新体操W杯ペサロ大会2019レポート3(団体)

報告者:山﨑浩子

4月7日、W杯ペサロ大会は個人種目別決勝、団体種目別決勝が行われた。

<団体種目別決勝ボール5>
試技順1番は中国。
比較的難しい技をこなしていたが、中盤のフェッテのローテーションで落下。
大きなミスとなってしまった。
D1(BD身体難度、ED交換、Sステップ)4.800
D3(C連係、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の回転を行いキャッチ)9.000
D 13.800
E実施 7.100
計20.900

試技順2番ウクライナ
若干不正確なキャッチやボールの両手キャッチなどはあるが、大きさのある演技で、大きなミスはなかった。
D1 4.900
D3 10.500
D 15.400
E 8.000
計 23.400
インクワイヤリが出されたが変更はなし。

試技順3番ロシア
膝をつきながらのキャッチや、足蹴りのワンバウンドなどがあったが、
D1 5.400
D3 11.200
D 16.600
E 8.700
計 25.300

試技順4番ベラルーシ
交換で落下し、移動キャッチや不正確なキャッチがあった。
D1 4.700
D3 9.800
D 14.500
E 7.850
計 22.350

試技順5番イスラエル
四肢の粗さは目立つが、次々と連係をこなして、大きなミスはなかった。
D1 5.200
D3 10.800
D 16.000
E 8.250
計 24.250

試技順6番ブルガリア
非常にダイナミックで緩急の利いた演技をしていたが、交換の投げを移動しながらキャッチする場面で、少し投げが大きかったのか、もぐり回転キャッチでバランスを崩し、背中から転ぶような形となってしまった。
その後も、投げを座で、ひざの裏側で打ってバウンドさせる技で落下。
少しバタついたところがあり、
D1 5.100
D3 11.000
D 16.100
E 7.800
P  0.3
計 23.600

試技順7番地元イタリア
大歓声に後押しされて、総合の時にミスが出た箇所もクリア。
大きなミスはなく、スピーディーでドラマチックな演技をした。
D1 
D3
D 16.900
E  8.500
計 25.400

イタリアがロシアを0.1上回って、この時点でトップに立つと、歓声が鳴りやまず、興奮状態となった。
そんな中、試技順ラストで日本(フェアリージャパンPOLA)が登場。
ポーズを取り、曲が始まる合図の電子音を待ったが、鳴り物を鳴らす観客もいるため、合図が十分に聞こえなかった。
いくらかそのままのポーズで待っていたが、いったんポーズを止めて仕切り直し。
それでも動じることなく、落ち着いて演技した。
他の国と比較すると、演技が見やすい反面、複雑さに欠けるように見えるが、美しく演技した。
ボールの足投げが、直球気味になったが、すばやく反応してキャッチ。全体的には欠点の少ない演技であった。
D1 6.000
D3 10.700
D 16.700
E 8.250
計 24.950
あと少しで25点台に乗せられるところまできて、日本はこの種目で銅メダルを獲得した。

出場者
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
竹中七海

1位イタリア
2位ロシア
3位日本
4位イスラエル
5位ブルガリア
6位ウクライナ
7位ベラルーシ
8位中国

<団体種目別決勝フープ3&クラブ2>
試技順1番は日本。
最初の交換で手具がわずかに接触したが、キャッチ。
後半の交換でもフープが短くなったが、なんとか足を伸ばしてキャッチした。(落下にも見える)
しかし、どちらかの交換はカウントされていないと思われ、
D1 5.600
D3 10.200
D 15.800
E 8.100
計 23.900
昨日より安定感もあり、移動も少なかった。

出場者
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
横田葵子

試技順2番イスラエル
大きなミスなし。
D1 5.500
D3 10.900
D 16.400
E 8.050
計 24.450
インクワイヤリを出したが、修正されず。

試技順3番アゼルバイジャン
中盤の連係で落下すると、後半に乱れが生じてしまった。
D1 5.100
D3 7.700
D 12.800
E 6.300
計 19.100

試技順4番ウクライナ
最初の連係で移動キャッチ。
中盤の何でもないところでポロリとクラブを落下したが、大きな被害はなく
D1 5.800
D3 10.900
D 16.700
E 8.400
計 25.100

試技順5番ベラルーシ
連係の、回転しながら足でクラブを投げる際に、クラブがうまく飛ばず落下。
一本は場外に出て、選手も外に出たように見えたがライン減点はなかった。
D1
D3
D 15.200
E 7.100
計  22.300

試技順6番ロシア
前半は総合の時より、移動も少なく決めていたが、中盤の連係で場外。
その後、連係で落下があり、大きく崩れた。
D1 6.300
D3 8.200
D 14.500
E 7.050
P 0.6
計 20.950

試技順7番イタリア
イタリアも中盤まで複雑な連係を決めていたが、交換で落下。
ラストもプログラム通りではない模様で
D1 4.900
D3 9.500
D 14.400
E 7.900
計22.300

試技順8番ブルガリア
ボールではミスが出たが、爆発的なエネルギーで多彩な連係を決め、
D1  5.700
D3 11.200
D 16.900
E 8.850
計 25.750

1位ブルガリア
2位ウクライナ
3位イスラエル
4位日本
5位イタリア
6位ベラルーシ
7位ロシア
8位アゼルバイジャン

このように波乱の展開となった。
ボールのメダル獲得チームがイタリア、ロシア、日本で、フープ&クラブがブルガリア、ウクライナ、イスラエルと、2種目でまったく違う国が表彰台に乗ることになった。
連係を複雑にすればするほど、ミスが出る可能性が高いため、ロシアと言えども7位に沈むこともある。
決勝に残るチームには、すべての国に表彰台の可能性があり、すべての国に下位に沈む可能性があるのである。

日本は現段階の力は出したと評価できる。
しかし、課題も多く、特にフープ&クラブはD3の加算が必要である。また両種目ともインパクトに欠け、他の国の打ち上げ花火の量からすると、だいぶj上品に収まっている感がある。
今後改良を続けていかなければならないだろう。
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