新体操WCCポルチマン大会2022レポート

報告者:新体操強化本部長 村田由香里

●個人総合 フープ・ボール
・喜田未来乃選手
国内の試合後すぐに、ポルトガルに移動し、疲れが出ないか心配であったがむしろ、エネルギーであふれているようにも感じられた。
フープ 27.150(D12.000 A7.550 E7.600)
スタートからRをダイナミックに決めると、柔らかい動きで繋ぎ、身体難度の不明確な部分はあったものの、冷静に最後まで作品を見せきることが出来た。

ボール 27.300(D12.500 A7.400 E7.400)
1種目よりもさらに落ち着いて、曲に身を委ねるように踊り、身体難度も粘り強く行い、最後まで流れるように踊ることが出来た。
表情も曲に合わせて変化が見え、キャラクターをアピールする意識が更に増したと感じられる。

・喜田純鈴選手
こちらも、同月に国内の試合を終えてからの、参戦になった。W杯バクーでの課題をどれだけ、改善できたのか確認する試合でもある。
フープ 30.400(D14.200 A7.800 E8.400)
動きの緩急をつけながら、ステップでは大きさもあり、予定外のフープのキャッチも逆にアピールできるほどのベテランの良さと練習の成果を余すところなく出し切る意識が見えた。

ボール 28.650 (D13.400 A7.550 E7.700)
エカルテ難度でボールを取りこぼしたが、その後には大きく響かず作品を終えた。
スピードの変化は以前より良く見えるようになったが、作品全体にオリジナリティが出していくことが課題になる。

●個人総合 クラブ・リボン
・喜田未来乃選手
クラブ 27.800(D12.500 A7.500 E7.800)
試合に更に慣れて来たのか、練習にも表情にも余裕が出てきたように感じる。
身体難度には波があるものの、大きな体を使った難度が決まると、ポテンシャルの高さを見せつけられる。最後までミスなく落ち着いて演技をまとめた。

リボン 26.050(D10.800 A7.650 E7.600)
スタートのステップから、大きな体を更に大きく使い、会場から自然に手拍子が生まれた。バランスで踵をついてしまう場面はあったが、4種目とも、大きなミスなくまとめ上げた選手は今大会では少ない。
身体難度は安定していないが、この大会で見せた判断能力と演技中の粘り強さ、ミスをしないメンタルには今後の成長に期待しない訳にはいかないだろう。
総合12位 合計 108.300

・喜田純鈴選手
クラブ 27.650 (D12.500 A7.450 E7.700)
スタートから勢いよく演技をこなしていたものの、集中が一瞬切れたのかDAで落下、その後はベテランの踏ん張りを見せ演技を大きく崩れることなく最後までエネルギーを出して踊り終えた。

リボン 29.400 (D13.100 A8.250 E8.050)
音楽に合わせて、よどみなく作品に向かっている喜田選手の姿があり、課題である、動きの強弱、スピードの変化が見られるようになってきた。最後まで途切れることなく踊り続けた印象が強い。リボンでもオリジナリティが出てくると芸術点も上がってくると思われる。

総合5位 合計 116.100 フープとリボンに種目別進出

●個人種目別 喜田純鈴 フープ・リボン 喜田未来乃クラブ リザーブ
・喜田純鈴選手
フープ 4位 30.150 (D13.800 A7.900 E8.450)
最後までミスなく、集中して演技が出来、ベテランならではの安定感が見られた。更に上のクオリティを目指して、転がしのDAが指先まで行えていない部分や、細部まで正確に行えるように修正が必要となる。

リボン 4位 28.900 (D12.400 A8.200 E8.300)
こちらも、ミスがなく、力強く全身を使い音楽に身を任せて踊ることが出来た。
不明確な部分もあり、審判にわかるようにローテーション中のリボンの形、場所など明確にしていく必要がある。試合全体を通して課題をクリアした部分とこの先またチャレンジしていく部分が明確になった。

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