2018新体操W杯ソフィア大会レポート1

報告者:山﨑浩子

現地3月30日、W杯ソフィア大会は団体総合前半(フープ5)、個人総合前半(フープ、ボール)が行われた。
日本からは団体にフェアリージャパンPOLA、個人に皆川夏穂が出場(喜田純鈴はコンディション調整のため不参加)。

<団体総合前半フープ5>
18チームが参加し、規模の大きい大会となったが、前半1位は地元ブルガリア。
昨日のポディウムトレーニング(本会場練習)で選手の一人が足首の捻挫をしてしまったが、その影響を感じさせないほど、気迫あふれる演技であった。迫力、スピード感、同時性、どれをとってもハイレベルであり、観客の声援に十分に応えた形となった。
1箇所、ワンバウンドでの落下があったように見えたが、
D1.D2(BD身体難度,ED交換,Sステップ 5.700)
D3.D4(Rリスク,C連係 6.700)
D 12.400
E 8.200 計20.600
20点越えを果たした。

2位はロシア。
メインのグループではなかったが、キャッチの移動も少なく、淡々と演技をこなした。
D1.D2(BD,ED,S 5.600)
D3.D4(R,C 6.700)
D 12.300
E 7.400 計19.700

そして3位に日本。
今季初戦であり、連係や交換でキャッチの移動が数カ所見られたが、よく踏ん張っていた。
D1.D2(BD,ED,S 5.900)
D3.D4(R,C 6.400)
D 12.300
E 7.200 計19.500

4位はベラルーシ。
移動キャッチや、少しスケールの小ささを感じたが、美しく演技をしていた。
D1.D2(BD,ED,S 5.400)
D3.D4(R,C 6.200)
D 11.600
E 7.600 計19.200

5位はイタリア。
前半から中盤はとてもクリアな演技で複雑な連係もうまくこなしていたが、後半の連係で落下、場外。
D1.D2(BD,ED,S ——)詳細不明
D3.D4(R,C ——)
D 12.400
E 7.050 Pペナルティ(ライン)-0.6 計18.850
イタリアはフランスのティエ杯で20点越えを果たしたようであるが、今大会も大きなミスが出てこの点数なので、イタリアは今季も強いという印象である。

6位はウクライナ。
これまでより力強く、団体としてのチーム力も上がっているように思う。
D1.D2(BD,ED,S ——-)詳細不明
D3.D4(R,C ——-)
D 11.400
E 7.300 計18.700

以下
7位フィンランド
8位イスラエル

Dの得点は今季から10点満点が廃止され、青天井となったが、上位陣のDの得点を見ると、
12.400ブルガリア
12.300ロシア
12.300日本
11.600ベラルーシ
12.400イタリア
11.400ウクライナ
となっている。
ベラルーシとウクライナを除いてほぼ同点。
ブルガリアの小さなワンバウンドをミスと取ったかどうか定かではないが、もしミスとしていた場合、まだ点数に上乗せできるということになる。またイタリアも、ミスが出ても12.400なので、構成上はもっと高い点数を持っていることになる。
日本は取りこぼしは少なかったが、まだ上乗せできる箇所はないか、0.1の加点箇所を見つけていかなければならない。

実施Eのほうは
8.200ブルガリア
7.400ロシア
7.200日本
7.600ベラルーシ
7.050イタリア
7.300ウクライナ
となっているが、実施の減点が厳しくなっているため、ブルガリアを除いては7点台となっている。
日本はまだキャッチの移動があるため、D難度点を上げることと平行して、投げ受けの正確性を磨いていくことが必要。
しかし、前半を終えて、昨年に引き続き、「戦える位置にはいる」という印象が持てた。

日本出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
織田莉子

<個人総合前半フープ、ボール>
個人総合も56人と多くの選手が参加。

皆川はフープからであったが、若干動きが固く、フープの両手取りが多くなってしまった。また、パンシェバランスが崩れそうになってしまったため、すぐに起き上がったことにより、続くバックルでのパンシェバランスを実施することができなかった。
全体としては、落下ミスを出さないようにこらえた形となったが、身体難度BDにミスが出たため、点数は伸びなかった。

BD身体難度,Sステップ 3.200
AD加点となる手具操作,Rリスク 4.500
D7.700 E7.450 計15.150

ボールはR(リスク)での視野外、手以外キャッチの際、ボールが真上気味に上がったが、冷静に後転に変えて対処した。
後半のもぐり回転でのキャッチで落下ミスが出てしまったが、 フープの時より動きが良くなり、流れるような美しさを発揮した。
BD,S 4.200
AD,R 4.700
D8.900 E7.200 計16.100

皆川は前半を11位で折り返したが、ボールは7位で種目別決勝に進んだ。

前半1位はロシアのSELEZNEVA。
両種目ともBDがカウントしやすく、ほぼミスのない演技を行った。
フープ
BD,S 4.900
AD,R 5.500
D10.400 E8.400 計18.800
ボール
BD,S 5.300
AD,R 5.100
D10.400 E8.600 計19.000

前半2位は同じくロシアのSOLDATOVA。
モスクワグランプリの時より身体を絞り、そのおかげかBDがだいぶ見やすくなった。彼女の持ち味である回転力も戻り、パンシェのローテーションは5回を数えた。
しかしフープではADで落下。Rの投げも戻ってしまうというミスが出た。
BD,S ——-詳細不明
AD,R ——-
D9.700 E7.200 計16.900

ボールは大きなミスはなく、エネルギッシュな演技をした。
BD,S 5.300
AD,R 5.500
D10.800 E8.700 計19.500

前半3位はブルガリアのKALEYN。
フープは落下ミスが出て、多少緩い感じがしたが、ボールはパッセでの回転力もあり、キャッチの方法もバラエティに富んでいた。
フープ
BD,S 4.400
AD,R 5.100
D9.500 E7.700 計17.200

ボール
BD,S ——-
AD,R ——-
D10.300 E8.300 計18.600

4位はイスラエルのASHRAM。
フープではパンシェバランスで床に手をついてしまったが、相変わらず安定感のある演技を行っていた。
フープ
ボール
BD,S ——-
AD,R ——-
D9.500 E7.900 計17.400

ボール
BD,S 4.200
AD,R 5.700
D9.900 E8.100 計18.000

以下
ブルガリアのTASEVA、ベラルーシのSALOS、USAのGRISKENASと続いている。

明日は団体総合後半(ボール&ロープ)、個人総合後半(クラブ、リボン)が行われる。
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