新体操WCCカザン大会報告2

報告者:山﨑浩子

WCCカザン大会2日めは、個人総合後半と団体総合後半が行われた。

<個人総合後半>
大岩千未来のリボンは、R(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)で投げが戻り、なんとかキャッチ。AD(加点対象となる手具操作)でもリボンの描きが悪い箇所があった。
ラストの後方支持ありローテーションは非常に体軸の乗りが良かったが、乗りすぎて回転数が増え、曲の終末に合わなくなった。今後はこのあたりの修正が必要であろう。
D1(BD身体難度、Sステップ)5.00
D3(AD、R)4.90
E(実施)7.35 計17.250

クラブは伴奏音楽を変更したばかりであるが、出だしのパンシェローテーションが決まると次々にADをこなして、会場からも手拍子が自然と沸き上がる。
後方支持ありローテーションも決まり、素晴らしい出来であった。
D1 5.40
D3 6.80
E  8.00 計20.200  4種目合計75.250

皆川夏穂のクラブは、今日も落ち着いていた。全体的に投げが少しずれて移動が見られたことと、天井のライトとクラブが重なってクラブを見失ったために、一瞬動きが止まったが、なんとかしのいだ。
D1 4.30
D3 7.50
E  7.95 計19.750

リボンは出だしの投げでリボンが手に絡み、投げの乱れを対応した。
またラストの投げが大きくなり、走って足でキャッチしてラストポーズ。
結果的に大きな減点ではあったが、やり方は決して悪くなかった。
通常であれば、最初の投げをミスした時点で焦りが生まれ、修正しようという思いからずっとリズムを崩したままになるのだが、今回の皆川はミスした箇所は切り捨て、現在進行形に集中して演技しているように見えた。
ラストの投げは練習の時から投げ飛ばしていたので今後改善が必要であるが、今大会のような力みの少ない演技ができると安定感も増していくだろう。
D1 4.30
D3 6.10
E  6.80 計17.200  4種目合計77.750

1位はロシアのDina AVERINA。
クラブではD3で9.3を獲得し、圧倒的な強さを見せた。
D1 5.00
D3 9.30
E 8.90 計23.200

リボンは途中からリズムが悪くなり、ラストの投げも不正確であった。
D1 5.30
D3 7.40
E  8.80 P0.05 計21.450  4種目合計90.450

2位はArina AVERINA。
リボンは出だしのRで結び目ができ、ローテーションの前にすぐにほどいた。
D1 5.50
D3 6.40
E  8.30 計20.200

クラブはラストポーズで体勢を崩し、しりもちをついたような感じになった。
D1 5.50
D3 9.10
E 8.35 計22.950 4種目合計86.800

3位にはブルガリアのTASEVAが入った。
リボンではRの投げが戻り、重さも感じたが、クラブは大きなミスのない演技であった。
リボン18.600 詳細不明

クラブ
D1 5.20
D3 8.90
E  7.70 計21.800 4種目合計80.900

前日3位のブルガリアのKALEANは、クラブ、リボンともに落下があり、4位となった。
クラブ
D1 5.20
D3 7.30
E 7.50 計20.000 

リボン
D1 4.30
D3 5.60
E  7.50 計17.400 4種目合計79.500

皆川は、イスラエル勢、ウクライナ勢がいない中ではあるが、5位入賞と健闘した。

6位はベラルーシのHALKINA。
リボンはステップ時に不正確な手具操作となった。
D1 4.30
D3 6.20
E 7.75 計18.250

クラブは大きなミスなし。
D1 4.80
D3 7.20
E 8.70 計20.700 4種目合計76.800

7位イタリアのBALDASSARRI。
リボンはキャッチした後、落下があり、ほかにも不正確なキャッチがあった。
D1 4.70
D3 5.80
E 7.30 計17.800

クラブは大きなミスはなかったように思うが
D1 4.90
D3 7.60
E 7.55 計20.050
大岩を下回った。

8位USAのGRISKENAS。

クラブは投げの移動が少しあったが落下なし。
19.600 詳細不明

リボンはADのキャッチが不正確になり、リボンのスソが場外に出る場面もあった。
D1 4.60
D3 6.20
E  7.35 P0.3 計17.850 4種目合計75.750

9位スロベニアのVEDENEEVA。
前日は得点が思うように伸びなかったが、今日はとてもクリアな演技をした。
クラブ
D1 5.10
D3 6.80
E  7.90 計19.800

リボン
D1 4.60
D3 6.40
E  8.60 計19.000 4種目合計75.600

10位には順位を3つ上げて大岩がベスト10入りした。

前日6位ギリシャのKELAIDITIは、クラブでも器用な手具さばきを見せて19.700を獲得したが、リボンになると人が変わったようにミスを連発。
リボンは12.850で総合18位まで順位を落とした。

前日9位フランスのMOUSTAFAEVAも落下ミスはなかったものの13位に後退。
ベラルーシのHARNASKOは、クラブでは21.30を出しながら、リボンではRの投げを場外。他のRでも落下し14.400で総合14位となった。

全体的には前回大会のWCCミンスク大会と比較すると実施点が厳しくなった(ルールに忠実になった)ように思う。
そんな中で大岩がクラブで8.00を出して種目別に残ったことは評価できる。
また皆川もフープとボールで種目別決勝に進出したが、日本の選手は美しくかつ音楽も表現していると言えよう。

<団体総合後半>フープ&クラブ
試技順1番のベラルーシは前半の連係で落下。
中盤のジャンプターンでのフープの持ち替えで落下すると、そのフープを投げ渡す際に落下。
そうなると収拾がつかなくなり、3つほどの連係をとばした。中盤は立ち往生という表現がぴったりであった。
前日は0.5の差で日本のすぐ下にいたが、20.700で12位に後退。

日本(フェアリージャパンPOLA)は連係が終了したあと、クラブをポロリと落下。
後半の連係でもクラブでクラブをキャッチする際、押さえきれずにクラブがこぼれた。
2か所の落下で実施は7.30であったが、D3はミスを差し引けば妥当な点数であった。
D1(BD、ED交換、S)5.50
D3(C連係、R)14.30
E(実施)7.30 計27.500 2種目合計55.700
前日のボールで投げの高さを指摘され、フープ&クラブも試合直前に投げの低い箇所を変更したりしているので、変更した部分は集中できていたが、他の部分で集中力に欠けるところがあったのかもしれない。

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
竹中七海
鈴木歩佳
横田葵子
投げの高さについては、投げて転回した後、相手にダイレクトに投げ返す場合はその投げ返しも高くなければならないと指摘された。
これまで転回をする前の投げの高さについてはルールとして聞いていたが、転回後の相手への投げ返しの高さについてはその解釈ではなかった。もしそれが本当であれば、投げ返しなどせず、単純にキャッチしたほうがよくなる。
難しく複雑なことをするより、手堅く単純なことをやったほうが点が残るということであるが、ルールならいたしかたないと言えよう。

1位はロシア。
全体的なバラツキ、いくつか投げの移動はあるが、パドブレやジャンプなどで移動に見せない工夫をしていた。
D1 6.10
D3 15.10
E 8.25 計29.450 2種目合計58.450

2位はブルガリア。
大きなミスはなくエネルギッシュであった。
足投げが低いのでカウントされていないかもしれない。
D1 6.00
D3 14.10
E 8.40 計28.500 2種目合計57.500

3位はイタリア。
大きなミスなし。
D1 5.80
D3 14.50
E 8.05 計28.350 2種目合計56.900

そして日本は2戦連続で4位。
ミスが出たためにメダルには手が届かなかったが、0.9の箇所がカウントされずに14.30を獲得できていることや、2か所の落下で1点を失っていることを考えるとまだまだ積める点数はある。あと一息安定感を出し、虎視眈々とメダルを狙える位置にい続けよう。
5位はウズベキスタン フープ&クラブ26.650(54.000)
6位イスラエル フープ&クラブ26.350(53.350)
7位中国 フープ&クラブ26.250(53.250)
8位フィンランド フープ&クラブ25.800(52.250)
9位ブラジル フープ&クラブ24.200(50.150)インクワイヤリー*変更なし
10位スペイン フープ&クラブ25.100(49.850)
11位USA フープ&クラブ24.100(49.300)
12位ベラルーシ フープ&クラブ20.700(48.500)
13位メキシコ フープ&クラブ25.650(46.400)インクワイヤリー*変更なし
14位フランス フープ&クラブ22.950(44.650)
15位カザフスタン フープ&クラブ20.550(41.300)

本日出されたインクワイヤリーは個人団体含めてすべて変更なし。
明日は種目別決勝が行われ、日本は両種目に出場する。