2018新体操WC杯カザン大会レポート3

報告者:山﨑浩子

<団体種目別決勝>フープ5
日本(フェアリージャパンPOLA)は、最初の交換で落下ミス。大きく走ったため、続くステップにも影響して、今日も決めることはできなかった。なんとしても決めたいという気持ちが強すぎるような気がするので、ひとつひとつのエレメントを正確にやるということだけを考えて、世界選手権に臨んでほしい。
(D難度点13.00 E実施点6.90 19.900)

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
横田葵子
鈴木歩佳

1位はロシア。
若干の、キャッチの移動はあったが昨日と比較すると大きなミスはなかった。(D14.60 E8.50 23.100)

2位はブルガリア。
小さな操作ミスはあるものの、迫力のある演技であった。(D13.90 E8.70 22.600)

3位はイタリア。
フープの3本投げが乱れて、人と人とが接触気味にキャッチ。パンシェローテーションや交換にも乱れが出て、(D13.80 E8.20 22.000)

4位は中国。
大きなミスはなく、移動も少なかった。(D13.40 E7.70 21.100)

5位はベラルーシ。
ステップで落下。(D13.30 E7.75 21.050)

6位が日本。

7位はスペイン。
連係で、フープをくぐり抜ける際、フープに引っかかり、R(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)で落下。(D11.90 E6.40 ‐0.3 18.000)

8位はフランス。
ラストの連係で落下。(D11.40 E6.30 17.700)

<団体種目別決勝>ボール3&ロープ2
試技順1番の日本。
この種目には安定感があり、若干の移動キャッチはあったものの今日も大きなミスはなく、(D14.20 E7.90 22.100)
Eがもう少し伸びたいところであったが、Dは昨日と比較するとポイントを与えてもらった。

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
横田葵子
鈴木歩佳

試技順2番のイタリアは目立ったミスはなく、(D13.60 E8.60 22.200)
日本を0.1差で上回った。

試技順3番はベラルーシ。
出だしにロープを落下。いくつか視野外、手以外などの加点対象となる技をやっていない人がいるのが見えた。(D13.40 E7.55 20.950)

試技順4番はブルガリア。
連係でのキャッチでロープの片端を離し、他の箇所でもロープを落下。昨日に引き続いてのミスで(D13.80 E7.90 21.700)

試技順5番は中国。
この種目もミスはなく(D13.00 E7.30 20.300)

試技順6番はロシア。
体勢を崩しながらのキャッチや、移動キャッチもいくつか見られたが、昨日より出来はよく、(D14.40 E8.40 22.800)

試技順7番アゼルバイジャン。
(D12.40 E7.35 19.750)

試技順8番フィンランド。
(D13.00 E6.90 19.700)

結果、
1位ロシア
2位イタリア
3位日本
4位ブルガリア
5位ベラルーシ
6位中国
7位アゼルバイジャン
8位フィンランド

日本はWCCミンスク大会に続き、メダルを獲得した。5月から7月にかけて、難度点を大幅に増やして練習してきたが、その成果は実ってきているように思う。あとはフープの完成度を高め、ひたすらに正確に行うことを目標にやっていきたいところである。

<個人種目別決勝>
ボールの種目に出場した皆川夏穂は、個人総合の時よりハリのある演技をしていた。
総合時にはやれなかったRの視野外・手以外のキャッチも行い、魅力的な演技を繰り広げていたが、ラストの転がしAD(加点対象となる手具操作)で乱れると、音楽の時間が足りなくなって焦ったのか、スケールのバランスが短くなり、ラストのADキャッチもボールがバウンドして、どうにか戻ってきたボールをキャッチする形となった。
動きが大きいため、時間をたっぷりと使いがちであるが、もう少し余裕をもってラストのあたりの技に入りたいものである。
(D9.10 E7.85 ‐0.05 16.900)8位。

全種目の1位はロシアのDina AVERINA。
全種目の2位はイスラエルのASHRAM。

ふたりとも大きなミスはなく、技術力の高さを見せつけた。

個人総合1位のロシアのSOLDATOVAは、フープでは足キャッチで落下して場外。予備手具に差し替えるなどして、8位。
他の種目もRの投げのコースが甘くなってしまうなどのミスが出て、ボール、クラブ、リボンでは3位。

ASHRAMは抜群の安定感を誇るだけに、ロシア勢でもミスが出れば、すぐに地位を奪われてしまう。

個人も団体も、金メダル候補は絞られてはいるが、試合は何があるかわからない。
まずは「自分たちがやれる精一杯のことをやる」ことが重要であろう。

これで世界選手権前の試合はすべて終わった。
個人は9月6日にソフィア入りし、10日からの試合に臨み、団体は12日にソフィア入り。15日からの試合に臨む。
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