その分ていねいに身体を使ったことが功を奏したのか、BD(身体難度)は通常よりきれいにはまっていた。
フープでは出だしのAD(加点の可能性のある手具操作)のひねりまわしがあぶなかったが、どうにかこらえた。皆川本来の動きの美しさも十分にアピールできて17.800(D9.100 E8.700)。高い得点を得た。
ボールは、ボールをキャッチしながらのころがしが少し乱れたため、身体は回さずにADを行わなかった。ほかにもプログラムどおりではない箇所はあったが、実施上は大きなミスはなく16.700(D8.400 E8.300)。
皆川は現在5位で、2種目ともに種目別決勝進出を決めた。
喜田は1種目目のボールで前半から中盤、クリアな演技をしたが、ラスト前のR(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の回転を行う)で片手キャッチをしようとしたが落下。拾いに行く形になり、ラストのADも行えなかった。13.200(D6.100 E7.100)
しかし2種目目のフープでは気持ちを切り替えて、ひとつひとつていねいに演技した。スケールのBDが少々不明確であったが16.100(D8.400 E7.700)。
喜田は現在18位。
前半1位はロシアの双子の一人、Dina AVERINA(もうひとりはArina)。
2種目とも大きなミスはなく、次々とADやRをこなした。
フープ19.000(D9.900 E9.100)ボール18.000(D9.700 E8.300)
2位はブルガリアのVLADINOVA。
フープは大きなミスなし。ボールはADをやらない箇所(投げが乱れたため)はあるが、構成が乱れるほどではなかった。
フープ17.400(D8.600 E8.800)ボール17.700(D9.100 E8.600)
3位はロシアのArina AVERINA。
1種目目のボールでは落下ミスが出てしまったが(16.400)、フープで巻き返し(18.650)3位につけている。
同点3位にベラルーシのHALKINA。5位に皆川。6位にイタリアのAGIURGIUCULESEがつけている。ベラルーシのHARNASKOは、1種目目のボールのラストで、Rのキャッチを押さえきれずにボールが場外。手具なしでのポーズとなってしまった。15.200(D7.600 E7.600)
フープはふんばり17.150。
今大会は久しぶりの登場となったフランスのMOUSTAFAEVAや、ジョージアのSalome PAZHAVAが今季初登場ということで興味深いものとなった。
ふたりとも自分の世界観を持っている選手として有名であるが、特にSalomeは他の選手とは違うステップや転回、AD、そして豊かな感情表現を見せてくれる。そのことを知っている観客は、彼女が登場すると沸き、大きな拍手で出迎えた。両種目ともまだミスやもたつく箇所は多いが、その世界に引き込んでいく力は健在であった。今後こなしがよくなってくれば、大会をさらに面白くさせてくれるであろう。フープ16.600、ボール14.950で12位。MOUSTAFAEVAはフープ16.850、ボールは2度の落下で13.300。現在15位。
明日は後半種目のクラブ、リボンが行われる。
《団体総合前半 フープ》
日本は、足投げのED(交換)のコースが逸れたが、うまく処理。しかし、ラストのED、座の足投げが少し短くなり、わずかにワンバウンドする形でキャッチ。全体の構成は乱れなかったが、ほんの少しのワンバウンドでも落下は落下。17.650(D9.500 E8.150)で前半4位につけている。
(出場選手)
杉本早裕吏
松原梨恵
国井麻緒
竹中七海
鈴木歩佳
前半を終えて1位はロシア。
連係で落下し、バウンドしながら相手に届く形となったが、高い点数の箇所ではなかったことが幸いした。18.600(D10.000 E8.600)
2位はブルガリア。
1箇所投げが大きくなり、キャッチした際に足が場外(13m四方フロアー外)にわずかに出てしまった(場外Pペナルティ0.3)。
17.700(D9.500 E8.500 P0.3)
3位はイタリア。
EDでの移動キャッチ。ラストのEDでも投げが乱れて、キャッチするべき人ではない選手がキャッチして相手に渡したため、ED不成立。17.650(D9.200 E8.450)。
4位が日本。日本はイタリアと同点であるが、タイブレークにより、E実施点が高い方が上位に位置するため、イタリアが3位。
5位はスペイン。
大きなミスはなかったが、全体的にばらついた印象であった。
16.400(D8.300 E8.100)
6位はアゼルバイジャン。
大きなミスはなく16.250。
ベラルーシは、前半は美しく演技していたが、中盤の連係で移動キャッチ。その後の連係でも落下し、EDでも大きく移動するなどのミスが出て15.850(D8.700 E7.150)で7位と出遅れた。
明日は後半種目のロープ&ボールが行われる。