第66回全日本新体操大会レポート 女子③

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大会3日目:女子個人種目別、女子団体種目別

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<女子レポート>

◆個人競技

全日本新体操選手権大会も最終日となった。今回の大会は2014年イズミール世界選手権大会、韓国で開催されるアジア競技大会の日本代表の候補選手をかけて熱戦が繰り広げられた。

今回は中学生から社会人まで幅広い選手層の代表が、予選を勝ち抜いて出場した。

個人総合で大学生では山口留奈選手(イオン)が優勝、同じく大学生の三上真穂選手(東京女子体育大学)が4位高校生の河崎羽珠愛選手(イオン)が3位、2位となった中学生の喜田純鈴選手(エンジェルRG・カガワ日中)の活躍が際立った。

女子個人の種目別は各種目の上位8位までの選手が出場できる。同じ所属からは最大3名とされている。

今年から中学生の参加が認められたこともあり、12歳の喜田純鈴選手が最年少でフープとクラブの種目別優勝をとげた。難度の確実さとミスが少なかったことが勝因だと言える。

ボールでは、身体の動きと音楽が一致していることや、ボールの操作の巧みさが必要なことから、ベテラン選手の山口留奈選手が優勝、大貫友梨亜選手(東京女子体育大学OG)は滑らかなボールの操作と動きの表現性を見せて2位となった。後半の種目はではミスが多く、手具の落下ミスや、場外へのミスなど演技の確実さに欠けていた選手が多く見られた。

クラブではミスの少なかった、山口留奈選手が2位、三上真穂選手が3位となりそれぞれの演技の特徴を生かした個性的な演技が披露された。リボンでは操作のミスや、投げ受けの不正確な実施により、得点が伸びなかった。池ヶ谷晴香選手(アンジュ)がダイナミックで、伸びやかな確実な演技を実施して2位となった。クラブとリボンの種目では確実な操作の熟練性がこれからの日本選手の課題と言える。今回中学生、高校生の進出があり、将来への希望が期待されるが、世界の舞台で活躍できるには、16点・17点を獲得できる選手の進出が望まれる。

喜田純鈴(エンジェルRGカガワ日中)写真:喜多純鈴(エンジェルRGカガワ日中)中学1年生

 

◆団体種目別

東女体大写真:東京女子体育大学

クラブ10では東京女子体育大学が交換の正確な実施、曲想に合わせた動きと表現性ある構成で、独創性のある演技で優勝した。2位は成長が見られる国士舘大学が、音楽に合わせたリズミカルな演技を見せ、総合同点2位の日女を超えた。

ボール3+リボン2ではユニバーシアードで日本代表となり、種目別銀メダルを獲得した東京女子体育大学が実力を発揮して、巧みな連携、リズミカルなステップや、優雅な動きを確実に実施して優勝した。2位は日本女子体育大学が団体同時性のある動き、交換や連携に独創性を取り入れて実施して獲得した。3位には武庫川女子大学が確実な実施力で獲得した。大学の活躍はさすがに構成の素晴らしさや、団体の魅力があったと思う。また、クラブ10で3位となった昭和学院高校、ボール3+リボン2では金襴会高等学校が4位となり、高校生の活躍が見られた。

団体は世界には通じていないが、日本国内でも技術を磨き、世界に通用する構成が見られることをこれからも期待したいと思う。

東京女子体育大学(リボンボール)

[[世界大会1次予選通過者]]

山口留奈 イオン/喜田純鈴 エンジェルRG・カガワ日中/河崎羽珠愛 イオン/三上真穂 東京女子体育大学/藤岡里沙乃 みやび新体操クラブ/成松エリナ 国士舘大学/池ヶ谷晴香 アンジュ/桑村美里 町田RG/猪又涼子 伊那西高校/横山あかね 飛行船新体操クラブ/古井里奈 名古屋女子大学高等学校

※喜田純鈴選手はコントロールシリーズ、決定競技会に参加するが選考対象外(年齢対象外のため)

アジアジュニア代表選手(1999年生まれ)4名の立澤孝菜選手、鈴木歩佳選手、植松桃加選手、五十嵐遥選手も健闘した。鈴木歩佳選手は種目別決勝クラブに出場し、彼女の持ち味を十分に表現し見事4位に入賞。

全日本ジュニアの後、強化合宿を行い今回の全日本選手権に臨んだ。動きの繋ぎの滑らかさや大きさ、表現力を重点的に強化した合宿の成果が各選手から見受けられた。2月にマレーシア・クアラルンプールで開催されるアジアジュニア大会でユースオリンピック出場権獲得に向けて更なる飛躍を期待したい。

女子団体総合女子個人総合

レポート:高橋衣代、藤野朱美