新体操WCパライオファリロ大会2024レポート①

報告者:新体操強化本部長 村田由香里

3月22日〜24日、ギリシャにて、WCパライオファリロが開催される。今大会は、個人シニア52名、団体15カ国が出場。
Olympic yearである2024年、シーズン最初のワールド カップは、強豪国が出揃う大変興味深い大会になることが予想される。日本からは、フェアリージャパンPOLA 団体チーム、コントロールシリーズシニア1位通過の喜田未来乃選手が出場する。

個人総合 (3月22日、23日)
<喜田未来乃>
●フープ
WC初戦と言うこともあり、ミスをする選手が目立つ中で、1種目目から落ち着いた演技を披露した。前日のポディウム練習では身体難度や技の実施度が甘くみえたが、慣れている種目と言うこともあり、試合に合わせ上手く調整出来たように感じる。
今後、リスクにおける追加点の取りこぼしや、身体難度の誤差をなくしていくことが要求される。また、後半の曲の盛り上がりを表現するには、更なる動きの強さ、スピード感を増すことが必須である。

●ボール
スタートリスク、手以外、視野外の取りにおいて、距離感が合わず大きく弾き場外。その後も曲の遅れを取り戻すことが出来ず、技をこなすことに必死な演技となってしまった。
一つのミスにより、その他の身体難度や技の実施度、表現に影響してしまうのは全体の評価に大きく影響する。新しい作品だからこそ、どのようなことが起きても心身ともに乱されず、踊りきれる術を練習で積んでいく必要がある。

●クラブ
リスクの投げがやや流れ、判断に迷ったことで取りのタイミングがずれ落下、その後はなんとかミスを防いだが、全体的に守りに入った印象の演技となった。
この作品は、カルメンの曲調を活かしたさまざまな動きが特徴であるが、彼女の持ち味である大きさに加え更なる力強さが課題である。その為には、表現や動きのメリハリはもちろんのこと、一つずつの身体難度、技のキレも磨いていかなければならない。

●リボン
熟練している作品と言うこともあり、流れの良い演技を披露した。しかし、世界の舞台に立つと、バランスの止まりの甘さに加え、末端まで動いていないリボンの描きの弱さが目立つ。
トップ選手は、体の軸が安定しておりバランス位置に行くまでのスピードが早く、常に体から遠い位置でリボンの形状が明確に見える。それが演技全体の緩急にも繋がり、全ての評価(得点)に繋がっている。
今の作品を正確にやり切る力を身につけると同時に、DB,DAの得点を上げるために作品を見直し練習を積んでいきたい。

個人総合 26位
フープ 31.450(D16.30 A7.65 E 7.50)
ボール 26.500(DB 8.00 DA4.80 A7.20 E6.80 P0.3)
クラブ 28.900(DB 9.50 DA4.60 A7.45 E7.35)
リボン 28.750(DB9.10 DA4.20 A7.85 E7.60)

団体総合
●フープ5
今大会に向け、和をテーマにした日本らしさが見えるよう、動きの徹底や団体の良さでもある同調性に磨きをかけてきた。全大会よりも動きの良さは見えたが、全体的に緊張感が漂い会場を引き込むまでには至らなかった。
複数投げの連係において、向かってくるフープに対しよけながら投げるフープの軌道が低くなり、回転を終えた選手が取りきれず落下となった。
演技後半あたりから、交換や連係においてミスを防ぐための対応が多くなり、選手たちが落ち着かない状況で起こったミスであるため、ミスの原因を見極め必ず今後に活かしたい。

●ボール2・リボン3
中盤から連係の対応が続く中、フォーメーションが崩れたことで落下。また、DBにおいても手具操作不足、またダウングレードにより身体難度が切られてしまった箇所があり、大きく点数を下げる結果となった。
スタートから、投げ受けにやや乱れがあり、少しずつ技をこなすのが慎重になっていったように感じる。そのため、全体を通し動きの繊細さ、強さ、伸びやかさに欠ける演技となり、悔いの残る演技となった。

明日の種目別には、ボール2リボン3に出場する。今の力を存分に発揮できるよう全力を尽くしたい。

団体総合 9位
フープ 32.350(DB 8.20 DA9.60 A 7.95 E 6.60)
ボール2リボン3 27.650(DB 6.70 DA 7.00 A 7.55 E 6.40)

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