イタリア体操現地レポート1

報告者:

■期間 2013年3月20~26日
■場所 イタリア・ヴェネチア
■選手団
<シニア>
コーチ 坂本周次、水鳥舞夏、龍富貴夫、大野和那
選手 寺本明日香(レジックスポーツ)、井上和佳奈(水鳥体操館)、龍和貴子(鳥栖体操クラブ)、村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)、笹田夏実 (帝京高校)
<ジュニア>
コーチ 内山玲子、橋口美佐代、藤林宏彰、片岡卓也、中山紗萌
選手 内山由綺(スマイル体操クラブ)、土橋ココ(レジックスポーツ)、安井若菜(玉川体操クラブ)、杉原愛子(羽衣体操クラブ)、河崎真理奈(とらい体操クラブ)
帯同審判 鈴木美里
■出発
 選手団は成田空港に集合し14:10日本を出発した。アリタリア航空にて12時間の飛行の後、ローマに到着。イタリア国内線に乗り換えヴェネチアまで1時間。到着後、バスに1時間ほど乗り込み、宿舎に着いたのは現地時間の22:00頃だった。ホテルのロビーで軽い打ち合わせの後、選手達を休ませた。
 今回、シニアとジュニアでチームを編成し、選手、コーチ、審判総勢20名の選手団となった。選手全員、イタリア国際に照準を合わせて調整してくれていたが、出発直前の3月15日に石倉あずみ選手(高島平体操クラブ)が怪我をして、辞退の申し入れがあった。団体戦は、6-6-4制にて行われる中、5名から4名という厳しい状況になってしまったため、カナダ国際に出場した河崎真理奈選手(とらい体操クラブ)の了解を取り付け、協会にも事情を話して選手を変更することとした。
■練習1日目
 空に雲一つないこの上もないすばらしい晴天となった。気温13度、日本との時差マイナス8時間。私は、2010年にもこの大会に寺本明日香のコーチとして参加しているので状況は、よく分かっている。このあたりは、海水浴場でホテルからビーチまで歩いて5分。ホテルの前の通りもいろいろなお店が立ち並んでおり、夏は、人々で賑わうのそうだが、今はまだ閑散としている。
 午前中は、9:30よりウオームアップ、10:00より30分ローテーションで、日本は、シニアがゆか、ジュニアが段違い平行棒からの練習となった。シニア、ジュニアのコーチそれぞれに役割を与えてチェックをしてもらい、私は、自分の所属の寺本(シニア)と土橋ココ(ジュニア)の様子を見ながら全体を把握するようにした。
 アメリカチームはマルタ・カロリーコーチが指導し、シニア団体6名、ジュニア2名の参加で、ジュニアについてはチーム出場ではないようだ。ロシアは、今回不参加のため、シニアの部がアメリカ、イタリア、スイス、日本の4カ国、ジュニアの部がイタリア、スイス、日本の3カ国となった。
 午前中の練習内容は、器具慣れを中心とし、ゆかのアクロバットとコース取り、曲の確認。他の3種目は、午後の全習チェックに備えての演技全体の確認。器具はGYMNOVAで、段違い平行棒はやりやすいという選手の声が多かった。
 午後は、16:30よりウオームアップ、17:00より1種目30分のローテー練習となった。シニアはゆかから、ジュニアは段違い平行棒からの開始となった。
<シニア>
 全体を通してミスが非常に多く落胆した。跳馬は、ユルチェンコ2回ひねりがとべたのは、龍和貴子のみだった。寺本は1回半、その他の選手は、1回ひねりだった。段違い平行棒は、龍、笹田夏実の2人にミス。平均台は、5人中、井上和佳奈一人がよく、他の選手は、全員ミスを出した。ゆかは、寺本、井上、村上茉愛が良く、龍、笹田はミスがあった。
<ジュニア>
 段違い平行棒、杉原愛子以外はミスを出す。平均台では内山由綺、土橋にミス。ゆかでは、内山、土橋、杉原にミス。跳馬では杉原の1回ひねりにミスがあり、全試技を終了。シニア、ジュニアともに8個、合計16個のミスがでてしまった。「これでは、話にならない」。夕食後ミーティングを全員で行い、演技の変更点やオーダー、練習の取り組みなどについて話し合い、試合に向けて全力で取り組むよう指示した。
■練習2日目
 午前中、8:40より25分間のウオームアップ、9:05より25分間のローテー練習。シニアチーム平均台、ジュニアチームゆかからのスタートとなった。ジュニアチームは中学1年生が4人と大変若いチームである。日本から1万キロも離れた異国の地で、できない自分に苦しんでいる姿があった。ただ、こうしたつらい経験は必ず将来へつながっていくので大切にしていきたい。杉原の跳馬は、いい出来だった。段違い平行棒では、急きょチーム入りした河崎真理奈がイエーガー宙返りを何度やっても落下し、涙目になりながらの奮闘。平均台を終えてローテーして来たシニアチームの選手やコーチも一緒になって声をかけ、最後にやっと一本持つ事が出来、みんなの大歓声を受けた。ゆか、内山、土橋は構成を変更した。杉原も昨日よりよく蹴れていた。シニアチーム跳馬で村上が2回ひねり、段違い平行棒で笹田は、シュタルダー1回ひねりを前半に持ってきてなんとか通す事が出来た。龍は、シュタルダー、棒下へ跳ぶ所が不安定。寺本の5.6の演技は、問題なく通るが5.9の演技になると不安定になる。平均台、寺本の3回ひねり下りのスピードが不足していた。課題は少し残ったが、明日の試合の準備は整った。
 練習が終わる頃、イタリアチームが入場して来た。アメリカンカップで一緒だったエリンココーチが代表で挨拶をした後、選手達は、練習に入って行った。フェラーリ選手も元気な姿を見せていた。いよいよ明日大会が始まる。