第66回全日本新体操大会レポート 女子①

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大会1日目:女子個人ボール・フープ、女子団体クラブ10

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<女子レポート>
【個人総合 1日目】
中学1年生から社会人までと幅広い年齢層の選手が参加しており、非常に見ごたえのある試合展開となっている。

初日、首位に立ったのは、昨年の覇者山口留奈選手である。フープの演技では、安定感のある徒手難度を次々にこなし、リスキーな足投げのDERを成功させた。投げたフープの軌道がずれてもベテランのこなしでうまく修正、流石である。得点は15,250。
ボールの演技も軸の取れた回転難度で観客を魅了。出だしやや動きが硬いように感じたが徐々に勢いに乗りラストのリスキーな投げを決めてフィニッシュ。本日最高得点の15,450をたたき出す。熟練度の増した演技で2種目共に15点台を打ち出した。

初日1位山口ルナ②初日1位山口ルナ写真:山口留奈
2位につけたのは、今年度ユースチャンピオンシップ覇者の河崎羽珠愛選手である。ベテラン勢を抑えての堂々の演技であった。ボールの演技ではタンゴ調の音楽に合わせた演技で、新たな河崎選手の魅力を感じた。フープの演技では軽快な音楽に載せてダイナミックな足投げを決める。安定した徒手難度と手具操作で2種目共14点台に載せた。
フープ14.300、ボール14,400。

3位につけているのは、ベテラン大貫友梨亜選手。ボールの演技が始まった途端、会場が静まり返った。繊細な音楽が流れる中、流れるようなボールの転がしは見事であった。表現力豊かな演技で観客を引き付けた。得点13.950。
フープは動きだしもたつく場面もあったが直ぐに立て直しベテランの意地を見せた。軸の揺らがないフェッテピボットが印象的であった。得点13.850

4位には巧みな主具操作とリスキーな技で次々と演技が展開し、ダイなミックさと動きの美しさを兼ね備えた成松エリナ選手がつけている。5位にはダイナミックなDERとマステリーを次々に成功させた三上真穂選手、6位にはそれぞれの種目に世界観を感じる穴久保璃子選手、7位には妖艶な表現力で観客を魅了した藤岡里沙乃選手が次々と僅差でつけている。
そして8位につけている喜田純鈴選手は中学1年生のジュニア選手である。演技の内容はシニア選手の中で演じても見劣りしない。むしろ難度の制度は目を見張るものがある。非常に今後が楽しみの選手の1人である。
今年度のルール改正により、落下ミスに対して大きな減点が科せられる。
当たり前の事ではあるが1つのミスが大きく得点に影響する。
明日、残りの2種目を終え個人総合の栄冠を手にするのは誰なのか、非常に楽しみである。

【団体総合】
クラブ10で首位につけたのは東京女子体育大学。演技冒頭のコラボレーションリスクを見事成功させスピード感のある演技を展開する。5人の息がピタリと揃ったフェッテピボット等、団体同時性を感じる部分と、連係を展開させるにあたり空間の利用に大きさや膨らみを感じる演技であった。中盤落下ミスがあったが直ぐに取戻しその後の演技に大きな影響はなかった。D得点・E得点共に8.0、得点16.000。
2位には国士舘大学がつけている。音楽にマッチしたダンスステップコンビネーションや工夫された連係が印象的であった。難度を行う姿勢、動きの繋ぎにも美しさを感じた。得点15.500。
3位には日本女子体育大学が15点台でつけている。軽快な音楽に合わせて表現力豊かに5人がフロア上で演じた。連係にも工夫が見られ見ごたえのある演技であった。得点15.150。
個人同様落下ミスに対して大きな減点が科せられること、徒手難度、交換難度は必ず5名の選手が成功しなければ得点に繋がらない。上位は僅差で明日のボール3+リボン2の演技を迎える。上位3チームは大学チームであるが高校チームの活躍も見逃せない。
明日の団体総合で勝利を手にするのはどのチームなのか楽しみである。