2009豊田国際男子2日目レポート

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男子跳馬
 2番手に登場の関口栄一選手が、1本目のヨーⅡ(前転とび前方伸身宙返り2回半ひねり)を素晴らしい実施で着地1歩にまとめ16.575の高得点を獲得。2本目のドリッグス(伸身カサマツとび1回半ひねり)も着地で1歩動いたが、実施そのものは素晴らしく16.075を獲得。平均16.325で暫定トップに立つ。
 続くイグナティエフ選手(ロシア)は、1本目に果敢にローチェに挑戦したが雄大性に欠け、脚割れも目立つ実施で、さらにしりもち。2本目は伸身カサマツとび。
 4番手に沖口誠選手が登場。沖口選手は1本目でロペス(伸身カサマツとび2回ひねり)に挑んだが、若干ひねり不足の窮屈な着地となってしまい、前に大きく1歩。以外と得点が伸びず16.075。
2本目の前転とび前方伸身宙返り2回ひねりは着地が惜しくも止まらなかったが素晴らしい実施で16.125。平均16.100で関口選手には及ばず暫定2位。
 5番手のジェントレー選手(USA)は、1本目に屈身ローチェに挑んだが惜しくも足からの着地が認められない実施となってしまい0.000。
リシュチャル選手(ポーランド)は1本目ローチェ、2本目アカピアン(伸身カサマツとび1回ひねり)をまとめ平均15.600で3位につける。
 最終演技者ファーリッヒ選手(ドイツ)は1本目にローチェ。着地こそ前に1歩動いたが素晴らしい実施で16.175を獲得。しかし、2本目のドリッグスで片膝、片手をマットに着いてしまい得点を伸ばせず。
1位関口選手、2位沖口選手、3位リシュチャル選手。日本のワン・ツーフィニッシュとなった。
男子平行棒
 2番手にオリンピック北京大会この種目2位のユー・ウォンチュル選手(韓国)が登場。ユー選手は、ベーレ、屈身モリスエ、ドミトリエンコ、ヒーリーから前方宙返り開脚抜き腕支持を織り込んだ演技構成をまずまずの実施でこなし最後の後方屈身2回宙返り下りは両足で前に1歩。Eスコアが伸びず15.100。
 6番手に登場のキールツコフスキー選手(ポーランド)は、前振り1/4ひねり単棒倒立、前方宙返り開脚抜き支持、チッペルト、ヒーリーを織り込んだ構成で、Dスコアは6.00と高くないものの実施は素晴らしくEスコアで9.100を獲得、得点15.225でユー選手を上回り暫定1位。
 続く中瀬卓也選手は、前半の棒下宙返り倒立で背中側に体重がかかり手をずらしてしまうミス、さらに後半のチッペルトで脚がバーに触れてしまい、ドミトリエンコ、屈身モリスエ、前方宙返り開脚抜き腕支持などはうまくまとめたもののEスコアが伸びず14.900。
 次の演技者ニュエン選手(ドイツ)は終末技は月面宙返り下り(カトー=後方かかえこみ2回宙返り1回ひねり下り)に果敢に挑戦したが、空中でバーに接触、一瞬ヒヤリとさせられたが何とか足から下り事なきをえた。ホンマ、ドミトリエンコ、棒下宙返り系連続、ベーレ、ヒーリーを取り入れた構成で実施面での欠点が多く、得点は14.325。
 5番手に世界選手権ロンドン大会2位の田中和仁選手が登場。前振り上がり開脚抜き倒立で入り、棒下宙返りひねり倒立はほぼ完璧に決めたが、続く棒下宙返り1回ひねり倒立(チホンキフ)で少しブレてしまう、その後は棒下宙返り倒立~屈身ベーレ、モリスエ、前振りひねり倒立、前振り1/4ひねり単棒倒立、単棒閉脚浮き腰上がり倒立とほぼ完璧に実施。後方屈身2回宙返りの着地がやや詰まり、前に1歩動いてしまったがEスコア9.275で得点は15.675。暫定トップに立つ。
 1人おいて最終演技者として世界選手権ロンドン大会のチャンピオン、ワン・グァンイン選手(中国)が登場。着地こそ止まらなかったが、世界チャンピオンにふさわしい高度な演技構成で・実施も素晴らしく、Eスコアでも田中選手を上回る9.425を獲得し、得点は16.225。
1位、ワン選手、2位田中選手、3位キールツコフスキー選手という結果となった。
 中国はエントリーした種目(あん馬、つり輪、平行棒)すべてで優勝、強さを見せつけた。
・ワン選手の演技構成
 逆上がりひねり倒立~棒下宙返り倒立~前振り上がりディアミドフ(リチャード)~後方車輪~ドミトリエンコ、屈身ベーレ、チッペルト~ヒーリー支持、前方宙返り開脚抜き
男子鉄棒
 9選手が出場したが、内村航平選手を含む4選手が途中落下、さらにリッツォ選手(オーストラリア)が着地でしりもちを着くなど5選手が大きなミスを出す結果となってしまった。
 そんな中、中瀬卓也選手は演技中盤のアドラー1回ひねり倒立~伸身コスミックでかろうじてバーをつかむという危ない場面があったものの、伸身コールマンを取り入れた高いDスコアの演技構成を無難にまとめ15.775を獲得し優勝を飾った。
 2位にはコバチで落下した内村選手が入った。内村選手は落下後、再度コバチに挑戦し成功。着地は両足で前に大きく動いたものの、美しい実施で14.425を獲得。内村選手としては当然不本意な出来だったと思うが、ゆか、跳馬に続き日本のワン・ツーフィニッシュとなった。
3位には、後方伸身2回宙返り2回ひねり下りの着地で後ろに転倒してしまったリッツォ選手(オーストラリア)が入った。リッツォ選手は、ロシアンキッペ1回ひねり大逆手、ホップターン、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、アドラーひねり倒立~デフ(ギンガー1回ひねり)を成功させたが着地で痛恨の転倒、得点は14.400。
 バスカーリア選手(アメリカ)は、アドラーひねり倒立~トカチェフ~ギンガー、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミックの連続技をそれぞれ成功させ、さらにリューキン(伸身トカチェフ1回ひねり)に挑んだが惜しくも落下。
 イグナティエフ選手(ロシア)は、伸身トカチェフ、アドラーひねり倒立~トカチェフひねり片大逆手握り後ろ振り上がり倒立(D+D)を成功させ、後方伸身2回宙返り2回ひねり下りの着地も1歩でまとめたがDスコアが低くメダル獲得はならなかった。
・中瀬選手の演技構成
 伸身コールマン、コールマン、閉脚シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり倒立~伸身コスミック、シュタルダー1回ひねり、ホップターン、ホップターンひねり片大逆手、アドラーひねり倒立、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り
・内村航平選手の演技構成
 屈身コバチ、シュタルダー1回半ひねり片大逆手、アドラー1回ひねり倒立(戻ってしまう)、伸身コスミック、コバチ(落下)、コバチ、コールマン、ホップターン、ホップターンひねり片大逆手、エンドー、後方伸身2回宙返り2回ひねり下り