新体操W杯ソフィア大会レポート2

報告者:山﨑浩子

4月13日、W杯ソフィア大会は個人総合後半と団体総合後半が行われた。

<団体総合後半フープ3&クラブ2>
日本(フェアリージャパンPOLA)は試技順2番に登場。
キャッチに移動があったが、投げに合わせてフォーメーションを少しずつずらすなど、試合への対応力、チーム力を見せて落下ミスを回避した。
数日前に増やした連係もなんとか対応できていた。

D1(BD、ED交換、S)5.800
D3(C連係、R)9.500
D 15.300
E  7.750 計23.050

出場選手
杉本早裕吏
松原梨恵
熨斗谷さくら
鈴木歩佳
横田葵子

2種目合計 46.800

団体総合1位はブルガリア。
前半のR(リスク=手具を投げ上げ、2回転以上の転回を行ってキャッチ)で落下し、移動キャッチもあったが、後半持ち直した。
映画「グレイテストショーマン」の曲に合わせ、軽快に、そしてパワフルに演技した。
D1 5.600
D3 10.900
D 16.500
E 7.900 計24.400

2種目合計 49.350

2位はイタリア。
前半は投げが乱れ、加点対象をやらない選手もいたりしたが、なんとかしのぎ、落下を防いだ。
D1 5.500
D3 10.600
D 16.100
E 7.800 計23.900

2種目合計 48.200

ウクライナは前半移動も少なく次々と技を決めていたが、終盤の足投げの交換でフープが場外。
予備手具に差し替えることなく、最後の連係に入ってしまったため、ノーカウント。フープが1本足りない状況でポーズを取ることになった。
D1 5.000
D3 10.700
D 15.700
E 6.650 ライン減点0.3 計22.050

2種目合計 45.200

ベラルーシも出だしは良かったが、連係で落下すると、Rがひとりやれなくなり、クラブとフープで組み立てたフープの中に跳び込む連係の後、組み立てたものがバラバラになってしまい、落下。
ラストも大きく移動し、後半ガタガタになってしまった。
D1 5.600
D3 9.000
D 14.600
E 5.850 計20.450

2種目合計 43.800

前日、日本と僅差であったウクライナとベラルーシがミスしたことで、日本は前日の3位を守り通し、今季初の団体総合銅メダルを獲得した。

ウクライナが4位で、ベラルーシは6位。
5位にはロシア(ナショナルチームではない)が入った。

メダル獲得は嬉しいことであるが、喜んでばかりもいられない。
やはりフープ&クラブのD3点が足りず、他の国がミスなくやってくると、すぐに追い越されてしまうだろう。
4月末にはW杯バクー大会があるが、4月のW杯シリーズが終了したら、再度構成を見直し、構成点を上げておかなければならない。

<個人総合後半>
喜田純鈴はクラブの種目から。
昨日は落下なしで演技を終え、幾分自信になったようであるが、クラブの前半は少し硬い感じであった。
それでも判断良くがまんして落下を防いでいたが、終盤のAD(加点対象となる手具操作)でつないだクラブを膝裏で蹴り上げる箇所で、その前でもたついたことからクラブが良い場所にセッティングできず、足で蹴り飛ばす形となってしまった。
クラブは大きく場外し、差し替えてラストのADを行ったが、それも落下。大きなミスとなった。
D1 4.200
D3 5.500
D  9.700
E 5.000 場外とタイム減点0.400 計14.300

リボンは気持ちを切り替えて、危ない箇所もいくつかあったがしのいだ。ラストのキャッチがこぼれてしまったのはもったいなかった。
D1 
D3
D 9.400
E 6.950 計16.350

4種目合計 68.300で17位。

1位はロシアのSOLDATOVA。
いくつかADをやれなかったり、BD(身体難度)が甘くなったりしたが、4種目を通じて落下がなかったのはすばらしい。
クラブ21.400 リボン18.800
4種目合計 82.450

2位はイスラエルのASHRAM。
クラブはラストのRでクラブで押さえきれずに落下。20.650
リボンも投げは乱れていたが、投げに対する反応の速さで、ミスを防いだ。19.250
4種目合計 80.450

3位はブルガリアのTASEVA。
2種目ともあぶない箇所はあったり、Rでの回転不足などはあったが、ASHRAMと同じで反応が早く、対処も適切で落下なし。
クラブ 21.200  リボン 18.500
4種目合計 80.150

4位はイスラエルのZELIKMAN。

5位にウクライナのNIKOLCHNKO。
クラブではADで落下してしまったが、4回連続の上体を反らしてのジャンプターンが、高さ、開脚度、反った角度、どれをとってもすばらしく、減点ではなく加点をあげたいぐらいであった。
ローテーションもしっかりと決まり、BDがはっきりと見えた。
D1は6.200と高得点。D3もミスがあったにもかかわらず、7.300。Eが8.450で計21.950。
SOLDATOVAの上をいった。

リボンもBDがよく見え、抽象的な音楽をうまく表現しており、見ごたえのある演技であった。18.500

6位USAのGRISKENAS。
7位ベラルーシのHARNASKO。
8位ブルガリアのVLADINOVA。

昨日の結果からすると、だいぶ順位が入れ替わったが、どの選手もミスが多く、出来によって順位が大きく変動しているという状況。

喜田は以前よりスピード感も増し、動きも出てきた。一時期、成長期のためにローテーションに苦慮していたが、回転数も戻ってきた。
しかし、悪い点はミスした後の対処ができていないこと。ミスが出ると、とたんにがっかりした感じが出てしまう。
いかに早く気持ちや体勢を整えられるかは、練習の時からそういう訓練をしておかなければ、試合だけできるということはない。
日頃の練習からもっと試合を想定した練習を積み重ねることで、崩れが少なくなってくるだろう。
良い面と悪い面の両方が出た大会であるが、続いてW杯タシケント大会に出場するので、少しずつ改善をしていってもらいたい。

現在の日本選手のベストスコア(W杯)
皆川夏穂   76.250(ペサロ)
大岩千未来  73.050(ペサロ)
喜田純鈴 68.300(ソフィア)

明日は種目別決勝が行われ、団体は2種目に出場する。
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