新体操WCCカザン大会報告3

報告者:山﨑浩子

9月1日、WCCカザン大会は種目別決勝が行われた。

<団体種目別決勝ボール>
試技順1番ベラルーシ
連係での落下が2回、移動キャッチあり
D1(BD身体難度、ED交換、Sステップ)6.20
D3(C連係、Rリスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行う)13.30
E(実施)7.15 計26.650

試技順2番ロシア
これまで見てきたロシアの演技の中で一番、視野外、手以外などと追加価値を行い、まとまりのある演技であった。
D1 5.60
D3 14.90
E  8.65 計29.150

試技順3番ウズベキスタン
ラスト近くにキャッチ移動があったが、さほど大きなミスはなかった。
総合時と比較して出来に大差はないが、総合の時のD3は14.90で今回は12.50。この差は何なのかは把握できなかった。
D1 5.60
D3 12.50
E 7.35 計25.450

試技順4番日本(フェアリージャパンPOLA)
中盤の連係で移動キャッチ。
手具を投げた選手がキャッチしていない箇所があり連係不成立。
D1 5.20
D3 14.30
E 8.05 計27.550
D1が少々低いが、回転中の受けや片手受けなどができていないところがあったので妥当であろう。

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
竹中七海
鈴木歩佳
熨斗谷さくら

試技順5番中国
大きなミスなし
D1 5.80
D3 13.00
E 7.80 計26.600

試技順6番イタリア
連係で落下し、その直後プログラムをやれず。時が止まったようになり、後半に乱れ。
D1 5.10
D3 12.20
E 6.95 計24.250

試技順7番イスラエル
連係での移動はあったが大きなミスなし。
D1 5.50
D3 12.40
E 7.95 計25.850
インクワイヤリーが出されたが得点変更なし。この連係がカウントされていないのではないかという部分あり。

試技順8番ブルガリア
大きなミスなし。
D1 5.90
D3 14.00
E 8.60 計28.500

この結果、
1位ロシア
2位ブルガリア
3位日本
4位ベラルーシ
5位中国
6位イスラエル
7位ウズベキスタン
8位イタリア

日本は銅メダルを獲得した。

<団体種目別決勝フープ&クラブ>
試技順1番フィンランド
交換でクラブの1本を場外。予備手具に差し替えて演技を続けた。
D1 4.50
D3 12.00
E 5.70 P0.6 計21.600

試技順2番イスラエル
連係で大きな移動と落下気味のキャッチあり。
D1 5.80
D3 13.50
E 7.45 計26.750

試技順3番ブルガリア
交換でクラブが短くなったが素早く反応してキャッチ。ブルガリアはこのところ落下ミスを犯していないという強さがある。
D1 5.80
D3 13.80
E 8.50 計28.100

試技順4番中国
連係での移動あり
D1 5.80
D3 13.00
E 7.55 計26.350

試技順5番ウズベキスタン
連係での移動と落下あり
D1 5.30
D3 12.70
E 6.15 計24.150

試技順6番イタリア
連係のクラブの4本投げで落下し、後半リズムが乱れた。
D1 5.30
D3 13.20
E 7.65 計26.150

試技順7番日本
もぐり回転でのフープ2本投げのキャッチが、キャッチ側の意思疎通がうまくいかずに落下。
交換でも投げが少し大きくなったがキャッチの反応が遅く落下。
もぐり回転での受けは、キャッチする選手を変更しているので、まだフープがまとまってきたときの対処が悪い。ここは元の選手に戻したほうが良いだろう。
フープ&クラブでは、投げ返しをやめたり(ルールの解釈がまちまちのため)、そのためにキャッチの選手を変えたりと、ルール解釈で右往左往している状態。
トップ層の審判員でも解釈の違いが明らかであり、それによりここにきてプログラム変更を強いられている状態なので、早く統一見解を出してほしい。
D1 5.40
D3 13.50
E   6.80 計25.700

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
竹中七海
鈴木歩佳
横田葵子

試技順8番ロシア
連係で2度の落下、移動あり
D1 5.40
D3 14.00
E 7.75 計27.150

結果
1位ブルガリア
2位ロシア
3位イスラエル
4位中国
5位イタリア
6位日本
7位ウズベキスタン
8位フィンランド

<個人種目別決勝フープ>
皆川夏穂は背面キャッチするべきところを前で受けたりしていたが、それを演技にできていた。
もぐり回転での受けの際、フープの軸が若干ずれていたためにその場での落下があったが、その後も落ち着いて演技していた。
D1(BD身体難度、S)4.30
D3(AD加点対象となる手具操作、R)8.30
E(実施)8.00 計20.600
ミスしても20点に乗せてきた。

1位はロシアのArina AVERINA。
ほぼミスのない演技であった。
D1 4.30
D3 9.20
E 9.20 計23.200

2位はDina AVERINA。
後方支持ありローテーションで軸のずれあり。
D1 4.90
D3 8.80
E  9.05 計22.750

3位はベラルーシのHARNASKO。
少しもたつきはあったが大きなミスなし。
D1 4.60
D3 7.90
E 8.30 計20.800

皆川も一か所のミスがなければメダル獲得の位置まできている。

<種目別決勝ボール>
皆川はフープと同様落ち着いた演技を見せていたが、視野外、手以外受けのRでボールがこぼれてしまう。
寝た状態から起きてボールを取り戻すために走っていく形になり大きな減点となった。
しかし、今大会の皆川はこれまでと明らかに違う。
ミスした後の焦り感がまったくないのである。
ミスはもちろんあってはならないが、ミスした後にどう演技するかで得点はだいぶ違ってくる。
フープでも、ミスがありながら8点に実施を乗せられているように、皆川の実施の良さは評価が高いと言えよう。

1位はDina AVERINA。
総合時には抜いたADも行い、D3が10点に届く勢い。
D1 4.70
D3 9.70
E  9.05 計23.450

2位はArina AVERINA。
パンシェのバランスで崩れたように見えたが、得点にはあまり影響なし。
D1 5.30
D3 8.90
E  9.20 計23.400

3位はブルガリアのKALEAN。
フープではいまひとつだったローテーションの乗りが良かった。
D1 5.20
D3 8.30
E 8.45 計21.950

<種目別決勝クラブ>
大岩千未来は出だしのパンシェローテーションで6回を数え、場内から拍手。
しかし連続でのバランスが崩れ気味に。若干リズムも崩れ、中盤のADで落下。曲に遅れ始めると、ラストのADでも足でクラブを蹴る形となり1本手具なしでポーズ。
パンシェローテーションからバランスの連続は、総合時はうまくいったが、若干軸がずれたときの対処を考えなければならないだろう。
D1 5.10
D3 7.40
E  5.85 計18.350

1位はDina AVERINA。
D1 5.00
D3 9.30
E  9.05 計23.350

2位はArina AVERINA。
ADで落下
D1 5.20
D3 9.10
E  8.00 計22.300

3位はHARNASKO。
大きなミスなし
D1 5.10
D3 8.20
E  8.50 計21.800

<種目別決勝リボン>
1位Dina AVERINA。
大きなミスなし
D1 5.20
D3 7.80
E  8.85 計21.850

2位Arina AVERINA。
落下ミスはなかったが、受けの待ちが多く見られた。
D1 5.40
D3 6.40
E  8.75 計20.550

3位HALKINA。
大きなミスなく叙情豊かに演技した。
D1 4.60
D3 6.00
E  8.50 計19.100

今大会はミンスク大会と比較すると、実施面でかなりルールに忠実に採点されていたように思う。
団体にしても個人にしてもD3ポイントが高くても、移動キャッチや技のられつに関しても、きちんと減点されていた印象。
また美しくなければならないということも強調されていた採点であった。

その点に関していえば、個人の皆川、大岩、そして団体も日本選手は美しく、こういった採点なら戦えると思えた大会であった。
新体操は音楽を表現し、美しさを競う競技であることを忘れてはならない。