第72回全日本新体操女子レポート③

報告者:広報委員会 藤野朱美

個人種目別決勝

フープ>
1位は喜田純鈴選手。1つ1つの難度要素が明確で、大きなミスなく纏めた。動きにキレがあり気迫を感じる演技であった。得点20.950

2位は山田愛乃選手。長い手足を活かした伸びやかな演技。実施が8点台にコンスタントに乗るようになってきた。得点18.600

3位は柴山瑠莉子選手。演技の正確性に定評がある柴山選手、落ち着いた美しい演技を披露した。得点18.150

ボール>
1位は喜田純鈴選手。個人総合でミスが生じた悔しさを晴らす演技を魅せた。更に正確性が身に付けば20点台を越えていくのであろう。得点19.650

2位は松坂玲奈選手。手具操作がとても自然でリスキーな技を間髪入れずに見事にこなす。大きなミスなく演技を纏めた。得点18.200

3位は古井里奈選手。ADの前転受けで少しミスが生じたが、演技に大きく影響する事無く最後まで纏める。得点17.600

クラブ>
1位は立澤孝菜選手。難易度の高いADを連続して成功させ会場が沸いた。大きなミスなく演技を纏める。得点18.700

2位は猪又涼子選手。スピーディーな演技の中にADとDERを次々と正確に成功させる。パンシェローテーションは見事であった。得点18.100

3位は古井里奈選手。次々に展開されるAD、DER、身体難度を見事に正確に成功させた。古井選手独自の操作が多く見受けられた。得点17.550

リボン>
1位は柴山瑠莉子選手。軽快にかつ確実に表現力豊かに演じきった。プログラム通りの演技で、とてもいい出来栄えであった。得点17.400

2位は猪又涼子選手。リボンの軌跡がよく描かれ、情感豊かに演じられた。見事なパンシェローテーションで会場が沸いた。得点16.950

3位は喜田純鈴選手。バランス中にリボンの落下ミスが生じたが、最後まであきらめる事無く演技を纏めた。得点16.150

◆団体競技◆

大会1日目、2日目と団体総合を制した日本女子体育大学の演技は見事であった。5名の選手がとても伸びやかな動きで同時性を感じた。2種目共に大きなミスなく纏め上げた総合力は素晴らしい。種目別でもフープ3クラブ2で見事優勝を果たした。

種目別ボールで優勝したのは常葉大学附属常葉高等学校/静岡RGであった。今大会も高校生チームの活躍が目立ったが、ここ近年めきめきと力をつけてきたチームである。5名の身体能力が高く、難易度の高い連携と交換を見事に成功させた。

Dスコアが青天井となり、昨年の団体の演技構成と今年の演技構成を比較すると投げの多さは一目稜線である。1つミスが生じてしまうと2つから3つの連携または交換がノーカウントとなってしまう。しかし、2分半の中にこれでもかと詰め込まれた演技を集中力切らさず5名の呼吸を合わせて演じ切ることの難しさを感じる試合でもあった。

東京オリンピックまではこのルールが遂行される。Dスコアを獲得するために難度を間髪入れずに組み込みながらも、新体操の神髄を忘れる事無く技術が向上されることを願う。

最後に、20日先月行われた世界選手権大会の報告会も行われた。史上初の団体種目別で金メダルを獲得したこと、皆川選手がオリンピック出場枠を日本として獲得したこと、生の声で報告し、大岩千未来選手がエキシビションでクラブの演技を披露した。

今大会個人上位15名が来年行われるオリンピックセカンドチャレンジに出場する権利を得た。Dスコアを着実に獲得するために、実施力(Eスコア)を高め、4月の大会で更にレベルアップした演技を期待したい。

大会情報・結果