2023アジア新体操・アジアジュニア新体操選手権レポート3

報告者:新体操強化本部長 村田由香里

大会3日目(6月2日)
シニア個人総合
シニア団体、ジュニア団体、ジュニア個人種目別決勝が行われた。

●シニア個人総合
【喜田未来乃】
1.2日目よりも緊張している様子が見られ、練習から落ち着かない投げ受けが続いた。1種目めフープ、身体難度の実施度は悪くなく投げ技も堂々とこなした。中盤、DAひねり回しにてその場に落下、惜しいミスとなった。
2種目めボール、もぐりのRにて移動を伴い落下は防いだが不成立、コンバイン難度(バランス)もとまりが甘く、DB.DAともに点数を伸ばせなかった。また、落とせないと言う思いからか、演技全体を通し悪い意味で慎重さが際立ち、優雅さやスピード感を感じられず、『なんとかこらえた』演技となった。疲れが見られる3種目めクラブ、ジャンプターンのRにおいて、キャッチしたもののポロミス、点数を大きく失う結果となった。ここにきて体力不足が影響し身体難度のキレがなく作品の精度を上げきることができなかった。
最終種目リボン、中盤まで良い流れできていたが、さばいた際に結び目ができ、そのままローテーションに入ったため操作が不明確となりDB不成立、ラストRにおいては何とかリボンに追いついたものの取り損ねるといった集中力を欠いた演技となった。

フープ  30.100 (D14.900 A 7.750  E7.450)
ボール  29.400 (D14.000 A 7.550  E7.850)
クラブ  27.450 (D12.400 A 7.550  E7.550)
リボン  25.450 (D11.400 A7.450   E7.000)
個人総合 7位

【山田愛乃】
1種目めフープは、落下ミスなく全体的にエネルギーある演技ができた。しかし、1種目めの緊張感からか、持ち味であるエネルギーが時折動きの荒さとなり、R受けの乱れやステップ中のDAの乱れ、コンバイン難度のフォームの緩さなどが目立つ演技となった。
優雅に力強く演技したいボールでは、落としたくないという気持ちが強く出てしまい、全体を通し守りに入る演技となった。Rでの両手受け、後方受けのDAも両手受けとなり片手受けが不足となったが、落下せずにやり切るという意志の強さは見えた1本であった。昨日ミスを連発したクラブでは、Rはなんとか堪えたものの、その後のステップで手元が緩みその場に落下したが、昨日の反省を生かしすぐに切り替え、DBも良い形で実施できた。
山田選手の表情が映えるリボンでは、スタートから身体の動きも良く、良いスタートであったが、もぐりシリーズのRにてリボンが真上に上がりDAで対処、最後のRも上に上がり2回前転で対処する形となった。緊張から全体的に荒さが目立っていたため、種目別決勝では今一度1つ1つの見せ方にこだわり、最後まで挑戦した演技が出来るよう努めたい。どんな状況でも最低限のミスに抑える力があるからこそ、日々の練習の積み重ねを大切にし、1つ1つのクオリティや動きの見せ方にこだわっていく必要がある。

フープ  28.7 00 (D13.500 A 7.750  E7.450)
ボール  28.350 (D13.000 A 7.750  E7.650 減点0.05)
クラブ  28.150 (D13.000 A 7.400  E7.750)
リボン  27.100 (D12.000 A7.600   E7.500)
個人総合 8位

※個人総合の結果をもって、無事世界選手権2枠の出場権を獲得することが出来た。
9人4種目のローテーションはかなりテンポの良い試合であるが、上位選手ほどこのような試合を繰り返し経験し強くなっている。種目別決勝には、山田選手2種目、喜田選手全種目に参加する。体力的にも精神的にも更に厳しい戦いとなるが、トップ集団に入り込むためにも強い気持ちで試合に挑みたい。

●シニア団体種目別決勝 フープ5
【シニア団体】
総合の時よりも力強く一つひとつの形が明確に見える演技であったが、終盤のフープをくぐり抜ける連係にて、足がフープに当たり落下、ラストCC(側転ひねり回し)でもフープをとり切れずに落下。素早い判断で連係を省くことなく対処できたことは練習の成果であるが、ノーミスで最後のポーズ(リフト)まで見せ切って初めて完成と言える。
得点を伸ばすためにはもちろんのこと、日本チームとして『見せたい形』にもこだわりを持ち、練習から質を高めていきたい。

フープ5  32.200 (D17.80 A7.700 E6.700)
種目別フープ5 2位

出場選手:鈴木歩佳、竹中七海、稲木李菜子、西本愛実、中村知花

●ジュニア個人種目別決勝
【丸山莉奈】フープ決勝に出場
予選2日間の中でやりきれなかったことを改善し臨むと決めた種目別決勝であったが、結果や点数を意識しすぎてしまい、手具と身体のタイミングが合わないまま本番となってしまった。本番、足投げRでフープを後ろに投げてしまい回転不足で不成立、ラストのRは投げが低くなったため回転数を減らす判断をしたが、受け方が曖昧になり落下、手具なしでの終了となった。感情のまま突き進ず冷静に、今できることにしっかり集中しチャレンジしていきたい。

フープ  25.000(D10.700 A7.300 E7.050  減点0.05)
種目別決勝フープ 6位

【山下ゆり紗】ボール決勝に出場
練習の仕方も含め予選よりも動きがよく、この大会を経験し成長を遂げていることを強く感じた一日となった。体幹が強化されスピードあるローテーションができるようになっていたからこそ、身体難度ドゥバン、またパンシェローテーションにおいては後一周ずつ回りきりたいところであったが、一つずつ丁寧に、そして力強くノーミスで演技し銅メダルを獲得した。
それでも1・2位のカザフスタン、ウズベキスタンとは、レベルの差が大きいことは明瞭である。今後、様々な経験を積むとともに計画的な強化を進めていく必要がある。

ボール  25.000(D10.700 A7.300 E7.050  減点0.05)
種目別決勝ボール 3位

●ジュニア団体種目別決勝 ロープ5
【ジュニア団体】ロープ5
初日の予選よりも、大きな乱れはなく演技をまとめたが、Rで1人落下となった他、ステップ中の操作で不明確な部分が生じD点数を伸ばし切ることができなかった。
上位国のカザフスタンやヨーロッパ諸国の演技と比較し、ロープの形や軌道の乱れが多く、安定感に欠ける点は大きな課題である。しかし、初日より投げの精度を高めるなど、短い期間の中でも成長できていることは自信に繋げたい。最終日のボール5では、自分たちの持っている力を発揮し、臆することなく攻めの姿勢で演技したい。

ロープ5  25.100 (D11.600  A7.200  E6.300)
種目別決勝ロープ5 3位

出場選手:土橋莉子、西寿里愛、田中友菜、真嶋あのん、松田凜

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