2016新体操モスクワ・グランプリレポート2

報告者:

大会情報・結果
現地2月20日、モスクワグランプリは団体総合後半と個人総合後半が行われた。
〈団体総合後半 フープ&クラブ〉
昨日リボンの落下ミスなどにより、2位に位置していたロシアは、この日も交換でクラブを落下。その後も安定感に欠け、クラブが落下したのを押さえながら前転するなどして対処を試みたが、バラついた印象で17.350。総合2位となった。
1位はブルガリア。フープ&クラブもパンチの効いた演技で大きなミスもなく、17.850。地元ロシアを下した。
日本(フェアリージャパンPOLA)は、投げが短くなる箇所もあったが、うまく反応し、落下を防いだ。17.400を獲得し、今季初戦で銅メダルを手にした。
4位はイスラエル。昨日はロシアと同点で2位につけていたが、フープの足回しからの投げの前に乱れがあり、焦って投げたため、場外に。
16.150で4位に沈んだ。
日本は昨年、今年と徐々にチーム力が上がってきている。難度の荒さを改善し、投げ受けの精度を上げていくことで、メダルを狙うにふさわしいチームとなっていくだろう。
日本出場メンバー
杉本早裕吏
松原梨恵
畠山愛理
横田葵子
熨斗谷さくら
〈個人総合後半 クラブ、リボン〉
皆川夏穂のクラブは、一言で言って”豪快”。大技小技を織り交ぜ、息つく暇もないぐらいに多彩な技を繰り広げたが、まったく萎縮している感じもなく、すばらしい演技であった。17.566
リボンは背中転がしでもたつき、パンシェターンもはまらなかったが、豪快さは変わらず、17.183。昨日のボールのミス以外は目立ったミスもなく、前日の18位から11位まで上げた。上位にはロシア人選手が5名も含まれており、そんな中での11位は立派である。
金メダル獲得のために巻き返しを図らなければならなかったロシアのMamunは、今日もミスが出てしまった。
クラブは、クイーンのWe will Rock youの曲に乗せ、ほぼ完璧な演技を見せていたが、ラスト間近で落下。惜しいミスが出た。18.700
リボンでは、リボンが生きているような緩急のある演技であったが、こちらもリボンの引き戻しをするために、リボンを低く投げたところで、リボンの裾をつかめず、場外。17.466
総合4位でメダルを逃した。
総合1位になったのは、前日の首位をキープしたロシアのSoldatova。
Kudryavtsevaはまだ故障から復帰しておらず、Mamunが金メダル争いから落ちた中で、地元ロシアで絶対に金を取らなければならないというプレッシャーが彼女の肩にかかった。
しかしSoldatovaは2種目とも踏ん張り、表彰台の真ん中に立った。
2位は韓国のSon。
伴奏音楽は変わっているが、中身はほとんど変わっていないため安定感があり、4種目とも18点台に乗せた。
3位はロシアのArina Averina。双子のDinaに替わって7位から浮上した。
前日2位のDinaはクラブのDERで落下ミスが出て、6位となった。
ベラルーシのStanioutaは、クラブでは演技を終えるとガッツポーズが飛び出した。18.550を出してメダルに手が届くところにいたが、リボンの出だしでリボンがからまり、17.466。
5位になってしまった。
韓国のSonはさほど難しい技は行っていないが、彼女の持ち味である安定感で4種目をまとめた。
1種目でもミスが出るとメダル争いから脱落してしまうため、戦い方というものを考えさせられる結果であった。
<インターナショナルトーナメント・シニア>
早川さくらのクラブは出だしのジャンプで、久しぶりに張りのあるジャンプを見せた。
アチチュードローテーションも粘り、17.683。
リボンも動きのメリハリがきいた演技で17.366。
4種目を通して大きなミスもなく、インターナショナルトーナメント部門で銀メダルを獲得した。
ロシア選手が大勢いる中での銀メダル獲得は大きな自信になったことであろう。
皆川も早川も動きのボリュームや、つなぎや動きのなめらかさが格段に進歩している。
今後も日々自分との戦いをし続け、より高みを目指していってほしい。
<インターナショナルトーナメント・ジュニア>
喜田純鈴のクラブは、DERで背面キャッチのクラブを落下。もう一本のクラブも投げすぎて、場外でキャッチした。
もう1箇所落下をしてしまったが、非常に難しい技であり、落胆する必要はないであろう。
13.866
ボールでは、クラブの曲がかかってしまい、少し動いたあと、再度ポーズを取り直した。
なかなか曲がかからない中、ポーズをとったまま我慢し、場内からは温かな拍手がおくられた。
そして曲がかかると、ていねいな演技を見せた。DERで危ないキャッチもあったが、なめらかな演技で16.166。初の16点台に乗せた。
喜田も、難度の終末がとても良くなっていて、無駄足も少なくなっている。各国からの評価も高く、ロシア短期留学の成果も出ていると言えよう。
明日は喜田がクラブ以外の3種目に、皆川はフープとリボンに、団体は2種目ともファイナルに出場する。(インターナショナルトーナメント・シニアは種目別がないため、早川は出場しない)