2018新体操W杯ソフィア大会レポート2

報告者:山﨑浩子

W杯ソフィア大会2日目は、団体総合後半(ボール&ロープ)と個人総合後半(クラブ、リボン)が行われた。
<団体総合後半(ボール3&ロープ2)>
上位陣で先に登場したのはブルガリア。
昨日に引き続き、キレのある演技を繰り広げた。中盤の連係で落下ミスはあったが、それ以降も勢いを止めることなくアグレッシブに演技した。
​D 12.800
E 7.850 計20.650
落下ミスがあったのにも関わらず、20点超え。ブルガリアは両種目とも20点を超えて金メダルに輝いた。フープとの合計41.250

前半2位のロシア(ナショナルチームではない)は大きなミスはなく、美しく演技していたが、
D 11.600
E 7.000 計18.600 合計38.300

そして前半3位の日本(フェアリージャパンPOLA)は、まだ成功率の低い箇所は内容を変更して試合に臨んだ。
それが功を奏して大きなミスは回避し、
D 11.700
E  7.500  計19.200
勝てるときには勝っておくということで、懸命な判断であったと思う。
フープの得点と合わせて38.700。ロシアをかわして2位に躍り出た。

ベラルーシはR(リスク)や連係で落下。パンシェのローテーションでもバラツキが見えた。
D 10.800
E  6.200  計17.000 合計35.800

日本を追い越す可能性があるのは、昨日4位のイタリア。
しかし、前半にロープの不正確なキャッチや移動キャッチが見られ、
D 11.800
E  7.900  計19.700  合計38.550

日本は昨日の貯金で逃げ切り、今季初戦にて銀メダルを獲得した。
3位にイタリア。

ウクライナは連係や交換で幾度か落下ミスがあり、
D 10.500
E  6.600  計17.100  合計35.800

1位 41.250 ブルガリア
2位 38.700 日本
3位 38.550 イタリア
4位 38.300 ロシア
5位 36.200 ベラルーシ
6位 35.800 ウクライナ
7位 34.650 イスラエル
8位 32.850 フィンランド

日本は両種目ともまだ大きさが足りない。
今回ロシアはナショナルチームではなかったが、ブルガリア、イタリアと比較して、まだその差はあると思う。
しかし日本は、強豪国にとってあなどれない国になってきたことは確かであろう。
今後はより難度点と実施の点数を上げていき、20点を超えることを目標にしていきたい。

日本(ボール&ロープ)出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
横田葵子

<個人総合後半(クラブ、リボン)>
皆川夏穂はクラブの種目から。
このところ表現力も増してきて、ダイナミックな演技であったが、Rの投げが戻ったり、キャッチがライン際であったりと少し正確さを欠いた。
ラストのAD(加点対象となる手具操作)も時間が足りなくなってやらず、
D 7.600
E 7.400 計15.000

リボンは非常に流れが良く、Rも間を置かずキャッチできていたが、ラスト近くになってADでポトリと落下。
惜しいミスが出た。
D 7.900
E 6.900 計14.800

4種目合計で61.050。昨日から順位をひとつ上げ、10位となった。

個人総合1位はロシアのSOLDATOVA。
リボンは情感たっぷりに、クラブはダイナミックに演技し、大きなミスは回避した。

2位には同じくロシアのSELEZNEVAが入った。
クラブ、リボンともに落下があり、1位の座を明け渡した。

3位はイスラエルのASHRAM。
クラブでは落下ミスが出たが、リボンは伸びやかに演技して、前半4位から順位を上げ、銅メダルを獲得した。

前半3位の、ブルガリアのKALEYNは気合い十分であったが、気合いが入りすぎたのか、リボンのステップ中に落下。身体へのリボンの絡みや、投げの不安定さなどもあり、13.650。一気にメダルが遠のいた。

代わりにブルガリアのTASEVAがメダル争いをしたが、やはりリボンの投げが不安定になり、16.200。
ASHRAMに及ばず、4位となった。

5位はベラルーシのSALOS。小さく、まだ若い選手であるが、身体能力が高く、特にフープの操作は目を見張るものがあった。

6位がKALEYNで7位にウクライナのNIKOLCHENKOが入った。プロポーションが良く、アピール性も高い。今後が楽しみな選手である。

日本の皆川の課題ははっきりしている。
BD(身体難度)の曖昧さである。特に後方支持ありローテーションでは1回転しか回っていないし、バランス系も安定感があるとは言いがたい。
手具操作に関しては、昨年よりADを増やしているが、BDが3点台では戦えない。
美しさや動きの深さなどは他の選手より秀でいるので、今後はよりカウントしやすい難度に変更するなどして、得点のアップを図っていく必要がある。

明日は種目別決勝が行われ、皆川はボールとリボンに、団体は両種目とも出場する。

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