2012 全日本選手権 スティック 廣庭捷平

報告者:

大学一年目にして種目別決勝に残るも 団体の部員不足によって全種目棄権という経歴を持つ
Photo by Terumi Watanabe
華々しい大学での全日本デビューを飾るも2年目以降はなかなかタイトルに手が届かなかった。
演技の独創性は群を抜いており、「通れば…」という選手ではあったが今大会では円熟された演技を遺憾なく発揮
他大学のどの選手とも毛並みの異なった個性あふれる演技を高い実施力で演じきる
スティックの演技はレトロ調な曲を使用
出だしではオルゴールの音色と同調した表現を行い、ロボットダンスとは またニュアンスが異なるが、さながら夜中に人々が寝静るのを待って動き出した機械仕掛けのおもちゃのようであった。
基本的にスティックは回す・転がすといった表現が主であるが
肩にかけた表現や縦にしたまま体の周りを回すなど 表現の幅のさらなる可能性を感じさせる動きを多く取り入れている。
レトロな曲調とは裏腹に手具の回転速度に勢いがあり、勢いはスティックの円周をより大きく見せる。
こういった小さな「詰め」が動きの根幹にあることにより演技の完成度はさらに増していく。
ラストポーズは下を向いた状態から物憂げな表情で挙げていた腕の先を見上げる
Photo by Terumi Watanabe
「見上げる」ただ それだけの動きが 会場の照明に照らされ 得も言われぬ感情を湧き起こす。
Photo by Terumi Watanabe
決勝での得点は 納得の9.600で種目別優勝。
引退後は実業団ではなく教員としてこの競技の普及に関わりたいとの言葉を残し学生最後の大会を締めくくる。
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■動画URL↓
https://www.jpn-gym.or.jp/goods/video/2012/rnat/03/index.html