新体操アフロディーテカップ2023 レポート1

報告者:新体操強化本部員 熨斗谷さくら

大会1日目(3月10日)

2023年3月10日~12日、ギリシャ(アテネ)にてインターナショナルトーナメント第8回アフロディーテカップが開催された。第2回世界新体操ジュニア選手権大会を控える今年は、年明けから各国でジュニア選手の大会が盛んに開催されており、今大会には個人87名、団体14チームのジュニア選手が参加した。日本からは個人選手丸山莉奈、山下ゆり紗、ジュニアTA選抜団体チームが出場した。

<個人>
2名の選手は、アジアジュニア選手権の出場を決めたコントロールシリーズ(CS)第2戦からの連戦となった。

・丸山莉奈 1日目
昨夏に行われたアジアジュニア選手権以来の国際大会となった丸山選手は、海外選手に劣らない堂々とした姿勢でフロアに立った。前半、動きの力強さや伸びやかさが際立って見えたが、後半に向け両手受けや不明確な操作が目立つ演技となった。両種目ともに落下は防いだものの、上位には踏み込めない点数に終わった。今後、DA・DBの精度を上げていくことが必須であるとともに、曲や作品への理解を深め、4種目とも異なった表情・踊りを見せていくことが課題である。
フープ:24.700点(D:9.000 A: 7.800 E:7.900)36位
ボール:26.550点(D:11.200 A:7.450 E:7.900)31位

・山下ゆり紗 1日目
国際大会初出場の山下選手は、緊張が動きに伝わり固さが見られたものの、一つひとつ丁寧に最後まで踊りきる事が出来た。両種目共にミスがあったが、国際大会でどのような評価を受けるのかを経験できたことは大変貴重なことである。今後は緩急のある動きや表現力、よりスピーディーな手具操作を習得することで、価値の高い演技に挑戦して行けるよう日々練習に取り組んで欲しい。
フープ:23.950点(D:9.300 A:7.400 E:7.250)43位
ボール:24.000点(D:9.300 A:7.750 E:6.950)54位

<団体>
団体は、昨年11月に選抜チームを結成し、限られた期間の中で練習を行ってきた。怪我の影響で出発前日にメンバーを変更しかなり厳しい条件ではあったが、演技内容を調整するなどして試合に臨んだ。序盤のCCで少しリズムが崩れた後、続くCRで投げが乱れ、隣の選手が手具をキャッチし落下を防いだが、その後の交換で投げが大きくなり選手が場外に出てのキャッチとなった。
初めての国際大会において表情が硬くなる選手も見られたが、どんな状況でもどんな技でも「美しく動く」ことを徹底してきたことは、少しずつ進歩していることを感じている。しかしながら、上位の海外チームに比べ、勢いや大きさが足りないことは明確である。今後は演技内容を正確に実施できる力を身に付けるとともに、動きの大きさや表現力も強化していくことが重要である。

ロープ5:23.650点(D:10.500 A:7.350  E:6.100 P:-0.300)9位

ブルガリアやイタリアだけでなく、ルーマニアやエストニアといった欧州の国々、またアジアではカザフスタンなど様々な国が高得点をとる現状であり、シニアに引けを取らない難度の高い技や動きのコマ数をこなしているところを見ると、日本も質の高いトレーニングを行いながらも、様々な技や難度に挑戦していかなければならないと感じた。明日の総合2日目、緊張感のある中でも堂々と今出来る演技をしてくれることを選手達に期待したい。

<出場選手:土橋莉子、西寿里愛、田中友菜、松田凜、真嶋あのん>

11日 個人種目後半戦クラブ・リボン、団体ボール5の競技が行われる。

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