2019新体操リスボン国際レポート2

3月9日、リスボンインターナショナル2日目は個人総合後半種目（フープ、ボール）が行われた。

日本からは皆川夏穂、大岩千未来、喜田純鈴の3名が出場。
前半を4位で折り返していた皆川はボールの種目から。

いくつか両手を添えるような形でのキャッチが見られ、ラスト近くのR（リスク＝手具を投げ上げ、2回転以上の転回をしてキャッチ）では投げが大きくなった。それでもしっかりとキャッチし、落下を防いだ。
AD（加点対象となる手具操作）を多く入れ込んでいるため、少し急いでいる感があったが、彼女が持つ優雅さは失われずにいながら、強さが増してきたように思う。
D1 （BD身体難度、Sステップ）4.30 　 D3（AD、R ）6.80
D11.100 E8.300 計19.400

フープでも、座からの足投げが大きくなったが、粘ってキャッチ。いくつかADを省いたものの、大崩れしない強さが身についてきたようである。
D1 4.40 D3 6.80
D11.200 E8.700 計19.900
あと一息で20点台に乗せられるところまできた。
4種目総合点　75.250

大岩のボールは、全体的にとてもなめらかであった。一か所、後方支持ありのローテーション時にボールを腰に挟んでいるのだが、ローテーションの終了後ボールが外れて落下。ワンバウンドで流れは壊さなかった。
身体難度はたぶん認められたようで、
D1 4.60 D3 5.70
D10.300 E8.100 計18.400

フープは大きなミスなく演技し、
D1 4.50 D3 5.80
D10.300 E8.250 計18.550
総合点　71.100

昨日クラブで二度落下して順位を落としていた喜田であるが、ボールは全体的にとても丁寧であった。丁寧になり過ぎた結果、時間が足りなくなり、ラストのADは行えなかったが、
D1 4.80 D3 6.30
D11.100 E8.150 計19.250
で、自身初の19点台に乗せた。

フープもいくつかADをやれていない箇所はあったが、伸びやかに演技した。
D1 4.40 D3 6.80
D11.200 E８.350 計19.550
2種目を19点台に乗せた。
総合点　71.800

個人総合1位になったのは、前日2位のVLADINOVA（ブルガリア）。
フープ、ボールとも少しバタバタとした印象はあったが大きなミスはなく、
フープ
D1　4.60　D3　7.60　
D12.200　E8.650　計20.850

ボール
D1　5.00　D3　7.20
D12.200　E9.100　計21.300
総合点　80.250

2位は前日首位のTASEVA（ブルガリア）。
ボールのRで落下して大きく走り、フープでもジャンプターンのキャッチで落下。そのほかADがいくつか抜けた。
ボール
D1　5.30　D3　6.40
D11.700　E7.800　計19.500

フープ
D1　4.00　D3　6.70
D10.700　E7.950　計18.650
総合点　77.850

3位には皆川が入った。75.250

4位はイスラエルのTELEGINA。
今日も正確で安定感のある演技を見せていたが、ボールのADで落下し、それが響いて皆川に0.150差で4位に。
フープ
D1　4.80　D3　6.80
D11.600　E8.800　計20.400

ボール
D1　4.50　D3　5.60
D10.100　E7.950　計18.050
総合点　75.100

5位はブルガリアのKALEYN。
ボールではパッセのローテーションで6回まわるなど、ローテーション力で得点を重ねるとともに、ADも次々とこなした。
D1　5.60　D3　6.90
D12.500　E8.900　計21.400

フープも迫力のある演技を行っていたが、ラスト近くのADで落下。
D1　4.20　D3　7.00　
D11.200　E8.500　計19.700
ボールで21点台を出して追い上げたが、昨日のクラブのミスが響いて（14.500）5位となった。
総合点　73.600

喜田は6位に、大岩は7位となり、ふたりとも入賞を果たした。
皆川はモスクワグランプリと比較すると、体のキレも良くなっている。
まだ早いペースの作品に慣れていない感じはあるが、躍り込んでいけばもっと安定感も増してくるであろう。

喜田は大技を組み込んでいるので点数をとりやすい。
昨年は故障で不本意なシーズンを送ったが、体も大きくなり、伸びやかさが増してきた。この大会を自信に良い練習を重ねていけば、20点台に乗せることができるであろう。
大岩は高速のローテーションと美しさを武器に、会場を沸かせた。また、伸びしろも感じさせてくれた。
今後もそれぞれの武器を手に、磨きをかけていってほしい。

明日は種目別決勝が行われ、皆川は全種目、喜田はクラブ以外の3種目、大岩はクラブに出場する。
大会情報・結果へ